少女時代の「外国への憧れ」が
グローバルな仕事に向かう原動力に

掲載日 2018/3/19
No.02
エア・カナダ 日本支社長
ワイス貴代
KIYO WEISS

OVERVIEW

大学での学びのフィールドは、インターンシップや海外留学を通じて世界中に広がっています。
青山学院大学でグローバルな発想と思考を養い、世界で活躍する人材へと成長している学生を紹介します。

仕事をするうえで克服できない困難はない!

私は現在、カナダ最大の航空会社「エア・カナダ」の日本支社長を務めています。日本支社では、日本発着路線の拡充や、その販売のための営業・マーケティング活動などを行っています。
現在、当社では、アメリカへ渡航されるお客様に対して、空港へのアクセスの良さ、米国への入国審査の簡便さなどをアピールポイントに「羽田発・トロント経由」「羽田発・バンクーバー経由」を強力にプロモーションしています。また、新たなレジャー需要を創出するために、カナダ政府観光局と協力して、日本の旅行会社トップの方々をカナダへご案内し、「どんな工夫をすれば、多くの日本人にカナダを訪れてもらえるか」という戦略を共に考えるなどの活動を行っています。

私たちが日本のお客様を増やすことで、カナダにある本社は「もっと日本へのフライトを増やしたい」と考える。すると日本支社スタッフのモチベーションが向上し、さらに多くの方々にカナダを訪れてもらおうと知恵を絞る……このサイクルを回し続けることが、私に与えられたミッションです。
航空業界は、私のように、外向きの好奇心が旺盛な人間――世界中の様々な人たちと関わりたいと思っている人には、ぜひおすすめしたい仕事です。もちろん、テロや感染症の流行などによって、その地域への渡航が激減するなど、外的要因によって業績が左右されてしまうリスクはあります。
でも、仕事をするうえで最も大切なのは、常にポジティブな気持ちを忘れないこと。「克服できない困難はない」という気持ちで解決法を見つけ、プロジェクトを前に進めていくことに大きなやりがいを感じています。

最近、私が仕事をするうえで大切にしているのが「逃げるな! 怠けるな! 照れるな!」という言葉。どこかで偶然目にした言葉なのですが、特に最後の「照れるな!」が気に入って、自分自身を戒めるとともに社員たちとも共有しています。人は、自分が頑張っている姿を他人の目にさらすことに「照れ」を感じて躊躇しまいがちです。でも、照れていたのでは前に進めません。照れずに、情熱を持って仕事に取り組もう……そう肝に銘じています。

学生生活で自然と身についた「サーバント・リーダーシップ」

私が、外国の生活や文化に興味を持つようになったきっかけは、父の存在でした。
神戸製鋼所の社員としてインド、バーレーンなど多くの国々に駐在していた父は、帰国するたびに、私に異国の食べ物や文化、風習などについて話してくれました。私は父の話を聞きながら、未知の国に思いを馳せていました。
小学生の頃から英語教室に通い、中学2年生の夏休みには、アメリカのアイダホ州に1か月間ホームステイしました。ホストファミリーは農家。畑でラズベリーを摘んだり、馬に乗って山に入りキャンプをしたり……初めて体験するアメリカの田舎暮らしは、生涯忘れることのできない思い出です。同時にこのホームステイは、私がグローバルな世界に目を向ける「原点」となった体験でした。

青山学院では、高等部から大学(文学部英米文学科)までの7年間にわたって学びました。青山学院の校風は、「他者と争い、他者に先んじるのでなく、皆で共存していくことを志向する」傾向があります。そして私を含め多くの卒業生が、無意識のうちにそうした気風を身につけているように感じます。
青山学院では近年、「未来を拓くサーバント・リーダーの育成」というビジョンを掲げていますが、他者の声に耳を傾け、相手の立場に立って相手の気持ちを理解する……といった“青学気質”は、まさにサーバント・リーダーの特性そのものと言えるでしょう。
大学時代は、学業はもちろんですが、サークル活動(基礎スキー愛好会)やアルバイトにも精を出しました。特にナレーターコンパニオンのアルバイトは印象に残っています。東京モーターショーや、コンピューターショウなどの企業ブースで商品やサービスをナレーションで紹介する仕事です。人前で話すことに対する苦手意識がなくなったのは、このアルバイトのおかげだと思います。

私が大学を卒業した1985年は、男女雇用機会均等法が施行される前年にあたります。三井物産に入社した私は、男性社員の補助的業務を担当していましたが、仕事の内容がわかってくるにつれて仕事に対する欲が出てきました。男性社員が、海外に出張したり、素敵な店で接待をしているのを見て「私も男性と同じように仕事をしてみたい」と思うようになったのです。
三井物産を退社した私は、「世界で通用する本物のコミュニケーション能力」を身につけたいと思い、サイマル・アカデミーで2年間、英語の勉強に没頭しました。その後、『エコノミスト』グループのコンサルティング会社で働きながら、次の仕事を探していたとき、「ジャパンタイムズ」の求人広告欄で、ユナイテッド航空の求人を見つけたのです。これが、私が航空業界に入るきっかけとなりました。
1990年から19年間ユナイテッド航空で勤務し、2009年にエア・カナダに入社。2013年から日本支社長を務めています。

グローバル環境で仕事をする魅力とは?

私が仕事に専念するために欠かせないのが、夫の協力です。彼は料理が得意で、食事の用意はすべてやってくれています。また子育てに際しても、彼は自分の時間と私の時間を上手に調整して、自主的・積極的に関わってくれました。おかげで私は、家事に追われる事もなく、仕事と家庭を両立してきました。彼は、「私の仕事を支える最高の支援者」でもあります。最も信頼できる相談相手ですね。
いま、私がいちばん楽しみにしているのが、ボストンで暮らす大学3年生の娘と過ごす時間です。休みが取れると、一緒に旅行をしたり、食事をしながらボーイフレンドのことや、最近ハマっているワークアウトなどについて話します。

私は現在、「青山トラベル・ソサエティ」会長、「青山経済人会」副会長などの仕事を通じて青山学院と関わっています。世代も業種も多様な同窓生たちとの交流の中で気づかされるのは、誰もがジェントルで、相手の話を傾聴する姿勢を崩さないこと……まさに「一人ひとりがサーバント・リーダー」だと感じます。
翻って、自分自身がどんなリーダーかと問われれば、「共存のリーダー」でしょうか。周囲のスタッフが何を望んでいるのかを知るために、まずは話をしっかり聞き、どうすれば役に立てるか考える。そして、自分の心の声に対しても耳を傾ける……みんなの話を聞いて、みんなと一緒につくっていく「共存のリーダー」だと思います。

さて、「グローバルな環境で仕事をする」ことの魅力とは何でしょうか?
日本では、あえて言わなくても誰もが理解し合える共通概念があります。しかし世界では、自分の考えを、言葉を尽くして相手に伝えると同時に、相手の考えをしっかり咀嚼して理解しなければ、コミュニケーションは成り立ちません。しかし、こうしたコミュニケーションを通じて、これまで知らなかった価値観を吸収することで視野が広がります。私はこれこそが、グローバル環境で仕事をする魅力だと思っています。

ワイスさんの1日

  1. AM 8:30

    出社、メールチェック、その日のto do リストの書き出し

  2. AM 9:00

    カナダ本社との電話会議

  3. AM 10:00

    社内のチームとミーティング

  4. PM 0:00

    取引先とランチミーティング

  5. PM 3:00

    アジアチームと電話会議

  6. PM 6:30

    カナダ大使館にて、カナダ商工会議所の方等カナダのビジネス界の方と食事会

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英米文学科

多数の外国人教員を含む教授陣を持つ英米文学科は、高い水準と充実したカリキュラム構成を誇りとし、英語の実際的運用力を向上させるさまざまな科目も配置。「英語の青山」を代表する学科です。

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