まちづくりを多角的に学び
目指す地域への貢献
コミュニティ人間科学科 3年
(現神奈川県立相模原弥栄高等学校)出身
OVERTURE
さまざまな地域の問題に対する解決策を学ぼうと、コミュニティ人間科学部に進学した大野さん。まちづくりに関して学ぶ日々の中で、キャンパスがある地元、相模原への思いも深めつつ、一つ一つの授業や課題に真摯に向き合い、2022年度学業成績優秀者表彰において最優秀賞を受賞しました。
親しみある相模原キャンパスで地域について学ぶ
私は相模原市で生まれ育ち、小学生の時には両親に相模原祭に連れてきてもらった楽しい思い出もあるため、幼い頃から親しみを持っていた青山学院大学の相模原キャンパスで今学んでいることに大変縁を感じています。コミュニティ人間科学部を志望したのは、地域の課題に対して、解決の糸口を探せるような人になりたいと思ったからです。小さい頃は地元の子ども会に所属し、地域のお祭りに参加するのがとても楽しかったのですが、今はそうした地域の行事も減ってきていることを知り、地域をとりまく問題に関心を抱くようになりました。また、私は人に教えることが好きで、教育の領域にも興味があったので、地域に関係する教育学も学べるということも魅力でした。
コミュニティ人間科学部には「子ども・若者活動支援プログラム」、「女性活動支援プログラム」、「コミュニティ活動支援プログラム」、「コミュニティ資源継承プログラム」、「コミュニティ創生計画プログラム」という5つの専門領域があり、私はこの内の「コミュニティ創生計画プログラム」を選択し、主にまちづくりについて学んできました。授業で題材として相模原市が取り上げられることも多く、また大学でさまざまな地域で生まれ育った友人たちができたことで、改めて地元に関心を持って目を向けるようになり、今まで見えていなかった魅力や課題、さまざまな取り組みに気付くようになりました。地元への愛着も深まっていると感じます。
思考力を養い視野を広げた演習の授業と地域実習
本学部では、1年次から少人数の演習科目が設けられており、1、2年次の演習の授業で身に付いたことが3年次からのゼミナール(ゼミ)にあたる「専門演習」の学びに生きています。
1年次の「基礎演習」では物事を多角的に捉え、考える方法を学びました。これからさまざまな論文や文献を読んで知識を得ていこうという段階で、情報を鵜呑みにするのではなく、それが本当に正しいのかを一度疑ってみるという意識を持てたことが、その後の思考力や判断力の修得に結びつきました。2年次の「応用演習」では、ゼミと同様に各自興味のあるテーマを調べ、発表を行います。私は「景観を生かした地域の活性化」について発表しました。授業はそれぞれの専門領域に関係なくクラス指定されているので、子どもの貧困問題や女性の人権問題など、自分が学んでこなかった分野を取り上げる人もいて、学びたいことを整理する場になったと同時に、新しい分野に触れ、知ることができる場にもなりました。また、伝えたい要点をまとめることや、聞き取りやすいように落ち着いてゆっくり話すなどプレゼン力が養われ、積極的に自分の考えが発言できるようにもなりました。
現在は「記憶の継承」をテーマに、広く文化資源の継承についても学ぶ安斎聡子先生のゼミに所属しています。このゼミに入るきっかけになったのが、1年次に履修した安斎先生の「コミュニティ文化継承概論」の授業です。地域を特徴付ける歴史的な景観や伝統工芸などに元々興味を持っていたところ、この授業で地域の文化を残していくことの意味や、文化資源に価値を見出し、地域を活性化する方法もあると学んだことが、その後の「応用演習」での発表、そしてゼミへとつながっていきました。安斎先生が東日本大震災の記憶をつなぐ活動に以前携わっていらっしゃったことから、ゼミでは震災についても学んでおり、そうした方面へも興味が広がってきています。
また、本学部の学びで最も楽しみにしていたのが地域実習です。企業がまちづくりに関わる現場が見てみたいという思いから、北海道の菓子メーカーである株式会社六花亭を実習先として選びました。5日間にわたって六花亭が社会貢献活動として運営している美術館やコンサートホール、社内保育園などの施設を見学し、地域に根差した地元企業として、さまざまなアプローチで地域に貢献している様子を知ることができました。印象に残ったのは、観光客だけではなく、地元の方も日常的に集まっている場所が多いことで、まちづくりを考える上で地域の人の居場所づくりが重要であることを実感する経験となりました。
相模原祭実行委員会の活動で得た喜びと大きな達成感
課外活動では、友人に誘われて相模原祭実行委員会に所属しています。私は広報局対外部として活動していて、学園祭を盛り上げるために、企業に協賛をお願いしたり、交渉したりするのが役割です。自分が担当した企業のものを景品等に使わせていただくことで、仲間に喜んでもらえるだけでなく、企業側からも感謝されることがあり嬉しかったですし、ビジネスルールも一から学ぶことができました。残念ながら昨年は新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開催になり、一般の方々に来ていただくことは叶いませんでしたが、周りの人と協力しながらひとつのものをつくり上げるという貴重な経験ができ、学部の勉強だけでは得られない大きな達成感がありました。
今年は念願の相模原祭対面開催を目指して準備を進めています。子どもの頃に訪れ、思い出に残っている学園祭を、今度は自分が企画・運営する立場で成功させられるよう、がんばりたいと思います。
一つ一つ努力を重ね、地域を支えられる人に
今年度の学業成績優秀者表彰で最優秀賞を受賞できたことは本当に驚きで、今でも信じられないくらいです。特別な勉強法はありませんが、一つ一つの授業や課題に丁寧に取り組み、最後までやり切ることを心掛けてきました。コロナ禍で全ての授業がオンラインになった1年次は、朝から晩までパソコンに向かっている日も多くあり、精神的にとても苦しかったですが、外に出て空気を吸ったり、音楽を聴いたりして意識的に気分転換を図りながら乗り切りました。そうした努力が実を結んだのかなと思っています。
私は相模原キャンパスの雰囲気が大好きで、集中して勉強したい時にはよく図書館を利用しています。大きな窓から青い芝生やチャペルが見えてとても気持ちが良く、学習がはかどります。入学して感じた青学の魅力は、設備が整った環境において、学部での専門的な学びに加え、青山スタンダードを通して広く興味のある教養科目を学べることで、私自身は、英米文学から経済学、科学技術、アイルランドの歴史まで多様な分野を学び、興味関心を多方面に広げることができました。魅力あふれるキャンパスで、多くの友人と楽しみながら勉強や課外活動に打ち込んでこられたことを何より嬉しく思っています。
残りの大学生活ではゼミで学びを深めると共に、学芸員と社会教育主事の資格取得も目指しています。コミュニティ人間科学部はこれらの資格に関連する必修科目も多く設けられており、学部の学びを専門的な資格取得につなげたい人にもおすすめです。そして、将来は地域に貢献し、支えていける人になりたいと考えています。どんな仕事に就くにしても、今まで通り一つ一つのことをおろそかにせず、努力する姿勢を持ち続けていきたいです。
コミュニティ人間科学部
コミュニティ人間科学部では、日本国内の地域に着目した社会貢献を追究し、地域文化とそこに暮らす人々の理解を深め、より良いコミュニティ創造に寄与する力を培います。幅広い知識の学び、体験し行動するプログラムを通じて、自ら課題を発見・解決し、地域の人々との互助・共助のもとにコミュニティの未来を拓く力を育成します。
日本の地域社会は、高齢化や過疎化などさまざまな課題に直面しています。その解決に力を発揮するには、地域の人々に接し、活動の実際を知り、共感する体験が重要です。コミュニティ人間科学科では、地域の人々や行政についての学びをはじめ、市町村やNPOと連携した体験的実習などを展開します。専門家として、地域社会の構成者として、地域の活性化や持続的な活動支援ができる人材を育てます。