電気電子工学科での
学びと出会いで広がった
視野、身に付いた積極性

掲載日 2023/8/3
No.253
<2023年度 学業成績優秀者表彰 奨励賞受賞>
理工学部 電気電子工学科 3年
山上 椿
東京都立昭和高等学校出身

OVERTURE

大切なものを下支えするものに惹かれるという山上さんは、見えないけれど社会基盤を支えるさまざまな技術に関わっている電気工学・電子工学を多方面から学んでみたいと電気電子工学科に進学。これまでの大学生活を振り返り、「青山学院大学を選んでよかった」と話します。学科の魅力だと感じている学ぶ環境をはじめ、好奇心を刺激する授業の紹介や、ご自身の成長についてお話を伺いました。

向学心にあふれる学科の雰囲気がアクティブな学習を後押し

高校生の頃から物理が得意で、特に「目に見えないのに計算式で解が出せるなんて不思議で面白い!」と心惹かれたのが電気の分野でした。大学でも電気について学ぼうと大枠は決めていたものの、その中でどのようなことを研究したいのかは明確に描けずにいました。そこで大学の学びを調べていくうちに、研究テーマが豊富で、材料や情報通信など幅広い研究を行っている青山学院大学の電気電子工学科ならば、興味を持って深めていける研究分野が見つかるにちがいないと考え、進学することを決めました。

1年次から力を入れて取り組んだのが、理工学部共通科目の数学の授業です。数学は専門科目全ての基礎になるので、学科の授業内でも先生が数学の授業内容とのつながりを示してくださることがよくあり、まず基礎を固めてこそ、その先が理解できると意識付けられたと思います。数学の演習では専任の先生2,3人の他に、大学院生のTA(Teaching Assistant)も授業のサポートを行うため、一人一人わからないところを丁寧に教えていただくことができます。公式や原理を定着させるため、授業後にも繰り返し復習することを心掛けました。

2年次後期に履修した「電気回路III」では、学習してきた微分方程式やラプラス変換(変数変換の一種。主に、線形微分方程式を解析するためのツール)を用いて、スイッチを開閉した直後などの電気回路の過渡現象(ある定常状態から別の定常状態に移るまでに起こる現象や、電圧・電流などの時間的な変化)について理解を深めました。2年次前期までに努力して身に付けた数学の知識を電気分野にそのまま生かして新しいことを学べたという充実感があり、解を出せた時には達成感が得られましたし、それまでの授業では、振動の極大と極小などの位置が空間的に移動しない定常状態にある電気回路について主に扱われていたので、理解できる回路が増え、ステップアップできたと感じました。また、担当の野澤昭雄先生の授業は、形式的な出席確認より積極的な参加姿勢を重視し、学生の理解度や知識の定着を評価するスタイルです。大切なことは口頭説明と板書のみなので、聞き漏らすことがないよう集中してノートをとり、不明点は質問して内容をしっかり理解しようとする姿勢が自然と身に付きました。

この授業に限らず、本学科には総じて学生が活発に発言や質問をする雰囲気があります。友人たちも学習意欲が高く、わからないことがあれば迷わず先生に質問する積極的な姿勢に引っ張られて、私もわからないことをそのままにしない習慣と自発性を身に付けることができました。先生方もわかりやすく丁寧に対応してくださり、質問しやすい環境があることが有り難いです。

幅広い研究分野に触れた授業が大学での学びの指針に

研究分野が決まっていなかった私にとって、1年次の必修である「電気電子工学概論」は学びを進めるための指針となりました。授業を通して各研究室の研究内容について知り、電気や電子に関わる研究の幅広さは考えていた以上だとワクワクし、さまざまな分野へ関心の幅が広がりました。授業後に気軽に興味のある分野の研究室の先生に相談したり、気になる研究室を見学したり、先生に履修や進路の相談ができたのも大変有意義でした。研究内容だけでなく、それらが社会でどのように役立っているのか、就職先はどのようなところが考えられるかといったことも親身に説明してくださるので、「この分野を極めていくとこういう仕事ができるんだ」と将来のイメージが持て、勉強のモチベーションになったと思います。私はやはり目に見えないものに惹かれる性分で、中でもイメージがしづらいけれど現代社会や日々の生活に必須と感じる「電波」に興味がかき立てられ、履修計画を見直して、できるだけ電波に関する授業を履修するようになりました。その時々の興味関心に応じて軌道修正しながら、学びを深められることが、主体的に学ぶ意欲につながっています。

現在履修中の「電気工学実験Ⅰ」は、毎回の実験を大学院生のTAが担当されるので、週に二度大学院生からも研究のお話が聞ける貴重な場になっています。こうした授業を通して広範囲の学問や研究に触れられるおかげで、最終的に納得して研究室を決められると思うので、本当に本学を選択して良かったと感じています。

青山スタンダードやサークル活動、成長のきっかけはたくさんある

勉学以外の面で、自分が1番変わったと思うのは、ニュースを見るのが面白くなったことかもしれません。きっかけは「青山スタンダード」科目の「経済学B」でした。この授業で基本的な経済学の考え方を政治など社会の動きと関連づけて学んだことで、ニュースを見る時に、「なぜこのようなことが起きたのか」と背景を深堀りして考えてみるようになりました。これは、学科の実験や課題を通して、根拠や原理を踏まえ、論理的に考える力が養われたことによるところも大きいと思います。今自分が生きている社会のことを理解したいという意識を持てるようになったのも、青学で学んでいるからこその成長だと思っています。

授業以外にもたくさんの学びがあり、所属しているソフトボールサークルでは1年間幹部を務め、周囲の意見を取り入れ人をまとめることの難しさ、予算や時間など多くの要素を考慮しながら企画を遂行することの大変さを味わうことができました。青山キャンパスで活動しているため、普段会うことがない学部や学科の学生と交流し、話を聞くことができるのも新鮮で、課題や実験に追われがちな日々のリフレッシュにもなっています。

ソフトボールサークルでは幹部も務めた

3年次からは「IT講習会」のIT-A(ITアシスタント)の活動も行っています。青山スタンダード科目の「情報の技能」として「情報スキルⅠ」が開講されています。「情報スキルⅠ」は全学必修であり、単位修得には情報メディアセンターが開講する「IT講習会」を修了することが条件となっていて、そこでIT-Aを務めています。これまで人に教える経験がなかったのですが、相手にわかりやすく伝えるためには、どのように話せば良いのかを第一に考えるようになりました。教えることによって自分の知識も定着しますし、授業の空き時間を活用できるので、興味があれば挑戦してみることを青学生にお勧めします。

本学科で得た知識や経験を生かして、将来は企業で実用的な製品の開発に携わり、社会に貢献したいと思っています。設計から製品の実用化までトータルに手掛けてみたいと考えているので、そこを目指してまずは豊富な専門科目から興味のある分野をさらに絞り、大学院に進んで研究を重ね、自己研鑽していきたいと思います。

※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2023年度)のものです。

理工学部 電気電子工学科

青山学院大学の理工学部は数学、物理、化学といったサイエンスと、テクノロジーの基礎から最先端を学ぶ環境を整備しています。国際レベルの研究に取り組む教員のもと、最新設備を駆使した実験、演習、研究活動の場を提供するとともに、独自の英語教育を全7学科統一で実施。未来志向のカリキュラムにより、一人一人の夢と可能性を大きく広げます。
私たちの暮らしを支えている電気や電子、磁気。これらを制御し、応用することで社会に役立てるのが「電気工学」「電子工学」です。あらゆる産業に活用されており、さまざまなフィールドで日々技術革新が進んでいます。電気電子工学科では進展するテクノロジーに対応していくための応用力と、新技術創出の源泉となる基礎力をバランスよく身に付けられるよう、多面的な学びに注力しています。

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