中国語と英語を両輪に
青学の多様な学びで
叶えた課外活動

掲載日 2022/1/7
No.126
文学部
英米文学科 4年
南 愛莉

OVERTURE

学内での学びを生かして課外活動に励み、大きな成果を挙げている学生を紹介します。文学部英米文学科に在籍する南さんは第二外国語として学んできた中国語の実力を発揮し、2021年、第18回日台文化交流青年スカラシップ(中国語弁論コンクール)の全国大会で見事に優秀賞を受賞しました。他にも内閣府青年国際交流事業への参加や、日中友好協会の学生記者を務めるなど活躍の場を大きく広げています。

英米文学科で徹底的に鍛えられた英語力

小さい頃から英語が好きで英語コースのある高校に進み、大学では学びをさらに深めたいと考えていた中で訪れた青山祭で、本学の魅力を知り英米文学科への進学を決意しました。英米文学科では実践的な英語の講義が豊富に開設されており、中でも「スピーチコミュニケーションⅡ」と「Integrated EnglishⅡ、Ⅲ」が強く印象に残っています。ハイレベルな課題を数多くこなしたおかげで英語力が全般的に鍛えられ、高校時代には解読できなかったような本も今ではすんなり読めるようになり、また青山学院大学英文学会の英語エッセイコンテストで入賞を果たすなど語学力の向上を実感しています。

ゼミナールは大川道代先生のもと、同学年は私以外全員が帰国子女という環境で大きな刺激を受けながら学びました。卒業論文ではジョー・バイデン米国大統領の就任演説と習近平国家主席の中国共産党100周年記念演説を政治的レトリックの観点から比較し、引用した中国語の原文に併せて英訳も添えました。着眼点がユニークだと言ってくださる方もいますが、内容をより充実させるため、先生に添削していただきながら時間の許す限りブラッシュアップを図りたいと考えています。

第二外国語の中国語がもたらした大きな成果

第二外国語として履修してきた中国語は、最上級者向けの「中国語Ⅲ」と「インテンシブ・中国語」で実力をいっそう向上させられました。授業は「中国語Ⅲ」から驚くほど難易度が上がるので大変ですが、日常会話よりもレベルの高いディスカッションの訓練もでき、有意義な学びを提供してくれました。他大学の友人などにも聞いてみましたが、第二外国語がこんなに充実した大学は他にあまり例がないのではないでしょうか。
授業のおかげもあり、今年に入ってHSKという中国政府公認の中国語能力試験で最上級に合格し、第18回日台文化交流青少年スカラシップの中国語スピーチ部門で優秀賞という2番目の賞をいただきました。せっかくなら優勝したいと応募した別の公益社団法人日本中国友好協会の中国語弁論コンクールでは、東京都大会を1位で通過し、全国大会を控えているところです。
中国語に触れてきたので中国の社会や政治などにも興味はあったのですが、2019年度に履修した陳継東先生の「中国文化論」で一気に関心が深まりました。お話を聞けば聞くほど日本とは異なる中国社会の実像が浮き彫りになって「違うからこそ余計に知りたい」との思いが強まり、その後さまざまな課外活動に参加する原動力にもなりました。

充実の課外活動で役立つ青学での学び

現在は公益社団法人日本中国友好協会の学生記者として毎月発行される協会紙に記事を投稿し、その下部組織である認定NPO法人東京都日中友好協会にもインターンシップで参加してイベントの企画や進行に携わっています。
2020年は内閣府の「日本・中国青年親善交流事業」という日中政府間プログラムに参加しました。これは両国政府に選出された代表青年が教育、働き方、日中交流などテーマ別のグループに分かれ意見交換を行うもので、私は科学技術班の日本側リーダーを務めました。印象的だったのはIT化、デジタル化に対する価値観の差です。

中国側のプレゼンテーションで無人ロボットの導入にとても前向きな意見があがり、日本では意図せず見られている感覚から賛否両論が巻き起こる可能性があることについて中国青年側に伝え意見を求めたところ、「私たちは、人間とテクノロジーが協力してより暮らしやすい社会を作ることが大切だと考えている」という意見が出ました。中国人の方々が共有しているデジタル化に対するこの考え方は、デジタル化で遅れをとっている日本が学ぶべき価値観であると実感し、とても勉強になりました。
2021年は「第40回日中学生会議」に参加しました。日中学生会議は、外務省・(社)日本外交協会共催の全国学生国際問題討論会「ザ・フォーラム」の入選者により発案され1986年から始まったプログラムで、今年は 2週間にわたって中国側の学生たちとオンラインで議論を交わしました。私は国民認識ギャップ分科会に所属し、日本と中国の人々が持つ認識の差をどうすれば縮められるか話しあう中で、SNSも溝を生む原因のひとつだと気づきました。中国では微博(weibo)や小紅書(RED)など日本とは異なるSNSが使われ、両国共通のプラットフォームがないため互いに情報を得づらい状況にあるので、双方をつなぐ役割が大切だと痛感しています。「日本・中国青年親善交流事業」で気づいた認識の差や、中国のSNSで発信される生の声を日本国内に向け積極的に発信し、相互理解の一助として貢献できればと考えています。
どちらの討議も英語と中国語を使用したので大学での学びが大いに生かせましたし、人前で外国語で話せるようになったことは大きな収穫となりました。

多くの人に支えられ導かれた目標は中国語圏の大学院進学

現在の一番の目標は進学で、中国もしくは台湾の大学院を目指しています。ただ英米文学科から中国語圏への進学は前例がないので、「中国語文献精読」でお世話になっている国際政治経済学部の橋本秀美先生に相談したところ、手厚くサポートしてくださり本当にありがたく感じています。他にも「日本学入門」でお世話になった文学部の孫世偉先生はオフィスアワーで訪れた際、用意していた質問に答えてくださった後も1時間にわたり卒論についてお話を聞いてくださり、1年次に履修した「中国語」を担当されていた伊藤英人先生にはたびたび学習の相談に乗っていただくなど学部・学科の垣根を越えて多くの先生方に支えられてきました

学部の枠にとらわれず多様な学びの機会がある青学だからこそ他学部の親切な先生方とも出会え、さらに内閣府の事業をはじめとするいくつもの課外活動につながり、大学院受験という新たな夢にも導かれたのだと思います。残された在学期間はお世話になった先生方に恩返しできるよう大学院進学に全力を注いで臨みます。

※登場する人物の在籍年次や役職、活動内容等は取材時(2021年11月)のものです。

文学部 英米文学科

青山学院大学の文学部は、歴史・思想・言葉を基盤として、国際性豊かな5学科の専門性に立脚した学びを追究します。人間が生み出してきた多種多様な知の営みにふれ、理解を深めることで、幅広い見識と知恵を育みます。「人文知」体験によって教養、知性、感受性、表現力を磨き、自らの未来を拓く「軸」を形成します。 「英語の青山」を体現する伝統ある英米文学科では、能力別、少人数制の授業で、1・2年次より英語の4技能を徹底的に磨き上げます。同時に、英語圏の文学、歴史、思想、言語の成り立ちを学び、語学のみならず幅広い知識を身に付け、人間や文化の本質を理解します。多くの教員免許状取得者を輩出しています。

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*掲載されている人物の在籍年次や役職、活動内容等は、特記事項があるものを除き、原則取材時のものです。

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