グローバルな課題に対し
国際経済の視点から理解を深める

掲載日 2021/12/17
No.123
国際政治経済学部
国際経済学科
小石 拓弥/本島 志泰
  • 世界の発展に欠かせない
    多角的な思考力を養い、
    持続可能社会の実現へ

    国際政治経済学部
    国際経済学科 4年(2020年度取材当時)
    小石 拓弥
    埼玉・さいたま市立浦和高等学校出身

OVERTURE

貧困や紛争、環境破壊、食糧不足、パンデミックなど、世界には解決しなければならない問題が山積しています。国際政治経済学部では、政治・経済・コミュニケーションの観点からこれらの課題を考察。より良い未来社会の実現へ向けて、グローバルに活躍できる人材を育みます。国際経済学科で学んだ小石拓弥さんから、その学びの魅力を伺いました。

青学独自の学びから将来の夢を発見

将来はグローバルに働きたいという思いがあり、国際色豊かで英語教育が充実している本学部へ進みました。なかでも国際経済学科を選んだのは、海外派遣でマレーシアを訪れて以来、アジア諸国の経済に関心をもっていたためです。
入学してからは国際社会についての幅広い知識に加えて、世界に通じる実践的なスキルの習得に力を注いでいます。特に成長を感じるのが語学力。本学部では政治・経済・コミュニケーションを英語で学ぶことができ、学生も積極的に発言するなど、ハイレベルな学習環境が整っています。また、授業には留学生が多く参加しており、彼らとの議論やプレゼンテーションを通じて、異なるバックグラウンドをもつ人々と意思疎通を図る力が身に付きます。海外に留学した際には、この経験が非常に役立ちました。

全学共通教育システム青山スタンダードの科目の中で、「科学・技術の視点」を履修しました。石油や石炭、天然ガスといった枯渇性資源に依存した政策や、その大量消費がもたらす地球温暖化、環境にやさしい再生可能エネルギーの普及など、エネルギー分野の課題と展望を科学的な視点から学びます。私は授業を経てさまざまな資源の特徴を知り、現状に対して新たな解釈や自分なりの考えを導けるようになりました。授業を受ける中で驚いたのが、コストや変換効率といった運用者側の都合がエネルギー選択に大きく関わっているということです。化石燃料が多く利用される状況の裏にはそうした経済上の理由があると知り、問題の本質にふれる喜びを実感しました。
私はこの授業をきっかけに再生可能エネルギーの発展に興味をもち、水素エネルギーに着目して自主的な学習に励むようになりました。さらに、新エネルギーの普及に携わりたいという思いが芽生え、就職活動にも大きな影響を受けました。新たな目標を見出せたのは、多彩な学びに出会える青学の環境があったからこそだと思います。

途上国の現状を深く学ぶ

専門科目の中では、アジア途上国における経済の実態を学ぶ「開発経済学入門Ⅰ」が印象に残っています。経済が未成熟である背景には、その国の文化や地形、産業形態など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。そのため、先進国目線の安易な支援はかえって状況を悪化させてしまいかねません。授業を通じて、一般的な解決策ではなく、個々の事例とその対応を詳しく知り、より深い知見を得ることができました。
また、メディアや教科書などで伝えられる途上国のイメージと実際の姿に多くの違いがあると知れたことも新鮮でした。ある国の市場ではQR決済が普及しており、新技術の導入に対する障壁が多い日本に比べて、柔軟に変化を遂げている様子が伺えます。

こうしたリアルな情報から具体的な方策を考えられる点は、この授業ならではの特徴です。
所属している大野昭彦先生のゼミナール(ゼミ)では、アジア途上国と日本の違いについて研究を行っています。私のグループのテーマは、「ネパールと日本における若者の向上心の違い」。ここでいう向上心とは、昇進や収入増加に対する意欲を指します。現代の日本の若者は向上心が低いと言われますが、ネパールのように経済が未発達だった頃、つまり明治初期以前まではそうではありませんでした。経済の発達と向上心との関連について調査し、その謎を解き明かすことがこの研究の狙いです。
専門的に学びを深めるにつれて実感しているのが、「先進国が優れていて、途上国が遅れている」と単純に割り切れないということ。その判断は、自分自身の立場や見ている側面によって全く違ったものになります。だからこそ、問題を取り扱う際には多角的に検討したうえで、自分なりの意見をもつことが重要です。正解のない問いに向き合う難しさはありますが、一方でそれが学ぶ醍醐味であり、楽しさだと感じています。

※ゼミナール紹介(国際経済学科)はこちら

批判的思考力を生かしエネルギー開発に挑戦

4年間の学びを経て、情報をそのまま受け止めるのではなく、批判的に検討し、意見を確立しようという意識が生まれました。その結果、年次が上がるにつれて一見正しそうな論理や統計の間違いを発見できるようになり、自分の成長を実感しています。
今後は、新エネルギー技術の開発に関わる企業に就職する予定です。大学で培った多彩な知見や分析力を生かし、ゆくゆくは発展が期待される水素エネルギーの普及にも貢献したいと、期待に胸を膨らませています。

  • 大学での学びや留学で身に
    付けた力を生かして、グローバルに働きたい

    国際政治経済学部
    国際経済学科 4年
    本島 志泰

OVERVIEW

大学では国際的な視点をもって学びたいと思っていた本島さん。ビジネスや経済にも興味があったため、どちらの希望も叶う本学科を選んだといいます。留学生が多く、日本にいながらヨーロッパやアジアなどさまざまな国の学生と交流できたことは、貴重な経験だと話してくれました。また日本人学生もグローバル志向の強い学生が多いため、留学という目標に向けて切磋琢磨できる点も、本学科で学ぶ魅力だということです。

インタビュー動画

※登場する人物の在籍年次や役職、活動内容等は取材時のものです。
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2021年度)のものです。

国際政治経済学部

青山学院大学の国際政治経済学部は国際社会への貢献を掲げ、国際系学部の草分けとして創設されました。3学科×5コース体制のもと、専門性と国際性、現場感覚を重視した学びを実践しています。グローバルレベルの課題への理解を深め、エビデンスにもとづいて議論・討論するスキルを養成します。領域を超えて学べる独自の学際教育、所属学科を超えて選べるゼミナールブリッジや英語で専門科目を学べるグローバル・スタディーズ・プログラム(GSP)等によって、世界の多様な人々と協働し、新たな価値を創造する実践力を育みます。

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*掲載されている人物の在籍年次や役職、活動内容等は、特記事項があるものを除き、原則取材時のものです。

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