コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科
地域の実情を知り、
課題解決の力を育む地域実習

安井教授からの
Message

コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科 教授
安井 年文

コミュニティ人間科学部は、新しい時代の要請に応える「地域に向き合える人材」の育成を目的として、2019年に設立された新しい学部です。地域の社会と人々に関わる諸課題の理解を深め、かつ、それらに対して実践的な対応を図る能力を育むために「地域実習科目」が設けられており、学生たちが全国約30か所から選んだ実習先で約30時間の地域活動を体験します。

Q. 地域実習科目の特徴や、具体的な実習先について教えてください。

 学部の中に地域実習検討委員会があり、そこで選定された日本全国約30か所の中から学生が実習先を選びます。2年次にまず、地域実習の基本的な理解を深めながら事前学習を行い、3年次に実習先で地域活動を行います。コミュニティ人間科学部は2019年に開設されたばかりなので、その1期生が今年3年生になり、学部としても現地での地域実習がやっと始動したところです。
実習先は、たとえば国立青少年の家などの公共の施設が多いですが、他にも愛媛県宇和島市の御五神島(おいつかみじま)で実施する青少年向けの無人島体験事業や、地域と密接な関係を持ちながら発展してきた宮崎県の「青島太平洋マラソン」の運営など、多岐にわたります。8名程度の少人数の学生を丁寧に指導するという学部の趣旨を汲んでいただける実習先を探し、それぞれの活動内容に合わせた実習プログラムをつくっています。学生たちが、活動をただ見るだけの観客にならないよう、実際に活動に参加して体験できる方向で受け入れていただくことが大切だと思っています。
ただ残念なことに、実施初年度の今年は新型コロナウイルス感染症拡大影響を受け、受け入れが白紙になったケースや、オンラインでの関係者のインタビューを実習の代替にするとか、時期をずらしてなんとか実施できるように検討する等、対応を迫られています。私が担当している神奈川県綾瀬市の冒険遊び場「ドリームプレイウッズ」では、幸いなことに予定通り実習が行われているのでありがたいです。

Q. ドリームプレイウッズでは、どのような実習が行われていますか?

 ドリームプレイウッズは、自然にあふれた個人の旧宅地を有効利用して、現在は子どもたちの冒険遊び場になっている場所です。NPO法人が運営しているので、学生たちはNPO法人のみなさんと一緒にボランティア活動をします。
まずは昨年、事前学習として「しおり作り」を行いました。綾瀬市の人口や産業といった基本情報を押さえたうえでドリームプレイウッズの活動に触れていくもので、その内容は学生一人一人異なります。いわば、しおりという体裁のレポートのようなものです。学習の成果が着実に感じられるしおりができたので、NPO法人にもお送りして活用していただきました。
今年度はいよいよ、現地での実習を行っています。7月末から来年1月までの期間のうち、7日間のボランティア活動を実施しています。活動内容は、日によってさまざまです。たとえば草取りをして環境整備をすることもあれば、やって来た子どもたちと一緒に遊ぶこともあります。今日はイベントで使う予定の、竹をボーリングに見立てた手作りの遊具を実際に使ってみて、遊びとして成り立つのか、また安全性はどうなのかを確認。里芋掘りもやり、初めて体験した学生たちは喜んでいました。
7日間の実習授業をこなせばそれで終わりではなく、自分の将来への展望まで見据えたレポートなどのまとめはもちろん、何かしら実習先にもフィードバックをしたいと考えています。実習先によってその内容や方法もバラバラだとは思いますが、ドリームプレイウッズの場合はNPO法人の年度末の総会に参加させていただくことを検討中です。

Q. 実習を通じて、学生たちに期待したいことはどんなことでしょうか

 地域にはそれぞれ、伝統のお祭りのような地域特性を生かせる何かがあるはずです。今、地域の活性化がとても大切だということは、社会の共通認識になっています。だから、地域のために何かしたいと考えている人も、そのためにどうすれば良いかを学んでいる人も多くいると思います。ただ、いざ発起人となって地域活動をまとめ、盛り上げていく人材がいなくては何も実現しないわけです。私はコミュニティ人間科学部の学生たちに、地域活性化の音頭を取る人材になってほしいと思っています。
 地域実習で学生が普段身を置いている環境とは違うところへ行き、その土地の匂いをかぎ、さまざまな年代の人と触れ合って距離感を知る、そういう体験を通して、行動できる力を身に付けてもらえればうれしいです。
 青山学院大学の学生たちは、人当たりがよくフレンドシップを築くのが得意で、コミュニケーション力が高いのが特長だとよく言われます。加えて、本学のスクール・モットーの「地の塩、世の光」を体現し、自分の使命を見出して進んで人と社会とに仕え、その生き方が導きとなる人である「サーバント・リーダー」を育成する本学の教育理念の影響も受けているはずです。地域活性化の旗振り役として、ぴったりなのではないでしょうか。青学生らしさを発揮し、卒業後も全国各地で活躍してくれることを願っています。

学生の
Message

コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科3年
兵庫県 私立須磨学園高等学校出身
目片 将大

 コミュニティ人間科学部に入学する前から、実習授業を通じて地域活動を学ぶことを楽しみにしていました。たくさんある実習先の中からドリームプレイウッズを選んだのは、自分が子どものころには自由に遊べる場所がなかったので、子どもたち主体の冒険遊び場とはどのようなところなのか興味があったからです。事前学習では他の地域にある同様の遊び場について調べ、制作した「しおり」に各地の冒険遊び場事情を盛り込みました。
これまで草むしりや収穫後のゴーヤのツタの刈り取りなどをやってきて、今日は実習3日目。あと4回の実習が残っているので、できれば遊びに来た子どもたちの声を聞いて、この遊び場をどんなふうに感じているのか知りたいです。
私は陸上競技部(長距離ブロック)の選手として駅伝を中心にレースに出場しています。、将来もスポーツに関わりながら地域の活性化に貢献したいと考えています。たとえばマラソン大会などは、地域密着で盛り上げていくのに適したイベントです。また、ドリームプレイウッズの「あまり干渉せずに自主性に任せる」という方針は、陸上競技部(長距離ブロック)のチーム運営にも相通じる点があり、もしいつかスポーツを指導する立場になった時にも、とても参考になる考え方で、大切にしていきたいと思いました。
このように、地域実習には自分の将来に生かせる学びがあります。あと4回の実習も主体的に活動し、実習修了後に振り返りを行い、成果をレポート等にまとめたいと思います。

受け入れ側の
コメント

NPO法人 ドリームプレイウッズ 広報
橘川 枝美子

 「冒険遊び場ドリームプレイウッズ」は、2002年7月に管理運営委員会のボランティアたちの手によってスタートしました。はじめは遊び場にロープ1本吊り下げてある程度だったのですが、そこから子どもたちの自主性と発想をもとにした、ボランティア会員手作りの遊具がどんどん増えていきました。
私たちの方針は、子どもたちの自主性を尊重し、過度の干渉はせずに温かく見守ること。自然の中での自由で豊かな体験が、生きるために必要な主体性や自己防衛本能、身体能力、感受性、道徳観、 社会性を育てます。危険に対しては最大限の注意を払いながらも、子どもたちには自由に遊びの森を創造してほしいです。
実習に来ている青山学院大学の学生さんたちは、みなさん素直で誠実な人ばかりです。ゴミの片づけや畑仕事のような地味な活動にも、熱心に取り組んでくれます。遊びに来た子どもたちも、大学生のお兄さんやお姉さんがいると楽しいようで、喜んでくれています。目的意識を持って実習しているみなさんに、将来的にこの経験を役立ててもらえると嬉しいです。

コミュニティ人間科学部

コミュニティ人間科学部では、日本国内の地域に着目した社会貢献を追求します。地域文化とそこに暮らす人々の理解を深め、より良いコミュニティ創造に寄与する力を培います。幅広い知識の学び、体験し行動するプログラムを通じて、自ら課題を発見・解決し、地域の人々との互助・共助のもとにコミュニティの未来を拓く力を育成します。 日本の地域社会は高齢化や過疎化などさまざまな課題に直面しています。地域を活性化し、その地の持続的な活動が行われるよう、地域社会の人々や行政について理解を深め、市町村やNPOと連携して体験的実習に取り組みます。専門家として、住民として、現場で活躍し続けられる人材を育成します。

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