専攻テーマと
向き合いながら
将来への道を切り拓く
刺激的な日々

掲載日 2023/1/10
No.205
国際政治経済学部
国際経済学科 4年
大滝 哲志
新潟県立長岡高等学校出身

OVERTURE

「グローバル人材育成に向けた外国語教育に力を入れている青山学院大学国際政治経済学部に注目していました」と話す大滝哲志さん。高校卒業時はまだ将来やりたいことが定まっていなかったものの、経済や社会のことを広く学ぶことで夢を見つけられるのではないかと進学を決めたそうです。現在は専攻テーマと夢中になって向き合う刺激的な日々を送り、理想の社会人になるべく奮闘している大滝さんにお話を伺いました。

経済の枠を超えた多彩な学び

4年間のカリキュラムの中で自分の興味が湧く分野を必ず見つけることができる、それが本学科の魅力です。私は1・2年次で経済学の基礎を固めながら法律や哲学にもふれ、選択科目でファイナンスや経営などの専門知識を学び、興味のあるテーマを徹底的に討論したことで、現在の研究分野にたどり着きました。政治や国際コミュニケーションなど、枠にとらわれず多彩な分野を勉強できるのも特徴です。また必修科目である「キリスト教概論Ⅰ」は国際政治経済学部では英語講義を選択することが可能です。私はネイティブ・スピーカーの教員によるオールイングリッシュの授業を履修することで、キリスト教を学ぶ機会に加え、英語力を伸ばすこともできました。音楽やアニメーションを多用し、楽しみながら聖書の主要なテーマや、キリスト教と社会との関係などについて学びました。「自分がされてうれしいことを他人にも行う」というキリスト教の考え方は、今では私の大切な価値観のひとつになっています。

英語力という面では、3年間で話す能力が確実に向上しました。講義はもちろんのこと、先生に質問する時や学生同士のグループワークでも英語を多用する環境なので、自然と話す力が身に付くのです。会話の機会が増えてリスニング力も高まり、社会に出てからも自信をもって英語を使っていけると確信しています。

学科で培った知識をSDGsの啓発活動に活かす

大学の学問は机上で行う抽象的なもの、というイメージを持っていた私にとって、本学科の授業は非常に実用的で驚きの連続でした。中里宗敬先生の「コーポレートファイナンスⅠ・Ⅱ」は、企業の資金調達や投資活動、収益の分配といった企業内外のお金の流れ、資本市場、証券投資などについての基本的な理論を学びます。例えば株や証券がテーマの講義では、その日の日経平均株価が国内外のどのような事象によって変動しているのかを、実際のデータを用いて検証しました。私は授業で得た知識を生かして実際に株式を購入し、利益を得る楽しさを体感しました。ただ知識をインプットするだけでなく、主体的に行動に移したことで一歩成長したと思います。社会人になれば、いかに価値のあるものを自分から提供できるかが重要だと考えているので、社会でそのまま使える知識を数多く得られたこの授業はとても有意義なものでした。

学部公認学生団体「SANDS」

本学部公認学生団体「SANDS」に所属し、学内や小・中学校、地域企業に対してSDGsの啓発と実践に取り組んでいます。この活動には、小谷恵子先生の「ビジネス・マネジメントⅠ」で学んだことが役に立ちました。経営戦略論の基礎を学ぶのですが、とてもユニークな授業内容でした。例えば「~万円の予算で儲かるおにぎり屋を経営する計画を立てる」という課題が出され、自由にビジネスをデザインするというものです。ただ儲けるだけではなく、環境負荷や他社の状況を考えながらアイデアを出すプロセスがSANDSでの活動にも生きました。3年次には役員として団体を動かす立場にありましたが、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を推し進める企画を考える際に、この授業で培ったすべてのステークホルダーを考慮する力と、自由な発想力が役に立ちました。

世界で生じる対立構造と、その解決策に迫る

押村高先生のゼミナール(ゼミ)で「国際関係論と人間のアイデンティティー」について研究しています。人間は誰もが“失ったらその人でなくなるもの”すなわちアイデンティティーを有していますが、個人と組織単位とではその在り方が大きく異なります。この差異を分析し、世界で生じている対立構造とその理由、解決策に迫ることが目標です。自分が個人としてやりたいこと・譲れないものと、組織に所属している以上強制されるもの・譲れないものは必ずしもイコールではないため、そこでアイデンティティーの衝突が起こります。国と国の対立もまた、同じことが言えるのではないでしょうか。私は課題の本質を見抜き、的確に対処することができれば対立は対立でなくなると考えています。言語・宗教・文化・伝統の観点から国際関係論に切り込み、ディスカッションを重ねながら考察を進めています。

押村ゼミ

この研究は、国際関係だけでなく社会に出てビジネスを行う際にも役立つと考えています。要求の異なる者同士がビジネスを行えば対立は必然。そこで対立の本質を見抜いて適切な解決方法を模索することにより、関係者すべてに利益をもたらすビジネスが可能となるからです。 ゼミでは前期と後期に1回ずつ約30分のプレゼンテーションを担当します。私は「ジェンダーとアイデンティティー」について、男女差別やLGBTQに関する多くの本を読み、議論を行いました。自分が関心のあることをじっくり調べ上げてまとめることに楽しさとやりがいを感じ、人前で30分間話すという貴重な経験を積むこともできました。先生が在外研究でフランスにいらしたため、その間の先輩がおらず、自分たちで主体的に行動する習慣が身に付いたと思います。活発な議論を展開し学びを深め合った仲間たちとは、ゼミを離れても良い友人関係を築けています。

世界有数の総合電機メーカーで人事領域を担いたい

卒業後は、株式会社日立製作所の人事総務部門に内定をいただいています。SANDSで組織運営に携わったことと、ゼミでアイデンティティーについて研究した経験から、就職したら人事領域の業務を担い、人事マネジメントや組織改革を主導したいと考えていました。日立製作所はジョブ型雇用という採用方式を取っており、1年目から人事配属が確約されることが決め手でした。同社はこの10年間で総合電機メーカーからIT技術を駆使して世界をイノベーションする企業へと進化を遂げました。時代に求められる事業・技術に投資を行い、海外収益率が5割を超えていて海外勤務のチャンスがあり、世界を舞台に仕事ができることなどにも大きな魅力を感じています。
就職活動の際には、押村ゼミの卒業生の皆さんとのオンライン座談会を先生が企画してくださいました。名だたる企業や機関で働く先輩方に就職活動の悩みや将来の夢をぶつける機会をいただけたのは、とても心強い経験となりました。また、春休み期間中は就活と並行して、友人とお互いに毎日行き来して面接の練習と企業研究を繰り返しました。約2ヶ月間にわたる猛練習で面接に対する苦手意識は一切なくなり、自信をもって臨めるようになりました。その甲斐あってふたりとも第一志望の企業に合格することができました。私が将来の道を定めることができたのは、本学科での外国語教育や専門教育、世界に目を向けるきっかけとなった押村ゼミでの学び、そしてかけがえのない仲間との出会いがあったからだと感謝しています。

インタビュー動画

※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2022年度)のものです。

国際政治経済学部 国際経済学科

青山学院大学の国際政治経済学部は国際社会への貢献をそのミッションとし、国際系学部の草分けとして創設されました。3学科×5コース体制のもと、専門性と国際性、現場感覚を重視した学びを実践しています。グローバルレベルの課題への理解を深め、エビデンスにもとづいて議論・討論するスキルを養成します。世界の多様な人々と協働し、新たな価値を創造する実践力を育みます。
国際経済学科では、国際経済や開発経済に特化したカリキュラムのもと、地球規模の諸問題、特に国際的な経済相互依存関係などを経済やビジネスの観点から歴史的・理論的かつ数量的に学びます。一人一人の興味や進路をふまえて、「国際経済政策コース」と「国際ビジネスコース」を設置。異なる文化や価値を理解し尊重する姿勢を身に付け、問題解決のため積極的に考え行動できる人材を育成します。

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