文学・語学・日本語教育と
いう多彩な研究対象を
通して

掲載日 2021/10/19
No.107
文学部
日本文学科
松嶋 玲衣/小舟 萩
  • 現代社会に通じる日本の
    古典文学・文化の学びの
    豊かさを実感

    文学部
    日本文学科 4年(2020年度取材当時)
    松嶋 玲衣
    岐阜県立岐阜高等学校出身

OVERTURE

文学、語学、日本語教育の3つの領域で教育・研究活動を行う日本文学科では、幅広い分野を扱うため、多彩な専門分野をもつ教員が揃い、斬新な切り口で授業を展開しています。本学科で『源氏物語』を研究し、古典にふれる醍醐味を知ったという松嶋玲衣さん。松嶋さんの言葉から、本学ならではの学びの特徴に迫ります。

異分野の知見や国際的視野を育む学びが充実

幼少期に『源氏物語』を漫画化した作品『あさきゆめみし』を読んだことがきっかけで、古典文学に心を惹かれました。大学ではより専門的な学びに打ち込みたい、同志とともに学び合いたいと思い、日本文学科へ進学しました。入学してからは各分野に精通する先生方の指導に感銘を受けながら、日々学習に励んでいます。この学科で出会った友人は、勉学はもちろん、サークルやアルバイトといった授業外の活動にも全力で取り組む人が多い印象です。試験前に集まって勉強会を開いたり、お互いの発表についてアドバイスをしたりと、切磋琢磨できる環境で充実した毎日を送っています。
また、専門分野以外の多様な科目を学べることは青山学院大学ならではの特長です。

全学共通教育システムの 青山スタンダード科目で履修した「法学(日本国憲法を含む)」の授業では、昨今話題になっている問題を法学の観点から検討。馴染みのない学問で初めは不安でしたが、先生が学生と一緒になってディスカッションをされるなど、さまざまな工夫のおかげでアクティブな姿勢で臨めました。他にも、「英語講読Ⅱ」の授業では『源氏物語』の英訳本『The Tale of Genji』の和訳に挑戦しました。英文を読むことで新しい感覚にふれ、言語としてだけでなく、文学としての英語への理解が深まりました。国際性という点でいえば、他の授業や課外活動では留学生と知り合う機会も多く、彼らとの交流によって海外への興味が高まるとともに、日本に対する正しい知識をもつことの重要性を実感しています。ひとつの分野にとらわれない多彩な知見やグローバルな視野は、青学で学んだからこそ身に付いたものだと思います。

現代の人々と重なる古典文学のおもしろさ

3年次に履修した「日本文学特講」では、江戸時代の文学を中心に多くの作品を講読しました。江戸時代の人々は古典文学への関心が非常に高く、作品内で取り上げられる古典の内容を知らないと読み解けない場合も多々あります。他の古典や時代背景など、幅広い知識が求められる難しさはありましたが、同時に江戸文化の魅力にも気づくことができました。この授業を受けて以来、初めて歌舞伎を観たり、美術館で江戸の芸術を鑑賞したりと、日本文化に対する興味が広がっています。さらに、研究を通じて、パロディや見立てといった当時の表現技法が現代の小説や映像作品にも受け継がれていることを発見し、新たな視点で文学やエンタメを楽しめるようになりました。

所属している高田祐彦先生のゼミナール(ゼミ)では、『源氏物語』の考察に取り組んでいます。発表者は担当範囲の内容について問いを立て、図書館や研究室に通って資料を参照し、解釈を深めます。その後、発表を受けてゼミ生がお互いの知見を持ち寄り、問題を討議。すべてにおいて学生の主体的な姿勢が求められるため、疑問に向き合い理解を深めていく行動力や、自分の意見を明確にし、相手に伝える力が身に付いたと感じます。さまざまな授業やゼミでの研究を経て、卒業論文では、源氏の求愛を拒み続けた女性・朝顔の姫君に注目し、「『源氏物語』の結婚拒否」をテーマに執筆しました。コロナ禍での研究でしたが、先生方の手厚いサポートもあり、無事論文を完成させることができました。
古典文学研究の一番のおもしろさは、千年前の人物と現代人に共通点が見つかること。例えば、最愛の藤壺中宮に拒絶され、家に引きこもってしまう源氏の心理は、現在を生きる私たちにも共感できます。古典文学というと昔と今の言葉や文化の違いに目がいきがちですが、深く読み込めば今日の人々に通じる部分が多く見えてくるのです。また、文学という正解のない学びに向き合う難しさは、専門的に研究を深めるほどに強く感じています。ひとつの問題にひとつの正解を見つけるのではなく、明確な根拠や説得力のある自分の答えを導き出すことが文学の学びであり、そのためには論理的な思考力や多角的な視点が欠かせません。まだまだ成長の余地はありますが、4年間の学びを通じて、そうした資質を養うことができたと実感しています。

※ゼミナール紹介(日本文学科)はこちら

企業活動を通じて日本文化の発展に貢献

入学当初は、日本文学に対して社会で生かせるイメージが湧かず、大学生の間だけの学びだと考えていました。しかし、多くの授業や、先生、友人らとの出会いを経て、古典文学や文化が現在の生活に根づくものだと実感しました。就職活動では、ゼミでの活動や日本文化への傾倒も含め、自分を評価してくれる企業に勤めたいという軸をもって取り組むことができました。
卒業後は、凸版印刷株式会社への就職が決まっています。これからのキャリアの中で、大学時代の知見を生かして、日本文化の魅力を世界に届けたいと思います。

  • 自分自身の視点を大切にして
    近代文学の研究を深める

    文学部
    日本文学科 4年
    小舟 萩

OVERVIEW

近代小説を読むのが好きだったという小舟さん。大学では好きな分野をより深く勉強したいと思い、本学科を選んだとのこと。日本文学に関する幅広い内容を学べ、自身の興味に合わせて追究できる点が学科の魅力だといいます。現在は近代文学を研究。自身がどう読むかという視点を大事にし、研究に打ち込んでいます。4年間の学びの集大成となる卒業論文を書き上げることが今の目標だと語ってくれました。

インタビュー動画

一人一人の生徒に寄り添い、人生の支えとなる教員に。

坂上 実優
文学部 日本文学科4年(2020年度取材当時)
愛知県立一宮高等学校出身

愛知県公立学校教員採用選考試験

教員を目指したのは、高校生の頃、担任の先生に進路について親身に相談に乗っていただき、教員は一人一人の人生に寄り添う重要な仕事だと感じたからです。本学の模擬授業では授業の事前準備の重要性、教育実習では同僚などと課題を共有し協働することの大切さを学びました。また、教員採用試験サポートでの自己分析や面接練習は、自らを見つめ直し、視野を広げるきっかけにもなりました。将来は本学での学びを糧に、国語のおもしろさや豊かさを伝え、授業を通じて社会で生きていく力を育むことが目標です。そして、いつか恩師のように生徒の未来をも支える存在になりたいと思っています。 

※登場する人物の在籍年次や役職、活動内容等は取材時のものです。
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2021年度)のものです。

文学部 日本文学科

青山学院大学の文学部は、歴史・思想・言葉を基盤として、国際性豊かな5学科の専門性に立脚した学びを追究します。人間が生み出してきた多種多様な知の営みにふれ、理解を深めることで、幅広い見識と知恵を育みます。「人文知」体験によって教養、知性、感受性、表現力を磨き、自らの未来を拓く「軸」を形成します。 文学・語学・日本語教育という多彩な研究対象を擁し、実践的なカリキュラムが揃う日本文学科では、過去から現在に至るまでの日本語で書かれた「ことば」の研究を介して、ことばの向こう側にいる〈他者〉とつながります。〈他者〉の目を通して今一度自分自身という存在について見つめ直し、国際社会に通用する深い洞察力を養います。

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