社会情報学部 社会情報学科
あらゆる分野で必要となる
データに基づいて考えるスキルを磨く

寺尾教授からの
Message

社会情報学部 社会情報学科 教授
寺尾 敦

本ゼミナール(ゼミ)では、データサイエンスを活用し、人の思考や行動について幅広い研究を行っています。所属学生は卒業研究のテーマを自由に選択することができますが、必ずデータに基づいた主張を行うという条件を付けています。ゼミでの学習を通して、データを活用し、読み解く力が身に付けられるようにしています。

Q.社会情報学部の特色を教えてください。

社会情報学部では「社会」「人間」「情報」の融合分野を学びます。カリキュラムには、各分野の科目のほか、複数分野にまたがる内容を学ぶ「リエゾン科目」を用意しています。
分野を融合して学ぶ理由の一つとして、融合的な知識や思考力が、社会課題を解決するのに役立つということがあります。実社会では、特定分野のエキスパートだけでなく、複数の分野に関する知識を備えた人が必要になることが多くあります。社会課題は年々複雑になり、分野を組み合わせることや、必要な時に他分野を学習して新しいスキルを身に付けられる人が、今後ますます必要になるでしょう。現代の課題を解明するためには、融合的なアプローチは欠かせないものとなっています。本学部では、そのように複数分野をつなぐことができる人の育成を重視しています。
純粋な学術的な興味の面からも、融合領域を研究することはとても楽しいことです。たとえば私は、はじめは心理学、特に教育心理学を専門としていましたが、認知科学や脳科学、教育工学など、異なった方向から問題にアプローチすることで、大きく視野が広がった経験を何度もしてきました。融合的な学問だからこそ貢献できる新たな発見も多くあるのです。

Q.ゼミではどのような学習をしているのでしょうか。

私のゼミでは、「データサイエンス」をツールとして活用し、幅広いテーマで研究を行っています。これまでの所属学生の卒業研究テーマには、「学習支援システムとその効果」、「授業でのディスカッションがレポートの内容にもたらす影響」、「人の確率的な直感と実際との乖離」などがあり、学生一人一人の興味によってさまざまな研究が行われています。
テーマは自由ですが、調査や実験などで必ずデータを集め、それに基づいて主張を行うという条件を付けています。卒業後にどのような分野に進んでも、根拠に基づいた主張をすることはとても重視されるからです。データサイエンスとその活用が発展した現代では「データに基づいて」とあちこちでいわれますが、その分「データがある」という事実に騙されやすい環境でもあります。データを見て、それは本当にそう結論づけられるのか否か、検証できるようになってほしいという意図もあります。
卒業研究のテーマは自由に選べますが、テーマを選んで最終的に学術研究として完成させることは簡単ではありません。そこで今年度は、まず自分の興味のある日本語で書かれた論文を探し、それを論文の著者になったつもりで他のメンバーに紹介する課題を出しています。学生は、論文を読み、それについてディスカッションする中で、適切な問いの立て方や、実験・調査の手法、データに基づいて主張をする方法を、少しずつ身に付けています。
3年生には行動経済学の書籍の輪読も行っています。行動経済学は心理学と経済学に深い関連があり、データに基づいた検証も行われるため、融合分野の学習に適した学問分野です。データ分析スキル向上のためには、3年次に、統計検定2級の取得を推奨しており、その問題演習もゼミ内で行っています。

Q.ゼミに興味のある高校生・在校生にメッセージをお願いします。

文系・理系が融合した社会情報学部には、高校までは文系の勉強が中心で、数学が得意ではないという学生も少なくありません。そのため、データサイエンスと聞くと敬遠してしまう学生もいるようです。しかし、私のゼミではデータサイエンスそのものを研究しているわけではなく、統計学者や情報工学の専門家が築いたデータサイエンスをツールとして使った研究を行っています。高度な数学を必要とするわけではなく、必修科目として1年次に履修する「統計入門」の知識があれば難しくはありません。過度な苦手意識を持たずに、挑戦してほしいと思います。
現在、どの分野においてもデータに基づいた意志決定を行えることは重要になっています。データを根拠に主張をする手法を身に付けることは、どのような分野に進んでも強みとなるでしょう。そして何より、なぜ、どうして、と感じることを、どのようなデータで解き明かすことができるのかを考え、実際にデータをとり、分析して回答を出すプロセスは本当に楽しいものです。興味を持った人は、ぜひこのゼミでデータに基づいて考える姿勢とスキルを、楽しみながら磨いてください。

学生の
Message

社会情報学部 社会情報学科 3年
埼玉県立所沢高等学校出身
並木 翔平

2年次までに履修した授業の中で、寺尾先生がレポートへのフィードバックをとても丁寧にしてくださることや、質問に伺ったところ、時間をかけて親身になってご指導くださったことから、このゼミを選びました。ゼミで学習する行動経済学に高い関心もありました。経済学の授業では、人間の意志決定が合理的であることを前提としていましたが、「ダイエットしようとしても続かない」「不安が募ってトイレットペーパーが買い占められる」など、身近なところで合理的とは思えない事象をいくつも目にしてきたため、実際の人間の意志決定のあり方について、データをもとに紐解いていく行動経済学を中心に詳しく学びたいと考えたのです。研究テーマを自由に設定でき、学生の自主性に任せてくださる環境も気に入っています。
同学年で在籍する学生は5人。学生同士も先生との距離も近く、ディスカッションも活発です。個々の学生が興味のある論文を紹介する課題では、自分の興味以外のテーマに触れられるので視野がどんどん広がっています。また、まだ論文検証などの本格的な学習をはじめたばかりで、論文に書いてあることは全て正しいと思いがちですが、先生からの助言で、論文の手法や仮説が本当に正しいのかどうか、多角的な視点から深く掘り下げて検討する姿勢を身に付けることもできました。
結果に対して、その原因は何か、仮説を立てて検証していくことはとても面白く、今後、データ分析のスキルを身に付け、論文を多く読み、関心のあるテーマを追究していけることが楽しみです。研究テーマはまだ決まっていませんが、現在は、消費者行動、特にコロナの影響に伴う買い物行動の変化に興味があり、より詳しく調査や実験ができたら、と考えています。

社会情報学部

現実の社会には文系・理系の境界はなく、さまざまな社会的課題を解決するため社会情報学部においても“文理融合”の学びを追究しています。文系の「社会科学」「人間科学」と、理系の「情報科学」の各専門領域をつなぎ、各分野の” 知”を“融合知”に高めるカリキュラムを整備。新たな価値を創造し、社会へ飛び立てる力を育みます。高度情報化社会と呼ばれる現代では、文系・理系の双方に精通していることがアドバンテージとなります。社会情報学科では、文理の垣根をなくした「文理融合」をコンセプトに、社会・情報・人間の複数分野にまたがる学際的な学びを展開します。学問領域をつなぐことで生まれる新たな価値観で、一人一人の可能性を広げ、実社会における複雑な問題の解決に貢献できる人材を育てます。

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