将来への不安を
学びに繋げてつかんだ
自分だけのキャリア

掲載日 2022/10/6
No.185
コミュニティ人間科学部
コミュニティ人間科学科 4年
山口 凌
東京・私立東海大学菅生高等学校出身

OVERTURE

本学の進路・就職支援は、1・2年次の早期から3・4年次の就職活動本格時期まで、一貫したサポートを行っています。働くことの意義を理解し、自分に合ったキャリア形成に向け、具体的な準備や行動ができるようサポートしていきます。4年間でステップアップし、金融系の企業に内定した学生をご紹介します。

学業と体育会活動を両立させた4年間

私はコミュニティ人間科学部には1期生として入学しました。この学部に興味を引かれたのは、「グローバル」や「国際」をうたった新設学部が多い中、地域という国内の課題に着目しているところに先進性を感じたからです。新設学部の1期生として、新しい学びをつくっていくことができる点も魅力でした。
カリキュラムも充実しており、3年次には相模原市緑区青根での地域実習 に参加し、相模原市内で展開されているコミュニティ・スクールに注目し、相模原市立青和学園での住民参加による学校運営の取り組みに関わることを通して、学校を舞台とした住民主体の地域づくりの実際を体験することができました。
コミュニティ人間科学特論L」(アントレプレナーシップ論)では、自身の経験から、テニスを通しての地域創生ビジネスを考案し、そのアイデアをもとにアイデアピッチコンテストにも挑みました。学業はもちろん、体育会硬式庭球部(男子)に所属して競技にも打ち込み、3年次には主将も経験しました。

しかしその一方で、将来のキャリアに対しては不安を感じていました。テニス中心の生活を送ってきた自分は、この先どんな道を選択すれば良いのか、どこに熱量を注ぐべきかという迷いが生じたのです。また、地域について学ぶ中で、現代社会は多様化が進み、だからこそ「自分とは何か」をしっかり見つめることが人生のキャリアを考える上で重要だと考えるようになりました。将来への不安を解消し、自分なりのキャリアデザインを考えたいと思い、3年次から「人生100年時代の職業キャリアを考える」をテーマとする宇田美江先生のゼミナール(ゼミ)に所属しています。卒業論文では「体育会活動で習得すること」に焦点を当て、体育会活動で得られる力とは何か、その力は社会人生活でどのように生かされるのかを明らかにしたいと考えています。私自身は、コミュニケーション能力、人間関係形成力、忍耐力などが養われる体育会活動は、キャリアにプラスの影響を与えるものだと感じています。卒論の執筆を通して、体育会の部活で活動することが有意義な社会人生活を送りたいと考える人の選択肢の一つになってほしいと思います。
学業や部活に加え、学生時代の大きな経験になっているのが、TOEICで910点のハイスコアをマークしたことです。自分の強みを増やそうと勉強を始めたのですが、「練習で疲れているから」と自分に言い訳をして逃げていた時期もありました。しかし、コロナ禍に入って部活が休止されると、もうその言い訳は通用しません。「できない理由」ではなく「やる理由」を探して自分を奮い立たせ、部活に使っていた時間や通学時間を勉強に充てた結果、目標を上回るスコアを取ることができました。自分に言い訳をせず、諦めずに努力を重ね、やりたいことを実現する方法を考えられるようになったことに、自身の成長を感じます。

お金を通して人を支える金融業界へ

金融業界を志望したのは、大学時代のさまざまな経験を通して、人を支えることに自分の「ワクワク」感があると思ったからです。家電量販店でのアルバイトでは、お客様のニーズにマッチする商品を提案することが楽しく、私の説明が決め手になって商品を購入していただく喜びを何度も味わいました。体育会硬式庭球部(男子)では主将を務め、練習メニューや戦略を考えてチームの強化や部員の成長を支えることにやりがいを感じていました。そうした人をサポートする行動を取る中で気付いたのが、多様な活動を支えているお金の重要性です。お金に関するさまざまなサポートをすることが人や組織を支えることにつながると考え、金融業界への志望を固めました。

就職活動の初期は、会社説明会やインターンシップに積極的に参加して多くの企業を知り、各社を比較しながら自分に必要な就職先の条件を見つけていきました。企業選びで重視したのは、企業文化や企業理念が自分と合っているかどうか。私は他者を尊重しながら熱意を持って頑張ることができる人でありたいと思っていますし、そういう人と一緒に働きたいと思っています。OB・OG訪問などを通してその企業で働く人の考え方などを肌で感じ、徐々に志望する企業を絞っていきました。

本選考が近付いてからは、ES(エントリーシート)の指導や面接対策を中心に、進路・就職課の個別相談を利用しました。就職活動を長年支えている職員のみなさんからの指摘はためになるものが多く、ESや面接の内容をブラッシュアップしていく際に役立ちました。面接対策では、就職活動中に知り合った仲間との模擬面接も効果的だったと思います。自分の意図と聞き手の受け取り方にギャップがないかを確かめながら、より意図が伝わる表現を工夫することができました。

他人に流されずに自分の軸でキャリア選択を

コロナ禍での就職活動になりましたが、苦心したのは、面接でいかに自分のパッションを発信するかです。画面越しのオンライン面接だけでなく、対面の面接でもマスクで顔の半分が隠れているため、自分の熱量や気持ちが伝わりにくいと感じました。何とかして意欲や思いを表現しようと、面接の受け答えでは通常の1.5倍の熱量を込め、1.5倍の身振りや手ぶり、1.5倍の表情の豊かさで自分をアピールすることを意識していました。
就職活動中やこれから就職活動を迎えるみなさんに伝えたいのは、自分と他人を比べないということです。他人の評価に流されてキャリアを選択すれば、確かに気持ちは楽かもしれません。しかし、その選択が将来の幸せにつながるかといえば、そうではないと思います。むしろ、その後の人生も他人の評価に左右されてしまうことになるのではないでしょうか。自分という人間は一人しかいませんし、就職活動はゴールではありません。自分がワクワクすること、やりたいことは何かを見つけ、キャリアを選択し、社会に出た後も自分の軸を考え続けることが大切です。自分と向き合うことは大変ですが、ぜひ頑張ってほしいと思います。

入社後は、人を支えたいという思いを忘れず、お客様の課題やニーズを的確にとらえてサポートし、お客様に信頼される存在になりたいです。また、一社会人として、社会に対して自分の能力やスキルを使った自分にしかない価値を発揮し、本当に人のためになることを行っていきたいと思っています。

山口さんの就職活動スケジュール

  1. 〈3年次〉 2021年6~7月

    インターンシップ応募、会社説明会参加

  2. 〈3年次〉 2021年9月

    初のインターンシップ参加

  3. 〈3年次〉 2021年10~12月

    インターンシップ応募、インターンシップ選考、インターンシップ参加

  4. 〈3年次〉 2022年1~2月

    インターンシップ参加、本選考面接

  5. 〈3年次〉 2022年3月

    本選考エントリーシート提出、面接

  6. 〈4年次〉 2022年4~5月

    本選考面接

  7. 〈4年次〉 2022年6月

    本選考面接、内々定

コミュニティ人間科学部

コミュニティ人間科学部では、日本国内の地域に着目した社会貢献を追究し、地域文化とそこに暮らす人々の理解を深め、より良いコミュニティ創造に寄与する力を培います。幅広い知識の学び、体験し行動するプログラムを通じて、自ら課題を発見・解決し、地域の人々との互助・共助のもとにコミュニティの未来を拓く力を育成します。
日本の地域社会は、高齢化や過疎化などさまざまな課題に直面しています。その解決に力を発揮するには、地域の人々に接し、活動の実際を知り、共感する体験が重要です。コミュニティ人間科学科では、地域の人々や行政についての学びをはじめ、市町村やNPOと連携した体験的実習などを展開します。専門家として、地域社会の構成者として、地域の活性化や持続的な活動支援ができる人材を育てます。

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