夢は世界で活躍する実務家。
その実現に向け、論理的かつ
創造的な思考力を磨く

掲載日 2022/10/27
No.191
法学部
法学科 4年
野口 倫太郎
東京・私立攻玉社高等学校出身

OVERTURE

法学科は、法律家をめざす学生だけが進学する学科ではありません。法学は論理性を徹底的に追究する学問であり、政治や経済と密接な関係性を持つため、さまざまな進路につながります。本学科に在籍する野口倫太郎さんの目標は、「グローバルに活躍するビジネスマンになる」こと。そのために必要な法学知識や交渉術などのスキルを身に付けるべく、仲間と日々切磋琢磨しながら勉学に励んでいます。

法学は、論理性を徹底的に追究する学問

高校生の頃から友人と論理的にディスカッションすることが好きだったので、論理的思考が必要とされる法学分野に興味を持っていました。さらに、小学校時代を中国の上海や広州で過ごした経験から、私には「グローバルに活躍するビジネスマンになる」という将来の目標があり、それを達成するには法学の知識や素養、論理的な文章を作成する能力、交渉術などを身に付ける必要があると考え、法学科に進学しました。
特に興味を持って臨んだのは「商事法特論B」です。金融において法律の果たす役割を体系的に学ぶ授業で、金融に関連する民法・商法の規定や、金融関連の業規制のほか、ビジネスマンとして働く上で知っておくべきファイナンスの知識を学びます。担当の大垣尚司先生は金融業界で豊富な実務経験があり、現在も第一線で活躍されている方です。体験談や余談も含めて大変に中身の濃い講義でした。教室には常にピンと張りつめた空気が漂い、学生全員が食い入るような目で受講していました。中でも印象に残っている先生の教えは、「法学部の授業では判例や学説が対立する論点に焦点が当たるが、ビジネスではそういう点は避けて通るのが原則。もし自分の信じる学説に相手方が納得しなければ、訴訟に巻き込まれ、多くの時間を浪費することになる」ということです。法律を実務という側面から見つめ直す好機となりました。
入学した当初は、法律分野の勉強は暗記科目的要素が強いのではと勝手に想像していたのですが、1年次の必修科目を通じてその考えは改められ、「自分の頭で論理性を徹底的に追究する学問」であることを認識しました。法学部の先生方はとても厳しく、たとえすべての授業を真面目に受講していても、テストやレポートで少しでも論理の崩れた文章を書くと高い評価はもらえません。だからこそ、与えられた課題においてとことん論理性を追求した結果、最高の成績が取れた時の達成感は非常に大きいですし、モチベーションも高まりました。

体育会アメリカンフットボール部の活動にも全力で取り組む

現在、体育会のアメリカンフットボール部に所属しています。右膝前十字靭帯損傷など大きなけがを経験し、悔しい思いをすることも多かったのですが、チームトレーナーの手厚いフォローもあり、競技を継続することができています。
選手として活動する傍ら、3年次にはリクルーティング責任者としてチームの新歓活動にも貢献しました。他校での成功例をもとに、当時のチームの既存の枠にとらわれない企画や施策を実行した結果、前年度の約3倍、平均の1.7倍の数の新入生を獲得できました。4年生の現在はチームブランディングの学生責任者として、チームのスポンサー獲得・広報・集客などを担当しています。

ディベートを通してゼミの仲間と切磋琢磨

2年次に岡田直己先生の「入門演習」(プレゼミ)の授業を履修した後、現在も岡田先生の「法学・政治学演習」(ゼミナール)に所属し、独占禁止法による「競争」の規律が市場経済にどのような役割を果たしているのか、ディベートやグループワークを通して研究しています。チームを組み、2週間に1回のペースでディベートを行っています。前半1週間で論題に沿った英語や日本語の資料を読み込み、チームの主張を組み立てます。後半1週間で発表の準備や相手チームから想定される「反論に対する反論」を作成。双方で争点を明確にした上で、レベルの高いディベートの遂行を第一目標とし、最終的には議論での勝利をめざします。

慶應義塾大学の名門ゼミとのディベート対抗戦

この一連の作業を通して、相手に十分な説明を行うために必要な「論理的思考力」と、交渉に不可欠な「創造的思考力」を磨いています。論理的かつ創造的な思考力はビジネスシーンにおいても不可欠なスキルですし、人前で落ち着いて分かりやすく話すテクニックも身に付きました。何よりも仲間と切磋琢磨してひとつのことをやり遂げる充実感は、何物にも代えがたい経験だと感じています。
岡田先生を介して慶應義塾大学の名門ゼミとディベートの対抗戦を行うという経験もしました。1ヶ月前から入念な準備を行い、ディベートに勝利することができましたが、それ以上に、独占禁止法を学ぶ大学生同士、「アメリカのクレジットカード大手アメリカン・エキスプレスの行為が反トラスト法(独占禁止法)に違反するか」について互いに理解を深め合うことができ、大変充実したものとなりました。岡田ゼミのモットーは「勉強は楽しく、遊びは真剣に」、そして「ゼミはファミリー」。先生と学生、学生同士の距離感が非常に近いです。将来について相談し合ったり、お互いの長所や短所を気軽に語り合ったりできる仲間の存在は、私の大きな財産です。

多方面で活躍する卒業生から刺激を受ける

本学科の特長は、一般的に男性が多いとされる学問分野ながら男女比が近いことや(※1)、国際的・実践的なカリキュラム、多種多様な法分野の科目を選択できるところではないでしょうか。卒業生の皆さんもさまざまな方面で活躍されており、法律の世界にとどまらない多様な進路が広がっていると感じます。
例えば、本学独自の全学共通教育システムの青山スタンダード科目で受講した「現代金融の諸問題」は、金融青山会(※2)からの寄附講座(※3)です。授業では、毎回、異なる先輩方が講師として登壇されました。この授業を通して、金融とひと口にいってもさまざまな業種・職種があることを知り、銀行や証券会社が具体的にどのような業務を行っているのかなどをより深く理解できました。実社会で活躍されている先輩方の姿に尊敬の念を抱くとともに、大きな刺激を受けています。
世界で活躍するビジネスマンになることを目標に、現在は、その実現に向けてたゆまぬ努力を続ける毎日です。本学科には、法曹界はもちろん、公務員や私のように実務家を目指す者などさまざまな将来像を描く学生が在籍しています。一人一人の夢を後押しするカリキュラムが整っていることに加え、先生方や進路・就職センターのスタッフが進路について親身に相談にのってくださるため、非常に心強く感じています。

※1 男子学生51%、女子学生49%(2022年度在学生)
※2 金融機関や金融関連分野に就職した本学卒業生からなる校友会傘下の団体
※3 民間企業等の外部組織から教育・研究振興のために寄付された資金や人材を活用し、研究教育活動を行うもの

インタビュー動画

※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2022年度)のものです。

法学部 法学科

AOYAMA LAWの通称をもつ青山学院大学の法学部には、「法学科」に加え、2022年度新設の「ヒューマンライツ学科」があります。
法律は、人間社会の生活すべてに直結するともいえるルールです。法律を正しく理解し、公正で客観的な判断を下せる「リーガル・マインド」は社会のあらゆる領域で求められます。AOYAMA LAWの国際性豊かな教育は青山学院大学の歴史とともに歩んできました。
法学科では、国際的・実践的なカリキュラムを通じて、専門的知識と法的正義感を備えた「法の智恵」を養います。また、基本的な法律科目から多彩な選択科目まで、豊かで系統的な法知識と、それを現実に適用する技能を身に付けます。

VIEW DETAIL

バックナンバー

*掲載されている人物の在籍年次や役職、活動内容等は、特記事項があるものを除き、原則取材時のものです。

学部選択

分野選択