数学の知見を生かし、
自分の考えを社会に発信
物理・数理学科 数理サイエンスコース3年
OVERTURE
青山学院大学では、2021年4月に、物理・数理学科を「物理科学科」と「数理サイエンス学科」に改編。「数理サイエンス」とは、厳密な論理に基づく学問としての数学だけでなく、現実社会の諸問題を記述し、解決するツールとしての数学という意味を込めた言葉です。数理サイエンス学科では、さまざまな数学の基礎知識をもとに、数理科学に関する未知の事柄を研究します。本学科で数学の奥深さを改めて感じたという朝原健翔さんが、その魅力を語ってくれました。
より自分らしい表現を求めて数学の世界へ
本学科を志望したのは、生活の中で感じる疑問や社会に潜む問題について、好きな数学を用いて自分の意見を伝えたいと思ったからです。もともと人と話すことは好きだったのですが、言葉の扱いに満足していなかったため、数学を使えばより個性ある、自分らしい表現ができるのではないかと考えるようになりました。現在は、学んだ知識を使いこなそうと懸命に問題と向き合う日々を送っています。数理サイエンスコースは学生の数が約30人と少ないため、少人数授業ならではのきめ細やかな指導を受けられる点が大きな特長です。恵まれた環境で数学の世界に没頭できることを大変うれしく感じています。
また、学部・学科の枠を超えて多彩な分野を学べる、全学共通教育システム「青山スタンダード」では、あえて馴染みがなかった 「囲碁で養うロジカルシンキング」の授業を履修しました。プロ棋士の方に初歩から教えていただき、戦局を立てて囲碁を打つおもしろさを知れたことも、貴重な経験として心に残っています。
数々の問題を通して数学の奥深さを実感
特に力を注いでいるのが、授業で教わった内容をもとに問題を解く「演習」の授業です。種々の設問を通して、講義中に例題を解いただけでは得られない、理解に辿り着けたと感じます。また、先生方が直接質問に答えてくださるため、定義や定理についてもその場で確認し、理解を積み重ねた上で問題を解くことができます。まずは手を動かし、問題に対する方針を立てるという姿勢が身に付きました。学びを通してあらためて実感したのが、数学という学問全体の奥深さです。先生と話し合う中で高校で学習した数学の内容についても見方が変わり、以前よりもその魅力に引き込まれています。
真理を追究する中で出会った勉学の喜び
入学当初は漠然と数学への憧れや期待感を抱いていましたが、学びを深めるうちにその面白さを肌で感じ、より積極的に勉学に励むようになりました。多様な授業を通して、既に築かれた体系の偉大さと、現在も新たな問題が提起され、それに対する理論が作り出されている状況を知り、自分がその一端に関われる喜びをひしひしと感じています。将来は、これまでに培った論理的な思考力と数学に関する知見を生かし、社会に対して自分の意見を発信していきたいと思います。
※登場する人物の在籍年次や役職、活動内容等は取材時(2020年度)のものです。
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2021年度)のものです。
インタビュー動画
在籍している学部・学科
理工学部 数理サイエンス学科
理工学部は、数学、物理、化学といったサイエンスと、テクノロジーの基礎から最先端を学ぶ環境を整備しています。国際レベルの研究に取り組む教員のもと、最新設備を駆使した実験、演習、研究活動の場を提供するとともに、独自の英語教育を全7学科統一で実施。未来志向のカリキュラムにより、一人一人の夢と可能性を大きく広げます。
数理サイエンス学科は、さまざまな数学の基礎を学びながら、数理科学に関する未知の事柄について研究を行います。「数理サイエンス」という言葉には、厳密な論理にもとづく学問としての数学だけではなく、現実社会の諸問題を記述し解決する道具としての数学という意味が込められています。自分で考える習慣と力を身に付けることが目標です。