日本への留学を叶え、
青学での学びを通して
成長を実感

掲載日 2022/8/22
No.172
理工学部
情報テクノロジー学科 3年
熊 雨翔(ユウ ウショウ)
カナダ エドモントン・Jasper Place High School出身

OVERTURE

子どもの頃から日本に関心を持ち、日本に留学することが念願だったという熊さん。高校から母国の中国を離れて英語力を磨き、現在は世界に通用するプログラミングの知識と技術を身に付けようと情報テクノロジー学科で学びを深めています。

自分の志向にぴったり合った情報テクノロジー学科

父は日本の大学に留学し、日本で働いていたことがあり、日本人の穏やかさや礼儀正しさ、日本での楽しかった暮らしについて、私が小さい頃からよく話してくれました。そのため、私もいつか日本に留学し、日本の生活や文化を体験してみたいと自然に思うようになりました。
あいさつ程度の簡単な日本語は父から教えてもらいましたが、文法などを本格的に学び始めたのは、カナダで過ごした高校生のときです。グローバル化が進む社会で活躍するためには、まずは英語を習得したほうが良いという父の勧めで留学したカナダの高校に、日本語の授業があったのです。また高校で、カナダ人と日本人のミックスルーツのふたごの兄弟と出会い、とても仲良くなりました。中学まで日本で暮らしていた彼らから、日本での学校生活や日本のアニメの話を聞くのが楽しく、ますます日本へ行きたい気持ちが高まり、高校卒業後は、日本の大学に留学することを決心し、来日しました。

青山学院大学は、大学入学前に通っていた日本語学校の先生が、進学先を選ぶにあたって教えてくださった大学のひとつでした。将来は、カナダで身に付けた英語を使って世界を舞台に働きたいと思っていたので、青学では英語の教育を重視し、グローバルに活躍できる力を育成していることを知り、大変魅力を感じました。また、コンピューターを使うことやゲームが好きで、プログラミングに興味があったため、英語による講義や英語で書かれた教材を使用する授業が多い情報テクノロジー学科は私の志向にぴったりでした。実際、外国人の先生が多く、学科必修科目にも英語による講義があるなど、期待していた通りに国際的な環境で勉強することが叶っており、とても良い選択をしたと思っています。

試行錯誤し、達成感を得た演習の授業

英語だけでなく、物理や化学など情報テクノロジー分野の基礎実験科目や、プログラミングには欠かせない数学関連の授業を通し、専門性と実践力を養う土台となる基礎知識をしっかり身に付けることができました。来年から研究室に所属して研究が始まりますが、本学科は、情報テクノロジーの応用分野を幅広く捉えるという特色があるので、テーマは、情報通信や人工知能など想像以上に多岐に渡り、きっと誰でもやりたいことが見つけられると思います。
私自身が今、最も興味を持っているのはCG(コンピュータグラフィックス)で、「デジタルメディア設計」の授業では、初めてプログラミング図形を描く体験をし、「絵を描く仕組みはこうなっているのか!」と発見の連続でした。より深く学びたいと思い「 デジタルメディア設計演習」も履修しました。授業で学んだ技術に加え、自分の想像力と発想力を働かせながら、光の反射やもののテクスチャーを組み合わせて表現したいものを完成させることがとても面白く、毎回出される課題に夢中になって取り組みました。時間をかけて試行錯誤した分、達成感も大きかったです。

CGプログラミングの技法を用いて、物体に照明を当て、質感を表現しました

授業では、日本語はもちろん、英語でも知らない専門用語や難しい単語が出てくることがあるので、理解が不完全な状態で先に進んでしまうことがないよう、授業が終わったらすぐに復習し、一つ一つの言葉を確認してから全体の内容を頭に入れることを意識的に実践しています。また、英語で学んだ内容を日本語でもインプットするために、わからない英単語があればまず中国語で調べて理解し、さらにそれを日本語にリンクさせるという二段階で知識の定着に努めています。これを継続するのは根気が要りますが、コツコツ続けることが結局は目標に到達するための一番の近道だと思っています。
学習がうまく進まず精神的に疲れることもありますが、そんな時は体を動かすのが一番のリフレッシュ方法です。私は中国にいるときから、バドミントンに親しんでいたので、週末に中国人の友人とバドミントンを楽しんだり、ジムで筋トレをして汗を流したりして、頭がすっきりした状態を維持できるようにしています。

世界に通用する技術者を目指してさらに努力を

本学独自の全学教育システムの青山スタンダードの科目の学びで、視野が広げられたことも本学を選んでよかったと思う点です。実は入学前、教養教育科目はむしろ不安の種でした。当時はまだ日本語力が十分ではなかったので、自分の考えを書くことが求められる課題に対して、うまく伝えられるのだろうかと心配だったからです。しかし、実際は日本語について注意されることもなかったですし、考えたことを一生懸命書いて提出すると、先生方は授業に向き合う姿勢を評価し、ポジティブなコメントを返してくださいました。特に印象に残っているのは教養コア科目の「 自己理解(総合科目)」の授業で、性別や社会との関わり方、住んでいる文化圏から受ける影響など、いろいろな観点から自分自身について考えるきっかけになりました。

1年次は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でほとんどの授業がオンラインとなり、キャンパスの様子がわからず不安でしたが、青学では留学生一人一人にチューターが支援してくれるので、とても助けられました。ずっと家の中にいて心細さもあったため、チューターとLINEでやりとりをし、「わからないことがあったらいつでも聞いてください」と言ってもらえた安心感は大きかったです。
3年生の今、日本語の力も専門知識も確実に身に付いてきたことが感じられ、青学で学ぶ日々には一歩ずつ前進できているという充実感があります。規律正しい日本での生活は私にとって心地よく、将来は技術者として日本で働きたいとも考えています。今はまだ今後の具体的な研究テーマは決まっていませんが、大学院に進んでさらにCGに関する研究を深めるつもりです。国際的に活躍できる人になれるよう、引き続き努力していきたいと思います。

理工学部 情報テクノロジー学科

青山学院大学の理工学部は、数学、物理、化学といったサイエンスと、テクノロジーの基礎から最先端を学ぶ環境を整備しています。国際レベルの研究に取り組む教員のもと、最新設備を駆使した実験、演習、研究活動の場を提供するとともに、独自の英語教育を全7学科統一で実施。未来志向のカリキュラムにより、一人一人の夢と可能性を大きく広げます。
「情報テクノロジー」という名称には、IT・情報技術を利便性のためだけではなく、社会のより健全な発展を目的に活用すべきという思いを込めています。情報テクノロジー学科では、IT・情報技術を信頼性や安全性、快適さといった「人への優しさ」のための技術として探究。その応用分野は人工知能からロボットまで幅広く、人間とテクノロジーの共生を目指して、新理論の発見や現実的な提案に取り組んでいます。

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国際センターは、大学の国際化に関わる教育支援と国際人育成をサポートしていきます。主な業務は、海外協定・認定校を対象とする「学生派遣」と「留学生の受入れ」、短期語学研修などのプログラムやイベント等の企画・運営、および青山学院中・高等部などの設置学校と大学間のグローバル化に関わる一貫教育体制のサポートなどを担います。国々の多様な文化や慣習および学生の異なる価値観を尊重しながら、海外大学と本学との連携をさらに強化・拡充していきます。

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