多様な分野の中で培った
多角的視点そしてさらなる
歴史の探究へ
史学科 4年
OVERTURE
日本史、東洋史、西洋史、考古学の4コースで構成される青山学院大学の文学部 史学科。1年次にそれぞれの分野の基礎を学び、2年次からはコースに分かれて各自の興味・関心を深めることができます。幅広い学びの中で、歴史研究の魅力に気付き、大学院進学を決めた大杉耀歩さんに、大学ならではの歴史との向き合い方について伺いました。
多様な学びから深める歴史研究
元々歴史に関心がありましたが、大学では高校までの暗記中心の歴史学習とは異なる「歴史研究」を行いたいと思い、史学科への進学を決めました。研究対象とする分野を定めていなかった私には、1年次に分野を問わず幅広く学べる本学のカリキュラムは魅力的でした。
また、さまざまな分野の先生がおられ、多彩な講義が開講されていることも青学の特長だと思います。なかでも印象に残っているのは、石川博樹先生の「東洋史特講」でのアフリカ史に関する授業です。それまでまったく知らなかったアフリカの歴史や文化を学べるまたとない機会だと思い、受講しました。地理や言語、経済などの概要的な項目から現代アフリカが抱える諸問題まで、映像や教授が自ら現地で購入した物品の紹介を織り交ぜた授業は、常に新たな発見と驚きに満ちていました。アフリカの無文字文化を取り上げた回では、「史料として残る文字が無ければ、その地域や集団に歴史は無いのか」と、歴史という概念そのものに対する問いかけがあり、深く考えさせられました。文化の成立過程や背景などが日本とはまったく異なる地域の学習を通して、自分の常識にとらわれずフラットに物事を考える姿勢を得られたと感じます。
※学びの特色とカリキュラム(史学科)はこちら
学部生も研究分野のスペシャリストに
青木敦先生のゼミナール(ゼミ)では中国史を専攻し、「明清代武挙合格者の諸相」について卒業論文を執筆しました。今までの歴史研究では重視されなかった、「武挙」という中国の武官任用試験の合格者の実態について研究しています。
歴史研究は、自ら計画を立て、未知の事象を明らかにしようと挑戦することでもあります。そのため、研究には常に一筋縄ではいかない厳しさがありました。史料が難解で内容理解に時間がかかったり、読み解いた内容が既知の制度と合致しなかったり、断片的な事実しか分からなかったり。一方で、史料との格闘を通して、それまで知り得なかった過去の人や社会、文化の一端を明らかにできた時は、歴史研究の楽しさややりがいを強く感じました。
青木先生はよく「史学科では、学部生でも自身の研究分野のスペシャリストになれる」とおっしゃっていました。その言葉を意識して研究に取り組んだおかげで、何かを突き詰めて高みを目指すという経験ができました。
大学での学びや出会いが大学院進学を後押し
今後は大学院に進学し、歴史研究を続ける予定です。就職活動を行っていた時期もありましたが、ゼミでの研究がきっかけとなり、大学院で歴史研究をさらに深めたいと思うようになりました。学部生のうちからレベルの高い研究領域に身を置いて勉強でき、自分の知見を広げてくれる先生方や友人たちと出会えたおかげです。これまで史学科で学んだ、能動的であること、史料と真摯に向き合い、事実に立脚した科学的な研究を行うことを忘れず、大学院ではさらに専門性の高い歴史学を追究したいと考えています。
インタビュー動画
※登場する人物の在籍年次や役職、活動内容等は取材時(2020年度)のものです。
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2021年度)のものです。
文学部 史学科
青山学院大学の文学部は、歴史・思想・言葉を基盤として、国際性豊かな5学科の専門性に立脚した学びを追究します。人間が生み出してきた多種多様な知の営みにふれ、理解を深めることで、幅広い見識と知恵を育みます。「人文知」体験によって教養、知性、感受性、表現力を磨き、自らの未来を拓く「軸」を形成します。 ロマンあふれる歴史を扱う歴史学は、実は史料を読み解き過去を再構成する科学的・実証的な学問です。史学科では、日本史、東洋史、西洋史、考古学という4つの視点から学びを深めます。過去について学ぶことは、異文化に対する広い視座を養うとともに、現代社会の成り立ちに関する理解を深め、社会の持続可能性を探ることにも通じます。これらについて自身の見解を客観的に表明できるよう、指導します。
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*掲載されている人物の在籍年次や役職、活動内容等は、特記事項があるものを除き、原則取材時のものです。