学部・学科の枠を超えて
多彩な関連科目を履修し、
経済学の視座を高めた
OVERTURE
本学では、所属学部・学科に関係なく履修できる本学独自の全学共通教育システムの青山スタンダード科目や、民間企業などから講師を招いて授業を行う寄附講座など、特色ある教育システムを確立しています。さらに、経済学科では同じ経済学部である現代経済デザイン学科のほか、法学・経営学分野や、国際政治経済学部の科目の一部を専門科目として履修可能。多様な学問と関連づけて専門領域への理解を深めることができます。本学科の齋木李帆さんに、この3年間の学びを紹介していただきました。
最先端の文化・情報の発信地にある青山キャンパスで
実践的な経済学を習ぶ
新潟県出身である私は、東京一極集中の現状とそれに伴う地方の過疎化問題に関心があり、地域経済や地方創生について学びたいという思いがありました。また、社会人として生活していく上で税金などのお金の流れに対する理解も深めたいと思い、経済学部を選択しました。青山学院大学を志望したのは、日本中の最先端の文化・情報の発信地にある青山キャンパスの立地を生かした、実践的な経済活動を学べるのではと考えたからです。
青山スタンダード科目で特に印象に残っているのは「英語圏の社会と文化B」です。英語圏が舞台の小説や映画を題材にして、各国の文化や現状について学びます。じっくり作品を鑑賞する中で、その国や地域のことを理解していないとわからない点が出てくるため、その都度文献などで調べる習慣が身に付きました。以前の自分なら多少の疑問はそのまま見過ごしがちでしたが、本授業を通して学びに対する意識がより高まったと感じます。提出したリアクションペーパーに対する担当の先生からの総評もあり、毎回楽しみながら受講することができました。
第一線で活躍する講師から“企業の見方”を学ぶ
専門科目として特にやりがいを感じたのは「産業論(ジャーナリズム・企業分析)」です。これは株式会社東洋経済新報社による寄附講座※で、同社の社員の方が講師となって授業が展開されました。「業界地図」「就職四季報」「CSR企業総覧」など企業研究に欠かせない同社の刊行物を読み解き、“企業の情報の見方”を学習します。
今後の就職活動に役立つであろう業界・企業分析が講義を通してできるという点と、社会の第一線で活躍する講師のお話から新たな知見を得られる点に興味を持ちました。アクティブラーニング型の授業で、自分で資料等の調査などを行いながら能動的に臨めたことも良かった点です。
授業では、特定の企業を詳細に調べてひとつの動画を完成させ、成果を発表するというグループワークを3回、異なるメンバーで行いました。授業外の準備時間が長く、メンバーとの意思疎通を図りながらの作業は苦労も多かった分、完成したものに良い評価をいただけた時の達成感は忘れられません。企業情報を得るためにさまざまな資料を閲覧しましたが、講義を受ける前と後では情報の理解力に格段の差があることを実感しました。資本やキャッシュフロー、業績などを読み取る力を養うことができました。
※民間企業等の外部組織から教育・研究振興のために寄付された資金や人材を活用する研究教育活動
関連科目や英語科目で知識を磨く
経済学科では、同じ経済学部である現代経済デザイン学科科目のほか、法学・経営学分野などの科目を専門科目の一部として履修できます。私は現代経済デザイン学科の「まちづくりと都市計画」、経営学分野の「初級簿記Ⅰ」「事業戦略論Ⅱ」「経営史Ⅰ」を履修しました。関連科目としてより多様な知識を経済と紐づけて学ぶことが叶いました。
また、本学には各学科の特性に合わせた独自の英語科目が設定されており、本学科では1年次に主に「ライティング&コミュニケーション」「リーディング・コンプリヘンション」「ファンダメンタル・イングリッシュ(ネイティブ・スピーカー教員による授業)」という3タイプの科目がありました。2年次ではより難易度の高い講読、ライティングをはじめ、英語でのディスカッション、実践的な英会話を通して、スキルを高めていきます。入学当初の私の英語力は「ある程度の英文は書けるけれど英語で話すことに自信がない」というレベルでしたが、実践を重ねるにつれて、徐々に英会話に対する苦手意識が薄れてきました。学年が上がるに従って英語の文献に触れる機会も増えており、重要なポイントを逃がさない読解力も身に付いてきたと実感しています。
欧米経済史という新たな学問領域に挑む
永山のどか先生のゼミナール(ゼミ)では、経済への視座を高めるため欧米経済史を研究しています。3年次前期には、ゼミの同期とふたりで1970年に開催された大阪万博(万国博覧会)の各国パビリオンの面積の違いと、その決定要因になり得たもの(GDP・世界情勢等)を分析・考察し、プレゼンテーションを行いました。当時の新聞や海外の文献など、参考にした資料は20本以上。本学図書館のデータベースや電子ジャーナルを活用しました。CiNiiや日経テレコンなどをよく利用しましたが、コロナ禍でも自宅にいながら豊富な資料にアクセスできたので非常に便利でした。研究を進める上でつまずいた時などに頼りになったのが、永山先生による親身な指導です。的確なアドバイスや有用な参考文献を教えていただき、研究報告により深い考察を加えることができました。自分たちで設定した興味のあるテーマだったので、より意欲的に取り組めたことはもちろん、データベースの扱い方をはじめ、分析力や考察力も向上したと感じています。
ゼミを選ぶ際、今まで世界の近現代史を学ぶ機会があまりなかったため、知識不足が影響してしまうのではと少し不安でした。しかし、授業を通していくつもの論文にふれ、不明点は納得するまで調べていくうちに、知識を着実に積み上げることができています。資本主義や経済成長といった現代の世界経済にも重要な役割を果たしている史実や、今日の世界経済の課題についても理解が深まり、やりがいを感じる毎日です。卒業論文では、欧米諸国の金融教育と日本が始めた金融教育について比較・研究したいと考えています。
自分の将来像はまだ定まっていませんが、独自の社会貢献活動を行っている企業に関心があり、卒業後はそのような企業に就職して、なくてはならない存在を目指し、貢献していきたいと考えています。本学で学んだ経済学の知識を生かし、“あなたなら安心して仕事を頼める”と言ってもらえるような社会人になるのが目標です。
インタビュー動画
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2022年度)のものです。
経済学部 経済学科
経済とは人々が生存していくことであり、多様な要因にもとづいて成り立っています。それゆえ、その理解には幅広い視野が求められます。青山学院大学の経済学部においては、このような経済を学ぶ場として多様なテーマの研究が蓄積されており、公正な社会の創造を目指して本質を理解し論理的に行動する力を育成します。
経済学の対象は、労働・娯楽・教育・医療など社会全体におよびます。経済学科では、社会全体への柔軟な視点を養い、より良い経済システムへの道を模索します。「理論・政策・歴史」という伝統的な体系のもと、幅広い教養と専門知識を総合的に修得します。資源配分の効率性について学び、より公正な社会の実現に貢献できるよう、「自ら分析できる力」「弾力的な思考力」「行動力」を育みます。