積極的に行動して身に付いた知識と問題解決思考でコンサルティングファームに挑む

掲載日 2023/10/10
No.265
地球社会共生学部
地球社会共生学科 4年
村山 羽菜
東京都立日野台高等学校出身

OVERTURE

海外留学することを望んで地球社会共生学部に入学した村山さん。ところがコロナ禍により、2年次後期に予定されていた学部間協定校留学は中止に。一時は学びへのモチベーションを失いかけたという村山さんでしたが、学内の国際交流の機会を逃さず、さらにさまざまな分野の授業を積極的に履修するなどして、新しい目標設定に向けて意欲的に大学生活を送りました。その中で広がった興味と、村山さん自身の強みである課題解決型のサポート能力を生かそうと、外資系コンサルティングファームに就職する道を切り開きました。

「できないことをコロナのせいにはしたくない!」と一念発起

高校時代から英語が大好きで、ずっと留学制度が充実した大学に進学したいと考えていました。青山学院大学を志望したのは、見学で訪れた相模原キャンパスの美しさと、地球社会共生学部のグローバルな雰囲気に魅力を感じたからです。特に、高度な英語学習と約半年間の留学がカリキュラムに含まれている学部は、私の希望にぴったりでした。
ところがコロナ禍で2年次後期に参加する予定だった東南アジアへの学部間協定校留学は中止になってしまいました。大きな目標を失いながらも「できないことをコロナのせいにはしたくない!」という思いが強く、厳しい状況の中でも自分がステップアップできるチャンスをできるだけ活用しようと模索して、行動に移しました。

まず実践的な英語のスキルを磨くため、2年次の8月に実施されたウーロンゴン大学附属語学学校(オーストラリア)とのオンライン語学研修に参加しました。現地の学生と一緒にプレゼンを行うなど、オンラインでありながらも留学や国際交流を体験できたことで、再び学びへのモチベーションを高めることができました。3年次に履修した語学科目「Practical English WorkshopⅡ」では、世界各国から青学に学びに来た留学生と交流する機会があり、この授業も実践的な英語力を磨く良い機会となりました。また、3年次の1年間、私は留学生の学生生活をサポートする「外国人留学生チューター」も務めました。私はチューターのリーダーとして、留学生と日本人学生がゲームなどを楽しみながら異文化理解を深める交流イベント「COFFEE MEETING」の企画・運営を担当し、対面で多くの留学生と親しく、深く交流できた素晴らしい体験となりました。
このように青学には、チャレンジの機会が多く設けられているので、自分次第でさまざまな挑戦に出会うことができて、あらためて「この大学に入学して良かった」と思っています。

外国人留学生チューターとして「COFFEE MEETING」を行った際の様子

さまざまな分野の授業を積極的に履修して視野を広げる

留学や国際交流以外に、大学では今まで自分が触れてこなかった分野の授業を積極的に学ぶことも心がけていました。学部の授業だけでも地球規模の課題からビジネス、メディア、宗教、教育、多様なカルチャーなど実に幅広い授業が開講されています。このチャンスを生かして自分の視野をどれだけ広がられるか、さらに新たな目標を探そうと思ったのです。実際に、学部の専門科目では「学ぶことで視野が広がる」「社会に還元できる知識が得られた」と実感できる授業が多くありました。
また、所属学部の授業と並行して、青山キャンパス開講の経営学部科目の「国際マーケティング」も履修しました。マーケティング初心者の私でも十分理解できる講義内容で、メーカーやIT、そしてコンサルティングなど企業の実例を交えた講義内容は興味が尽きませんでした。第一線で活躍するビジネスパーソンをゲストスピーカーに招いた講義では、マーケティング、ビジネス、企業経営に対する視野を広げることができ、素晴らしい体験=授業だったと思います。そしてこの授業が、後に私が卒業後の進路を決定する大きなきっかけにもなりました。

3年次には国際協力の専門家で、「地球環境」「持続可能な開発」などの研究に取り組まれている升本潔先生のゼミナール(ゼミ)に所属しました。2年次までの学部の学びに加え、ウーロンゴン大学のオンライン語学研修でもメインテーマとして扱った「まちづくり」に関心があった私は、卒業研究として「コンパクトシティと地方公共交通の関係」について調査を進めているところです。

升本ゼミでの集合写真(左から3番目が村山さん)

大学時代に広がった関心をそのまま生かせる職業とは?

私は自分が少しでも「面白そう」と関心を持ったことはできるだけチャレンジするようにしてきました。その結果、最初は小さな興味だったものがやがて大きく広がり、次へのチャレンジにつながっていきました。すると少しずつですが、自分がやりたいことのビジョンが見えてくるようになりました。
就職活動を始める際に考えたことは「大学時代に広がった関心をそのまま生かせる職業はあるだろうか?」ということでした。学部での学びでは国際協力・開発を専門に教育分野などへの視野を広げ、経営学部の講義を通してビジネスや企業経営、マーケティングへの興味を育みました。一方で、外国人留学生チューターや学習塾のアルバイトを通して、「困っている人へのサポートやアドバイスをする」ことに大きなやりがいを感じることを自覚しました。

それらをかなえられる卒業後の進路として定めたのは、経営学部の授業でも触れたコンサルティング業界でした。青山学院大学で多様な学びに触れ、幅広い分野に対する興味の芽を育んできた私にとって、他の業界と比べて、より広い範囲の業界と関わり合いながら働ける点がぴったりだと感じたからです。あまたある企業の中でも、最も広いコネクションを持つ外資系コンサルティングファームであれば、あらゆるビジネスや社会活動に携わることが出来るはずだと考え、3年次の夏休みに外資系コンサルティングファームのサマーインターンシップに参加したところ、その希望は確信に変わりました。インターン期間中はグループに分かれて、メンバーの学生に与えられたテーマに取り組み、その成果を社員の方々に対してプレゼンテーションしました。第一線で活躍する社員の方々とも親しくお話しすることができ、「この組織ならきっと自分は成長できる」と夏の終わりを待たず、第一志望に定めました。

第一志望の企業への就職は難関であることはわかっていましたので、何度も自己分析をブラッシュアップし、エントリーシートや面接対策を見直しました。コンサルティングファームの面接では、実際にコンサルティングで扱うような具体的なビジネス課題の解決力を試される「ケース面接」が大きな関門となります。私は大学の進路・就職センターの方々に、課題を設定した模擬面接を通して、回答の論理構成などに関してありがたいアドバイスをたくさんいただき、ある程度自信を持って本番に臨むことができました。
それでも内定をいただけるまでは度々不安な気持ちになることもあり、そんな時には家で両親に励ましてもらったことがメンタル面で大きな支えになりました。最終的に第一志望の企業からオファー(内定)をいただき、父と母に報告できた時には感謝の気持ちでいっぱいになりました。

晴れてグローバル・コンサルタントの道へ。
卒業までチャレンジは続く

コロナ禍の中でスタートした私の大学生活でしたが、今振り返ってみてもたくさんのことにチャレンジできた中身の濃い4年間でした。内定が決まっても卒業までは自分をステップアップさせる努力を続けたいと思っています。
元デロイト トーマツ コンサルティング執行役員である松永エリック・匡史学部長のゼミが取り組むプログラム「Women In Tech」への参加もその一つです。「Women In Tech」は、テクノロジー領域において女性活躍を推進するために、デロイト トーマツ グループがプロボノ(職業上のスキルや経験を生かして社会課題に対して取り組む社会貢献活動)として提供するプログラムで、エリックゼミと密接に連携しています。このプログラムでは、テクノロジーの仕事を選択する女子学生を増やすためのアイデアをチームで考えています。学生だからこそ持っている柔軟な発想力を生かした構想を練るのには苦労していますが、来年1月に行われる最終発表に向けて、チーム一丸となって諦めずに走っていきたいです。

また、就職活動終了後は、新たに相模原キャンパスの「情報メディアセンター」の学生スタッフとして働き始めました。学部生と大学院生からなる学生スタッフはパソコンやAV機器のレンタル、ラーニングコモンズ内の環境整備のほか、学生に編集ソフトの使い方を教える「ワークショップ」の企画・運営も手がけています。私は主にワークショップの仕事に関わり、どのようにすれば企画と運営が円滑に行えるかを考えながらマニュアルを作成しています。周りのスタッフからは、自分が今まで触れてこなかったソフトや機材の使い方を教えていただくことが多く、多様な役割の人々が集まるチームで仕事をする楽しさをこのアルバイトを通じて感じています。

情報メディアセンターの学生スタッフの仲間たちと(右奥が村山さん)

そしてついに、8~9月にかけては文学部英米文学科が開催するオックスフォード大学ハートフォード・カレッジでの夏期研修に参加し、念願の海外留学を実現することができました。2週間という短い期間でしたが、英国文化にたくさん触れ、それを吸収することができ、かけがえのない経験と思い出になりました。学生時代最後の願いを叶えてくれた両親には感謝の気持ちでいっぱいです。
コンサルタントという道でどのようなポジションで仕事をするのかはまだわかりませんが、世界のあらゆる社会課題を解決し、多くの人を幸せにすることが私の夢です。残りわずかな学生生活を楽しみながらも、自分らしく多くのことに挑戦して走り切り、自信を持ってグローバル・コンサルタントの道へ踏み出したいと思います。

村山さんの就職活動スケジュール

  1. <2年次> 2022年3月

    少々早めに就活スタート。業界を絞らず、1dayインターンシップにいくつか参加

  2. <3年次> 2022年7月

    外資系コンサルティングファームのサマーインターンシップ選考

  3. <3年次> 2022年8月

    選考をパスしてサマーインターンシップ参加。外資系コンサルティングファームを第一志望に定め、自己分析ブラッシュアップ、ESや面接対策見直しを進める

  4. <3年次> 2022年9~11月

    進路・就職センターのサポートを受けつつ、本選考対策(3次面接、小論文、最終面接など)を進める

  5. <3年次> 2022年12月

    オファー(内定)をいただき、就職活動終了。

地球社会共生学部

地球社会共生学部(School of Global Studies and Collaboration/GSC)では、世界の人々と共に生き、共に価値を見出し、よりよい社会を共同で創造していくための専門知と実行力を備えた人材育成を目指します。タイとマレーシアなどのアジア諸国への留学をカリキュラムの柱におき、効果的な留学のための集中的な英語教育などとともに、激動する世界を視野に「地球社会」の多様性に触れ、異文化理解を深める幅広い学びを展開。世界の人々との「共生」をキーワードに、コラボレーション領域、経済・ビジネス領域、メディア/空間情報領域、ソシオロジー領域の専門4領域を中心に、Global Issuesを共に解決し協働できる「共生マインド」を養います。
地球社会共生学科は、国境を超えた「地球社会」を教育研究対象としています。多角的な視点と異文化への共感力、語学力に裏打ちされたコミュニケーション能力をもって、さまざまなグローバル課題の解決策や持続的な社会を創造する方法を探究します。

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