「駅伝タイムズ」での
出会いと経験が
大きな糧に

掲載日 2021/3/26
No.69
文学部
比較芸術学科4年
安田 莉菜
青学TV編集室

OVERTURE

大学での学びは、キャンパスでの授業だけにとどまりません。部活動やサークル活動、ボランティアなどの課外活動で自己研鑽を積み、社会に出て羽ばたくための翼となる知見を得た学生を紹介します。
学生が主体となって番組制作を行う青学TVで、メンバー2人と「駅伝タイムズ」を立ち上げた安田莉菜さん。累計再生回数250万回以上を誇る人気のコンテンツ制作を牽引しました。

仲間と立ち上げた
「駅伝タイムズ」

青学TVは、大学広報の一環として、学生が中心となって企画から配信まで一連のコンテンツ制作を行っているインターネットテレビ局です。青学のイベントやお得な情報をお知らせする「今週の青学」をはじめ、さまざまな角度から青学の情報を発信するチャンネルを設けています。
私が青学TVに参加したいと思ったのは、大学生活で青学だからできることをするという目標があったのと、メディアの制作に興味があったからです。青学TVは2018年度まで総合文化政策学部の井口典夫教授ゼミナールの活動のひとつとして行われていたのですが、同じく青学TVに興味を持っていた同期の友人と一緒に、1年生の冬から参加しています。

技術的な知識がなかったこともあり、当初は主に「今週の青学」のリポーターを務めていました。私と同期、先輩の3人で体育会陸上競技部(長距離ブロック)応援番組「駅伝タイムズ」を立ち上げたのは2年生のときです。ディレクターを務める教授より「陸上競技を取り上げるコンテンツを作りたいから内容を考えてほしい」と依頼されたことがきっかけでした。まずは陸上競技の中で特に注目度の高い駅伝にフォーカスすることが決まり、学生が作る青学TVならではの内容にしようと企画を練りました。いろいろな路線を考えていく中で、多くの人が知りたいのは“選手の素顔”だと意見がまとまり、インタビューをメインにテレビ用のよそゆきの顔とは違う普段の姿を伝える、そして注目を集める選手だけでなくチーム全員に取材するという方針が固まっていきました。また、私自身はそれまで駅伝のことをあまり知らなかったので、テレビでスポーツ番組を見たり、関連する雑誌を買い込んだりして、必死で知識を蓄えました。

リラックスした
ムードをつくり、
素顔を引き出す

「駅伝タイムズ」の撮影は、練習の妨げにならないようできるだけ少人数で行っており、私はインタビュアーを担当することが多かったです。最初の頃は、本番の雰囲気とカメラの前に立つ緊張感からうまく言葉が出ず、撮影を何度もストップさせてしまったこともあります。それがとてもショックで、陸上競技の試合中継のインタビューを見ながら、これは使えそうだなと思うフレーズのメモを作ったりして、引き出しを増やす努力をしました。
現場で心掛けていたのは、選手が撮影を楽しめる雰囲気作りです。本番前に「この間の大会良かったですね。」など相手の選手に話しかけて会話をし、場の空気をほぐすようにしていました。また、回を重ねるごとに選手の皆さんも撮影を楽しみにしてくださるようになり、緊張している選手の周りに先輩や同期の方が集まってリラックスさせるなど、積極的に協力してくださったおかげで、他のメディアでは見られない素の部分を引き出せたと思います。

また密着をしていると、良いときばかりでなく、厳しい状況に立ち会うこともありました。特に印象に残っているのは、5連覇を期待されながら準優勝に終わった2019年の第95回箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)です。選手たちは非常に落ち込んでいたため、大会直後のインタビューはどのように接していいかわからないほどでしたが、「陸上競技部を応援する」というコンセプトを貫き、「残念だったね」ではなく「準優勝おめでとう!」とポジティブな番組作りを行ないました。その結果、YouTubeのコメント欄には「感動した」「おめでとう」といった数多くの温かいコメントが並び、選手を力づけることができました。自分たちの役割を全うできたと嬉しく思いました。

青学TVでの活動を通じ、青学TVの仲間や陸上競技部の選手たちなど、これからもずっと仲良くしていきたいと思える方々と出会えたことは財産だと感じています。「駅伝タイムズ」は選手の最も身近なメディアなので、今後も、後輩たちには陸上競技部の良さがアピールできる内容を目指してほしいです。

多ジャンルの
芸術に触れた、
比較芸術学科での学び

私にとって大学生活のもうひとつの柱だったのが、文学部比較芸術学科での学びです。私は子どもの頃から西洋美術を鑑賞するのが好きで、西洋美術を学問的視点で学びたいと思い、青学に進学しました。青学の比較芸術学科は、他大学の芸術学部のように何かひとつの分野に特化して勉強するのではなく、芸術を総合的に学べるというのが魅力だと思っています。授業ではさまざまなジャンルの公演を鑑賞したり、歌舞伎役者の方が特別講義にいらして目の前で隈取りをして見せてくださったりと、生の芸術に触れる機会が多くありました。大学に入るまでは興味がないと思っていた音楽や歌舞伎など幅広い分野を学び、互いに影響を与える関係など横のつながりについても理解が深まったことで、美術鑑賞がますます楽しくなりました。青学TVと比較芸術学科での学び、その両輪があったからこそ豊かな大学生活だったと思います。

選手から学んだ謙虚に
努力する大切さ

4月からは商社で一般職の仕事に就く予定です。大学生活を通して、自分がいろいろなことに興味があるタイプだと気づいたことから、幅広い商材を扱う商社を選びました。就職活動においては、青学TVの活動を振り返り、自分の考えていたことや制作への思いを整理して、面接で話せるように準備しました。他の人と話題が重複することがなく、どの企業でも興味を持って聞いていただけたと思います。また、「駅伝タイムズ」の経験で度胸がついていたので、緊張せずに乗り切ることができました。

陸上競技部の選手たちから学んだ、謙虚に努力し続けることの大切さを胸に刻み、社会に出ても、努力を怠らない人でありたいです。また、撮影の現場で、相手が望んでいることを良く考え、一歩先に動くという姿勢を身に付けることができました。そうした部分をさらに向上させ、成長していければと思います。

在籍している学部

文学部

青山学院大学の文学部では、「人類への奉仕をめざす自由で幅広い学問研究」を行うという大学の理念のもと、歴史ある人文学の成果を共通の知的基盤として、文学部を構成する5学科それぞれの専門性に立脚した目標を設定しています。英米文学科、フランス文学科、日本文学科、史学科、比較芸術学科は、その学問領域の特徴を基礎とし、学生一人一人が人間と文化の多様な営みを理解すること、そのための資質を形成することを教育の目的としています。

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青学TV

青学TVは、大学広報の一環として、学生が中心となって企画から配信まで一連のコンテンツ制作を行っているインターネットテレビ局です。青山キャンパスの近隣にある、「青山学院アスタジオ」にNHKのスタジオを招致するなど、本学はメディアとの連携やその活用において先端を走ってきました。近年、注目を集めるインターネットテレビではコンテンツとサイトの魅力化が鍵となっています。最先端の文化や情報の発信地である渋谷・青山エリアに立地する本学は、NHKはじめ著名アーティストらの協力でクリエイティブな番組を制作するのに最適な環境・資源を有しています。このような本学の特長を発揮し、学生・教職員・校友など関係者はもちろん、社会一般にも広く情報・知識等を公開することを目的として、2017年9月「青学TV」を開設しました。大きく5つの分野(active、creative、intellect、information、promotion)で番組を考え、青学のイベントやお得な情報をお知らせする「今週の青学」「アオ・ガク・モン」「青アンテナ」「SPORTS!」「Ao TUBE(自主投稿など)」等さまざまな角度から青学の情報を発信しています。

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