体育会サッカー部と
両立して合格を果たした
公認会計士試験

掲載日 2022/4/28
No.147
<2021年度学生表彰受賞>
経営学部 経営学科 4年
体育会サッカー部 副主将
宮崎 雅崇
東京・私立駒澤大学高等学校出身

OVERTURE

高校時代から経営学に強い関心を持つと同時に、体育会サッカー部での活躍を熱望していた宮崎さん。医師、弁護士と並び3大国家資格といわれる公認会計士の存在を本学入学後に知ってから準備を進めました。3年次に試験合格を果たして、2021年度学生表彰を受賞しました。現在は体育会サッカー部で副主将を務め、チームの要として活躍しています。

公認会計士試験合格と部活動の両立が大学生活の大きな目標

私は子供の頃からサッカーに夢中で、高校もサッカー部の強豪校を選んだほどでした。大学でもサッカーに本気で打ち込みたかったので、レベルの高い関東大学サッカーリーグに所属しながらも、スポーツ推薦枠ではない新入生も入部可能な体育会サッカー部のある青山学院大学に入学しました。経営学部を選択した理由は、長いサッカー経験の中でチームをまとめる組織運営に興味が湧き、将来は経営に携わりたいと考えていたためです。
大学入学からほどなくして、公認会計士という資格を知りました。そして資格取得を真剣に考えた結果、1年生の5月から予備校で勉強を始めることにしました。公認会計士を目指した理由は、経営に携わるうえで非常に有利な武器になることや、社会的信用の高さなどが挙げられます。

私は高校時代も強豪チームの部活と並行して勉強に取り組んで、青学に合格しました。この体験から、サッカー以外の分野でも自分の可能性に挑戦したいと思い、公認会計士の資格取得を大学生活の大きな目標のひとつに設定しました。また部活動と資格試験の勉強の両立を目指した根底には、「なんとなく4年間を過ごすのはもったいない」という気持ちもありました。

主体的な行動と明確な目的意識でモチベーションを維持

公認会計士試験の合格には、およそ3,000時間の学習が必要だと言われています。私は予備校入学から2年後の3年次での合格を目指し、1日に約6時間を試験勉強に費やしました。サッカー部の練習は週に6日、相模原キャンパス近くのグラウンドで行われます。自宅からは遠いので4時半に起床しました。練習は午前中に2時間行い、その後青山キャンパスへ向かい、午後の授業を受ける日々の繰り返しでした。他の会計士を目指す受験生と比べ圧倒的に時間が足りないため、効率的な時間管理を行おうと考え、電車での移動中も勉強にあてて有効に活用しました。時にはくじけそうにもなりましたが、勉強時間を可視化する学習アプリを活用したり、初心を思い返したりすることで、モチベーションの向上に努めました。

体育会サッカー部の公式戦

私は常に明確な目的意識を持つことと、主体的な行動を心がけてきました。サッカーでも勉強でも、日々の小さな努力に対して疑問を抱いた時には、「今していることは、大きな目的達成のために絶対に必要」だと再確認するようにしていました。
公認会計士試験は短答式試験が年に2回行われ、いずれかに合格すれば論文式試験に進むことができ、合計5科目にパスすると合格となります。2020年の第Ⅱ回短答式試験はコロナ禍の影響を受け、本来なら5月に開催されるはずのものが3ヶ月ほど延期されることになりました。試験の時期が遅れたことを受け、弱点を徹底的に補いながら8月の試験に挑み、無事合格することができました。
続く論文式試験では5科目中2科目が科目合格となり、翌年、残る3科目も合格となりました。この結果、当初の目標通り3年次での公認会計士試験の合格がかない、大学から2021年度学生表彰をいただくことができました。
私は実家暮らしなので、日常生活や金銭などの面でサポートを受けながら部活と試験勉強に集中できました。一人暮らしだったらここまで順調に運ばなかったはずなので、両親にはたいへん感謝しています。公認会計士のほとんどが監査法人に勤めますが、私は財務アドバイザリー業務に就こうと考え、来年からはM&Aなどを手がける株式会社KPMG FASで働く予定です。

学生時代最後の1年も悔いなく積極的に

3年次から高橋邦丸先生のゼミナール(ゼミ)に所属しました。ゼミでは企業の協力を得て、商品開発や企業行動について実践的な学びを体験しました。私たちの代では、自分たちで協力していただける会社探しから始め、ベンチャー系の化粧品企業の商品開発やポップアップ作成などに携わることでさまざまな経験をすることができました。さらにゼミのOGの方が起業することとなり、そのためのアイデアづくりから商品展開まで関わることができました。
佐藤靖先生の「財務分析論Ⅰ」は多くの実例を扱う授業で、経営の実態について詳しく知ることができました。将来にもつながる、大変興味深い内容でした。また、サッカー部の部長でもある宮崎純一先生の「スポーツマネジメントⅠ」では、監督や運営側の視点を学べたことが、とても有意義でした。私はサッカーチームの経営に携わることをひとつの夢として抱いているのですが、宮崎先生から学んだことを将来生かしたいと思っています。

私は今年の1月に「青山アカウンティングコミュニティ(AAC)」という団体を立ち上げました。AACでは公認会計士の資格そのものを知らない人や、知っていても踏み出せない人、公認会計士を目指す人や簿記検定を受験する人のサポートを目的として、さまざまな企画を実行しています。
サッカー部は2020年に、関東リーグ2部から東京都1部リーグに降格してしまいました。しかし、翌年2021年には東京都リーグから関東リーグの2部に返り咲くことができました。副主将である私はこの勢いに乗り、関東リーグの1部昇格をチームの目標として掲げて努力していくつもりです。
私のポジションはゴールキーパーですが、チーム内にはプロを目指すほどの実力を備えたキーパーがいます。残る学生生活では、試合に出て活躍することを目標として、悔いのないよう過ごそうと思います。
体育会の部活動と公認会計士試験の勉強の両立は、かなり特殊な例だとよく言われますが、真剣に取り組めば不可能ではないと考えています。大学時代はさまざまなことにチャレンジできる貴重な期間です。在校生の皆さんや、高校生の皆さんにも、ぜひ熱中できる何かを見つけていただきたいです。

経営学部 経営学科

青山学院大学の経営学部は、経営学科・マーケティング学科の2学科が連携し、会計、商学、ファイナンス、データサイエンスといった経営に関わる諸テーマを広範かつ体系的に学ぶことが可能です。国際化とデジタル化の進展に対応すべく、語学力やデータ分析力の習得にも注力し、国際的な視野で時代を切り拓くマネジメントスキルを育成します。
経営学科では、将来の企業リーダーとなるべく、実践的な経営(マネジメント)と会計(アカウンティング)について学びます。1・2年次では履修選択の幅をあえて狭め、経営学の基礎を徹底して修得します。3・4年次ではデータサイエンス教育やゼミを通して、戦略的・組織論的・財務的な視点を身に付け、経営課題に対してさまざまな観点からアプローチできる人材を育成します。

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