繁桝准教授からの
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繁桝 江里
心理学科は、世の中の役に立つ具体的な知恵や実践的技術を学ぶことを重視しています。コミュニケーションをテーマにしている繁桝ゼミだからこそ、ゼミ生同士のディスカッションによる相乗効果が発揮されます。他の学生の研究にも興味を持ち、視野を広げています。
Q.ゼミナール(ゼミ)での研究の様子を教えてください。
基本的にはコミュニケーションに関するテーマであれば、全て研究対象とする方針です。具体的には、「絵文字・スタンプ」など特定のコミュニケーションの効果に焦点を当てたり、「友人関係と恋愛関係」や「対面とSNS」といった状況の比較をしたり、ゼミ生が興味を持った問いについて調査・実験をしていきます。
調査では、例えば友人関係における相手の行動、その関係に対する本人の評価、個人特性などをアンケートで聞き、関連を分析します。実験では、例えば「LINEでスタンプを用いる場合と用いない場合」のように、別の刺激を与えてそれぞれの人の反応を見ます。
テーマの幅が広いので、テーマが似ているゼミ生4〜5人でチームを組んでもらっています。常にお互いの研究の進捗状況を発表して意見を交わすので、教室は活発なコミュニケーションの場となってにぎやかです。時には、チーム外の人にも意見や疑問をぶつけてもらうなど、新たな気付きを促すようにしています。
Q.指導において心がけているのはどんなことですか?
まず私の役割は、ゼミ全体のスケジュール管理です。心理学の実証研究のために必要なプロセスを、1年間のスケジュールに組み込み、仮説の決定、研究方法や統計分析を指導します。また、個別の相談で、個々の研究に関する専門知識のサポートも行います。
その中で、ゼミ生たちが最初に持った興味・関心を追求して「やりたい研究」を楽しめるようにしているつもりです。はじめは研究の方法や統計の読み取り方も分からない状態のため、かなり苦労するようですが、だからこそ成長もできます。その苦労を少しでも軽減できるよう、ジャンケンのようなゲーム性も取り入れながらチームで活動することで、どのようなことも楽しめる雰囲気づくりを意識しています。
Q.研究を通してゼミ生たちに身に付けてほしいことは何ですか?
社会心理学の研究では、たとえば「自分のことを話すと仲良くなる」という結果を導き出しても、一般的な感覚として「それは当たり前でしょ」と思われてしまうことがあります。逆に、一般的な感覚を避けようとして複雑すぎる仮説や分析にすると、「結局よく分からない」と思われてしまう。このような「当たり前の結果」と「解釈不能な結果」の間に、うまく「面白い結果」を落とし込めるようになってもらいたいです。
また、一連の研究プロセスを通じて、論理的で複眼的な思考能力を身に付けるだけでなく、チームでの活動や研究内容の発表を通して、自分一人だけでは得られない「まわりのゼミ生との相乗効果」を実感してほしいです。こうしたコミュニケーションについての学びは、社会に出てからも大いに役立ちます。
学生の
Message
東京都立駒場高等学校出身(2019年度ゼミ代表)
私たちが暮らす社会の中で、「人がなぜそのような行動を取るのか、どうすればそのように行動するようになるのか」などに興味を持ち、社会心理学を学びたいと考えて繁桝ゼミを選びました。ゼミでは、身近な社会の中で感じる疑問を心理学的観点から分析し、定義付けをして理解することができる面白さがあります。
私の研究テーマは『チャットコミュニケーションにおけるスタンプ・絵文字が感情に与える影響』でした。仮説を立ててそれを検証していくのは大変でしたが、「批判、謝罪、感謝のどれを伝えるかで効果が変わる」「批判の場合は絵文字には効果があるがスタンプだと効果がない」という結果が分かっていくにつれて、興味も深まりました。
他のゼミ生たちのテーマも多様で、発表を聞いて議論したり、刺激も多いです。研究を進める上でゼミ内でのコミュニケーションが必須なので、自然と仲良くなり和気あいあいとしています。研究への真剣な取り組みと、楽しいゼミ生活が両立できるゼミです。
※登場する人物の在籍年次や役職、活動内容等は取材時(2020年11月)のものです。
教育人間科学部
人の成長や発達、形成を支える“教育”の面から人間を理解しようとする教育学。心と、その反映である行動のメカニズムを“心理”の面から探究し、人間理解にいたろうとする心理学。青山学院大学の教育人間科学部は、ともに“人間”に深く関わり、理論的、実践的に学び深める隣接2分野を総合的に学べる新しい学部です。
バックナンバー
電気電子工学科での学びと出会いで広がった視野、身に付いた積極性
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夢は日本のビジネスを支える弁護士。正確な知識と「説明できる力」で、司法試験に挑む
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将来を模索していた私が
経営学科で見定めた
公認会計士という目標
経営学部 経営学科 4年
研究を通して積み重ねた
挑戦と成功体験が大きな自信に
理工学研究科 理工学専攻 知能情報コース
博士前期課程2年
オリジナルの分子を使って
新たな核酸の検出手法を開発
理工学研究科 理工学専攻 生命科学コース
博士後期課程2年
*掲載されている人物の在籍年次や役職、活動内容等は、特記事項があるものを除き、原則取材時のものです。