分野を横断する学びで大きく成長。自ら動き可能性を広げて手にした未来

OVERTURE
文理両方の分野に興味があり、社会情報学部がぴったりだと感じて入学した秋葉於里音さん。学部で培ったプログラミング技術やコミュニケーション能力を生かして、来春から株式会社リコーで活躍します。これまでの学びや、思わぬ壁にぶつかったという就職活動について、お話しいただきました。
文理の枠にとらわれない学びと、親しみやすく丁寧な指導が魅力
オープンキャンパスで訪れた際、まず緑に囲まれた相模原キャンパスの素晴らしさに感動しました。実際に学びの楽しさや親しみやすい先生方の指導を体験し、ここで学びたいと思いました。高校では理系を選択しましたが、心理学など文系分野にも興味を持っていたので、文理の枠にとらわれず幅広い分野に触れることができ、さらにグループワークを多く取り入れている社会情報学部の学びは、まさに私が求めていた学部でした。
1年次は、心理学などの「人間」領域、経済学などの「社会」領域、データ分析やプログラミングなどの「情報」領域の基礎をしっかりと学び、多くの知識を身に付けます。初めて学ぶ分野で分からないこともあり大変な時もありましたが、オープンキャンパスで感じたとおり、先生方との距離が近くて相談しやすい雰囲気のおかげで、無理なく成長できました。
「コンピューティング実習」では1人1つウェブサイトを作成する課題がありました。最初は自分にできるのか不安でしたが、先生方の丁寧なご指導のおかげで成果を出し、自信がつきました。この経験は、2年次以降にプログラミング技術を磨き、技術職としての就職に向けた基礎となりました。また、情報技能の習得の一環として、「青山スタンダード」科目の「情報スキルⅠ」修得に向けて、ネチケット・モラルとコンピュータの基本的な技能を学ぶ「IT講習会」が役立ちました。現在は講習会の受講生の質問対応や試験監督を行うIT-Aとして活動しています。
緑豊かなキャンパスで友人と(左が秋葉さん)
複数の領域にまたがる幅広い学び。グループワークでの成長も
2年次からは、自分の興味に従って選択できる授業が増えます。幅広い分野を学ぶことも、専門性を深めることも可能で、学生自身が学びのスタイルを決められるのは社会情報学部の大きな魅力だと思います。
2年次に履修した「プロジェクト演習入門Ⅰ・Ⅱ」は、行政や企業からの依頼に対し、学生ならではの視点で課題解決提案を行う授業です。グループに分かれて分析やディスカッションを行い、最後の授業で課題解決案を発表しました。私はグループワークで「社長」としてリーダーを務め、多彩な強みを持つ仲間と一緒に、それぞれの得意分野を生かしながらアイデアを出し合いました。この授業をきっかけに、ゼミナールに所属して特定の分野の専門性を究めるよりも、3年次で受講するプロジェクト演習という授業を通して社会情報学部ならではの幅広い学びを進めていこうと決めました。
3年次にはさらに進んで、1年間を通して社会課題に本格的なアプローチをする「プロジェクト演習Ⅰ・Ⅱ」を受講し、駅ビルを運営する企業へのビジネス提案に取り組みました。プロジェクト演習入門の経験やコミュニケーション能力を生かして、サブリーダーとして企業の方との連絡役やディスカッションで出たアイデアのまとめ役を担いました。提案では、学生へのアンケート調査や論文、各種分析結果など、客観的なデータを活用することを心がけ、その分析結果が評価され、授業内で応募した神奈川産学チャレンジプログラムで優秀賞を受賞することができました。
「ワークショップデザイン」は、演劇やダンスなど、さまざまなワークショップを体験し、他者との関わりの中で多面的自己を見つけるという内容でした。ワークショップの内容はもちろんですが、これまで知らなかった自分自身の資質に気付くことができ、とても楽しかったです。授業後に書く各回での新たな気づきを振り返るリフレクションシートでは、言葉が次々と浮かんできました。また、フィードバックでは「笑顔が強みだね」と言われたことや自分では思ってもみなかった「リアクション能力が優れている」と言われたことが、特に印象に残っています。
学部での学びを、課外活動にも積極的に生かす
在学中の課外活動として思い出深いのが、2023年の7月から1年間活動した神奈川県平塚市の「湘南ひらつか織り姫」です。面接等で選ばれた3名で「湘南ひらつか七夕まつり」をはじめとする観光行事や公的行事に出席し平塚市をPRしました。応募のきっかけは、幼い頃から平塚に住んでいる祖父母と七夕まつりを訪れることが毎年の楽しみで、その時に感じたワクワク感や感動を自分の紡いだ言葉で多くの方に発信したいと思ったからです。
活動を通じて平塚市の魅力や七夕まつり、そして自分たちの活動をもっと広く伝えたいと思いSNSでの情報発信に力を入れました。行政による情報発信のため、他2人の「織り姫」とも相談しながら、市の職員の方々に情報発信の活動をすぐに共有できるような方法を提案しました。興味を持つコンテンツのつくり方、情報発信の方法などは、大学で得た知見を生かしたものです。
「湘南ひらつか織り姫」としてPRした「湘南ひらつか七夕まつり」にて(左が秋葉さん)
さらに、アルバイト先のカフェでは、接客だけでなく黒板におすすめのメニューなどを描くオファリングボードの製作も担当しています。「情報デザイン」の授業で学んだ人の目を引くレイアウトや色使いのテクニックを活用し、効果的で魅力的なボードをつくるように努力しました。
インターンシップから、目標とする企業と仕事を見つけて
来年春からは、株式会社リコーに就職します。コロナ禍を経験し、場所や環境にとらわれない学習や就業の支援ができるデジタルサービス分野に関心を持っていました。リコーは近年「OAメーカーからデジタルサービス企業への変革」を標榜していて興味が湧き、3年次の夏に5日間のインターンシップに参加しました。内容は、コミュニケーションを支援するAIデバイスを使用したWebアプリケーションの開発を要件定義から行ってプログラミングするという高度な技術が必要なものでしたが、担当の方が私の実力に合わせてサポートしてくださり、仕事や将来への不安な気持ちにも寄り添ってくださる温かい雰囲気にとても心惹かれ、第一志望の企業となりました。特に、製品の品質や安全性、コンプライアンス上の保証等を行う「品質マネジメント」の仕事に魅力を感じ、ぜひ挑戦したいと思いました。私のコミュニケーション能力やデータ分析力を生かすことができるのではないかと思い、希望の部署を選べるジョブマッチコースの制度で応募することを決心しましたが、ここから思わぬ壁に当たります。
ジョブマッチコースの応募には、企業からの求人票が必要でしたが、社会情報学部にはリコーからの求人票が届いていませんでした。そこで、関係各所と相談し、リクルーターの方が採用担当の方と連絡を取ってくださったり、進路・就職センターの方が個別に対応くださったり、多くの方々のご尽力のおかげで学部に求人票が届けられ、学校から推薦状を出していただく手筈も整えられました。一時は諦めかけていたので本当に嬉しく、ご協力くださった方には感謝の気持ちでいっぱいです。精神的に落ち込んでいた時には、家族の励ましで前向きになれました。家族にも感謝しています。
相模原キャンパスの正門前で妹と記念写真(右が秋葉さん)
進路・就職センターのアドバイスとサポートを支えに
早い段階でリコーを第一志望に決めていましたが、本選考のエントリーシート(ES)を書くのは初めてで、何をどう書けばよいのかわからない状態でした。そこで基礎から学ぶ必要があると感じ、進路・就職センターの個別面談を利用することにしました。
ESの添削では、相談員の方が内容について質問してくださり、自分の中で何を伝えたいのか明確にすることができました。面接対策でも、オンラインでの目線の位置、ESの内容を深掘りして尋ねられた時の対応など、基本から実践に至るまできめ細かくご指導くださり自分なりのアピール方法を磨いていきました。心配性の私は、できることは全てやって臨みたいと考えていたので、面接前日まで毎日予約を入れて指導をお願いし、多くの相談員の方から役立つアドバイスをたくさんいただいたおかげで、本番では緊張せず自分らしく笑顔で話すことができ、内定をいただくことができました。
就職活動を通じて実感したのは、自分から動くことで新たな可能性が広がるということです。これから就職活動を進める方々の中には、もしかするとその過程で思い通りに行かないことがあるかもしれません。しかしそういう時こそ、決して諦めず、自ら動いて状況を変えていくことを大切にしていただきたいです。
社会情報学部に進学し、自分の興味に合わせて学び、自分自身で選択肢を広げられたことは本当に良かったと感じています。さまざまな強みを持った仲間とグループワークで協力できたことは人間的成長にもつながり、周囲の仲間がそれぞれの目標や夢を持っていることは、私にとって常に良い刺激となりました。この素晴らしい場所で培った力を、今後多様な分野の方と関わる部署での仕事にも存分に生かして貢献していきたいと思います。
初詣で登った大山にて。姉と(左が秋葉さん)
秋葉さんの就職活動スケジュール
-
<3年次> 2023年 4月
進路・就職センター「第1回進路・就職ガイダンス」参加
-
<3年次> 2023年 7月
適性検査や動画提出でのインターンシップ選考
-
<3年次> 2023年 9月
株式会社リコーの5日間の対面インターンシップに参加
-
<3年次> 2023年 11月
大学主催の企業個別説明会参加
-
<3年次> 2023年 12月
リクルーターや進路・就職センターのサポートを受けながらエントリーシート作成
-
<3年次> 2024年 1月
SPIテストセンター受験
-
<3年次> 2024年 2月
進路・就職センターにて面接練習を十分に行い、ジョブマッチが成立
-
<3年次> 2024年 3月
学校推薦担当の教授との面接
-
<4年次> 2024年 6月
学校推薦状を発行していただき、企業との最終面談後、内々定をいただく
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2024年度)のものです。
社会情報学部
現実の社会には文系・理系の境界はなく、高度情報化社会と呼ばれる現代では、文系・理系の双方に精通していることがアドバンテージとなります。さまざまな社会的課題を解決するため社会情報学部においても“文理融合”の学びを追究しています。文系の「社会科学」「人間科学」と、理系の「情報科学」の各専門領域をつなぎ、各分野の“知”を“融合知”に高めるカリキュラムを整備。新たな価値を創造し、社会へ飛び立てる力を育みます。
文理の垣根をなくした「文理融合」をコンセプトに、社会・情報・人間の複数分野にまたがる学際的な学びを展開。学問領域をつなぐことで生まれる新たな価値観で、一人一人の可能性を広げ、実社会における複雑な問題の解決に貢献できる人材を育てます。
