国際政治経済学部 国際コミュニケーション学科
多文化社会の諸相

抱井教授からの
Message

国際政治経済学部 国際コミュニケーション学科教授
抱井 尚子

本ゼミナール(ゼミ)では「多文化社会の諸相」というテーマのもと、人の心と行為を文化的・制度的・歴史的文脈と個人の心理プロセスの相互作用から捉える社会文化的アプローチを手がかりに、多文化に暮らす人々の経験を探っていきます。研究を通して、国籍や民族などの差異による多様性を、「マイナス」ではなく「プラス」の力に転じる社会づくりに寄与する知識構築を目指します。また、一般社団法人社会調査協会が認定を行う「社会調査士」資格の取得を目指すゼミでもあるので、学生は社会科学の研究方法も並行して学びます。最近新たに導入した海外のデータベースを利用して、英語でも研究法に触れてもらっています。学生たちは3年次の前期に学際的な分野から多文化共生に関わる文献を講読し、さまざまな思考の枠組みや理論を学んでいきます。

後期は学生自身が取り組むべき課題を決めデータ収集を行い、4年次では収集したデータを分析し、結果を卒業論文にまとめていきます。英語力の高い学生も多く、これまでの研究テーマには英字新聞を研究対象として分析した「シャルリー・エブド襲撃事件の報道から考える表現の自由の在り方」という論文もありました。そのほか「LGBTのカミングアウトとその受容」、「国際結婚夫婦の『理想の国際児像』と国際児自身が抱く『自分像』の考察」など、研究テーマも多彩です。

本ゼミならではの特色は3つあります。まず教員と学生、4年生と3年生の関係がフラットであること。これは、階層関係が存在する中では活発な議論はできないと考えるからです。また、良い議論を行うには脳にエネルギーを補給する必要があるため、ゼミの間は甘いものを適度に口にすることを許可しています。そして3つ目は、数量的データを用いる量的研究と、記述データを用いる質的研究を併用する混合研究法です。私自身、アメリカ留学中にこの研究方法に初めて出会い、以来調査経験や論文査読経験を積んできました。そして、ここ数年この研究方法を学生たちにも紹介しています。
ゼミの卒業生たちはJICAの職員や映画翻訳会社の翻訳者、新聞社の記者、外資系ホテルの海外営業シニアマネジャー、企業内リサーチャーなど、多様に活躍しています。

学生たちには物事を多面的な視座から捉える習慣を身に付け、常識とされていることを疑う、批判的な思考を持ってもらいたいと思います。また、どんなに素晴らしいアイデアがあっても相手に届かなければ意味がありません。「何を言うか」と同じくらい、またはそれ以上に「どのように言うか」を心がけてほしいと考えています。

ゼミ学生からの
Message

国際政治経済学部 国際コミュニケーション学科4年
神奈川県立 横浜緑ケ丘高等学校出身
抱井ゼミ学生大勝 杏奈さん

社会調査士の資格取得を目指すゼミで専門的な学びがしたいと思い、抱井ゼミを選びました。抱井先生は明るい方で、「その質問いいね」などと褒めていただけたときなどはすごく嬉しいです。ゼミはオンとオフがはっきりしています。討論するときは先輩、後輩、そして先生にも自由に意見を言いますが、それ以外はみんなとても仲が良く、和気あいあいとした雰囲気です。親しいからこそ熱い議論を交わし、気が付けば休憩なしで3時間経っていたということも珍しくありません。私の研究内容はメディアコミュニケーションで、視覚障害者におけるラジオの意味付けについてです。

ゼミでいろいろな人の意見を聞くことは、多角的な視点で物事を捉える勉強にもなり、新聞や本の読み方も変わりました。最大の収穫は、論理的思考や物事を批判的に見る思考を身に付けられたことで、現在の研究でもそれらの思考力が役立っています。卒業後、社会に出て何か問題に直面しても、ミクロな視点ではなく俯瞰で見て、原因が特定されていても「本当にそうなのか」という思考性を大事にしたいです。物事にコツコツと、また苦手なことにも取り組める人なら、ゼミの一員としてきっと活躍できるでしょう。とてもおすすめできるゼミです。

※この記事は、大学広報誌AGU NEWS No.89(2018年5月31日発行)に掲載されています。
※登場する人物の在籍年次や役職、活動内容等は取材時のものです。

国際政治経済学部

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青山学院大学国際政治経済学部は、国際政治学科・国際経済学科・国際コミュニケーション学科の学問領域を超えて学べる独自の学際教育「3学科×5コース体制(3学科と、各学科から派生した5コース(政治外交・安全保障、グローバル・ガバナンス、国際経済政策、国際ビジネス、国際コミュニケーション))」のもと、世界の現実に対する理解を深め、課題解決へと導く実践的な学びを展開しています。

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