化粧品とマーケティングの力で、世界中の人々に「自分らしい輝き」を届けたい
OVERTURE
経営学部マーケティング学科で、マーケティングおよびサプライチェーン・マネジメントについて学ぶ後藤陽花さん。その原点には、幼い頃からの「モノづくり」経験、さらに使う人の心まで明るくしてくれる「化粧品」へのときめきがありました。高校時代からの夢をかなえ、卒業後は化粧品メーカーへと進む後藤さんは、より多くの人に「自分らしい輝き」を届けたいと語ります。
「化粧品の力」やコロナ禍における「流通」への興味から
マーケティング学科へ
以前の私は、内気な性格から周りを気にして自分を十分に表現できないことがありました。ところが、化粧品を手にすると胸がときめき、メイクすることで自分自身の心まで明るくなるのを感じました。また思春期の肌荒れで気持ちが落ち込んだときも、化粧品の力によって前向きに行動できるようになった経験があります。それからは自信が生まれ、新しいことに挑戦する勇気や多くの人と交流する機会も増えました。私にとって化粧品とは、自分らしく生きるきっかけを与えてくれたものです。こうして高校3年生の時には、「将来的には化粧品業界で働きたい」と強く願うようになっていました。
また、幼い頃からアクセサリーを作ったり、家族と工芸体験をしたりとモノづくりに親しんできました。手作りのお菓子を家族がとても喜んでくれた時のうれしさは今でも鮮明に覚えています。こうした喜びが原体験となり、さまざまなモノや化粧品を通じて多くの方々にも素敵な体験を届けたいと思うようになりました。
そこから、世の中の商品やサービスなどがどのようにして生まれたのか、なぜこの商品は人気なのか、と考えるようになり、人や物の流れにも関心を持ちました。
さらに、新型コロナの感染拡大によってマスクや消毒用のアルコールなどが手に入りにくくなったことをきっかけに「流通」への興味が深まり、「マーケティング」と「サプライチェーン*」という分野にたどり着きました。
*原料の調達から販売、消費に至るまでの連鎖
本学を志望したのは、全国でも貴重なマーケティング学科があったためです。マーケティングを学ぶ上で、流行の最先端である渋谷にキャンパスがある点も魅力でした。高校生の頃にオープンキャンパスに参加したところ、在学生の方が表情を輝かせて「青学での勉強は本当に楽しい」と語る姿にも憧れを感じ、「絶対にこの大学に入りたい!」という気持ちで受験に挑みました。
産学連携プロジェクトも充実。青学ならではの実践的な学び
1年次では、まずアカデミックな基礎知識を身に付けるのですが、同時に実践的な授業を受けられることに驚きました。「マーケティング・ベーシックスA」の授業では、アディダス ジャパン株式会社との産学連携を通して、実際に企業側から掲示された「スポーツを活用したエコプロジェクトの認知拡大」というテーマに沿って、学生たちによって企画立案からプレゼンテーションまで行いました。2年次では応用に進み、「マーケティング・ワークショップE」では、日本コカ・コーラ株式会社から提示された「ブランドの認知拡大」という課題に取り組みました。授業はグループワークで行われ、私たちのグループでは「VRを活用したファンイベント」を提案しました。授業では、現役のマーケターの方からのアドバイスを通じ、「発想のユニークさと実現可能性をどう兼ね備えるか」といったビジネスレベルでの学びが得られ、プロジェクトの進捗管理も自分たちで行ったことで積極性が養われました。
3年次からは竹田賢先生のゼミナール(ゼミ)に所属し、「サプライチェーン・マネジメントとマーケティング戦略」をテーマに理論と実践の両面から研究しています。ゼミの活動では、これまでの集大成として、ついに自分たちの企画を実現することができました。この取り組みも産学連携プロジェクトとして進められたもので、テーマは「Z世代における適正飲酒のマーケティング施策と、実店舗の集客」でした。プロジェクトは3~4人のグループワークで行われ、各グループの企画案から最終的に選ばれた案を実施します。私たちのグループでは、20代前半の女性をターゲットとし、紅茶を用いたビールカクテルが主軸のマーケティング施策を提案しました。最終的にこの案が採用され、渋谷にある実店舗で2日間のイベントに参加しました。私は店内装飾班として、お酒になじみが薄い層でもゆったりと過ごせるような「夜カフェ」をイメージしたお店作りに取り組みました。
この取り組みに関して、ゼミの代表として、渋谷区共催の「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA」というイベントにて発表し、学外の方々からも「企画の面白さだけでなく論理的な裏付けがある」と高く評価していただきました。
こうした経験は、竹田ゼミだからこそ得られたものと確信しています。課題に対して、企業側から直接フィードバックをいただける機会が多く、実践的な視点が得られました。これらは普段の生活とも直結する機会が多く、自らの感性を研究に生かせる点がマーケティングの大きな魅力だと思います。現在はプロジェクトから得られた学びを基に、グループによる卒業論文の執筆を進めています。
短期留学や学外での交流からも大きな成長を得られた
そのほかにも、2年次に「海外語学・文化研修」制度を活用し、アメリカのカリフォルニア大学デービス校で1カ月間学んだことが印象に残っています。現地では生きた英語や文化を肌で感じられた他、自身の考えをオープンに表現する人々との出会いがありました。それ以降、「もっと自分の考えを自分の言葉で話し、相手に伝えていこう」と意識するようになり、こうした姿勢は後の就職活動でも大きな力を発揮しました。
また、大学時代はさまざまな人々と積極的に関わることを心掛けていました。化粧品販売と塾講師のアルバイトもその一つです。将来的に化粧品メーカーに就職したいと考えていたので、お客さまのリアルな声を聞くために化粧品販売のアルバイトをしていました。店頭での接客を通じて幅広いコミュニケーションを図る一方、塾講師のアルバイトでは生徒一人一人と深く向き合う経験を重ねました。こうしてさまざまな人と関わることで、自分自身に関する理解も深まりました。
高校時代からの思いを貫き、化粧品メーカーからの内定を得る
就職活動は3年次の6月から開始しました。まず初めに、就職活動で自分自身が重視する軸を固めました。第一に自身が魅力を感じる商材があること、第二に身近な生活に寄り添う仕事であること、第三に社員同士が応援し合える環境が整っていること、の3点です。活動の当初は、視野を広げるためにいくつかの業種にも目を向けてみましたが、「生活に寄り添いながら、人の内面も明るくできるような商材は何だろう」と考えたとき、一番に化粧品が思い浮かび、自分が最も働きたいのはやはり化粧品業界であると確信しました。
私自身、「化粧品とは『自分らしさ』を応援してくれるもの」という考えを持っていたため、内定先である化粧品メーカーの「年齢や性別で区切りを設けない、全ての人それぞれの美しさ」を尊重する考え方に深い共感を覚えました。さらに、「社員同士が支え合う企業風土」を強く感じたことから、第一志望として、ぜひこの企業で働きたいと思うようになりました。面接では、学業面に加えて人柄を問うような質問が多く、パーソナルな部分を見ていただいたように思います。学業については「マーケティングに関する専門知識以外にも、全体を俯瞰する力が身に付いた」といった内容を伝えていました。さまざまな質問に対して自分の考えを率直に述べ、それを評価していただけたように思います。
全ての人々の「自分らしさ」を応援したい
私にとって、大学での経験は全てが楽しくワクワクするものでした。「好きなこと」に真剣に向き合い、目的意識を持って行動することで、多くの挑戦を重ねてきたからだと思います。就職活動でもその姿勢を大切にし、「化粧品メーカーで働く」という高校生の頃からの夢をかなえることができました。
また、ゼミの存在も大きな支えとなり、竹田先生が化粧品メーカーに就職したゼミOGの方に声を掛けてくださったおかげで、仕事内容について詳しくお話を伺ったり、グループディスカッションの練習などをしたりすることもできました。ゼミの仲間とは将来の夢についてオープンに語り合ってきたので、苦しいときも支え合って乗り切ることができました。入社後は、マーケティングやサプライチェーンの知識を生かし、世界中の方々へ一人一人が望む「きれい」を確実に届ける手助けをしていきたいと思います。
※科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2024年度)のものです。
後藤さんの就職活動スケジュール
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<3年次> 2023年 6月~
就職活動開始
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<3年次> 2023年 7~9月
メーカーを中心に夏インターンシップに参加
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<3年次> 2023年 11月
化粧品メーカーのインターンシップ参加をきっかけに、志望業界を化粧品メーカーに絞る
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<3年次> 2024年 1月
OB・OG訪問、冬インターンシップ参加、本選考開始
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<3年次> 2024年 3月
化粧品メーカーから初内々定
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<3年次> 2024年 4月
第一志望である化粧品メーカーから内々定をいただき、就職活動終了
経営学部 マーケティング学科
経営学部は「マネジメント」(経営管理)を中心に学ぶ学部です。青山学院大学の経営学部では、優れた研究者が教員として揃う質の高い教育環境のもと、企業や組織、ひいては個人をマネジメントするために必要な経営学の知識を、体系的に身に付けられるカリキュラムを用意しています。デジタル化時代に応えるべくデータ分析にも力を入れており、その学びを通して論理的思考力を養います。
時流に流されない基礎理論をしっかり学び、その上で人々が幸福に生活できる在り方を追求する、これが「青山マーケティング」の理念です。マーケティング学科では、いつまでも色あせない理論と、それを生かすための知識やデータ分析などのスキルを体系的に身に付けます。そして、それらを実習系の授業で実践し、あらゆる社会で生かせる力を養っていきます。