大学の先生や卒業生からも手厚い指導を受け
ずっと夢だった
小学校教諭に
教育学科4年
OVERTURE
本学の進路・就職支援は、1・2年次の早期から3・4年次の就職活動本格時期まで、一貫したサポートを行っています。働くことの意義を理解し、自分に合ったキャリア形成に向け、具体的な準備や行動ができるようサポートしていきます。4年間でステップアップし、教諭として埼玉県の小学校に内定した学生をご紹介します。
母への憧れを実現すべく
教育人間科学部へ
小学校で教諭を務める母の姿を幼い頃から見てきた影響で、私にとって「先生」はとても身近な存在であり、たいへん魅力的な職業でした。家で授業の準備をしたり、学校の話をしたりする母と過ごしているうちに幼稚園や小学校の先生に自然と興味を持ち、中学生の時には自分の進路として意識するようにもなりました。帰宅してから家庭科の課題を熱心に何度も試作し直し、また離任式で教え子たちが歌のプレゼントをしてくれたことなどをうれしそうに語る母は、常に子どものことを一番に考えている、私にとって理想の先生です。
大学受験に際しては、「母のような先生になりたい!」という思いを胸に、小学校の教員免許が取れることを必須条件として学校を調べ、青山学院大学への進学を決めました。小学校の教員免許取得のほかに大好きな英語をさらに学びたい気持ちも強く、教育人間科学部教育学科なら中学・高校の英語の教員免許も取得が可能だったことも大きな理由です。
多様な活動で身に付けた
“子どもから学ぶ”姿勢
大学入学後は授業の傍ら、1年生の時から塾講師のアルバイトや「青山子ども会」という児童福祉のボランティアを行う部活動を始めて、子どもと接する機会をなるべく多く持つよう努めてきました。「青山子ども会」では小学校や児童館へ1ヶ月に1回ほど出向き、部員たちが企画した内容で子どもたちとゲームや工作などを行っています。実際に子どもたちと触れ合うなかで、大人では思いつかないような発想で物を作ったり、自分の予想とは異なる反応を示したりする姿を目の当たりにして、児童の持つ可能性や創造性を引き出し、伸ばしていく小学校の教員という仕事に対する熱意もさらに増しました。
大学4年次の教育実習では、大学の授業で積極的に取り組んできた指導案作りや模擬授業などの経験が生かせたと思います。私は小学4年生を受け持ったのですが、最初のうちはなかなか自分の指導が受け入れてもらえず苦労もありました。それでもこちらから声かけをしたり、一緒に遊んだりしていくうちに、子どもたちも心を開いて私の指導に耳を傾けてくれるようになりました。この体験から、教員と児童が互いに理解を深めることの大切さや、信頼関係の構築がより良い指導と学級運営につながることを実感しました。教員になってからも“子どもたちから学ぶ”姿勢を大切にしていきたいです。
実践的指導が豊富だった
教員採用試験対策
大学の説明会で模擬試験の存在を知り、教員採用試験の準備として大学3年次の1月から、予備校が実施している模擬試験を受け始めました。一次試験の一般教養、教職教養、小学校全科のマークシートと、二次試験の小論文をそれぞれ4回ずつ受験しています。科目の対策は早くから積み重ねてきましたが、模試を受けることで理解の足りていない部分が明確になり、見つけ出した弱点を徹底的に学び直すことができました。小論文は学部の先生に添削していただき、完璧なものが仕上がるまで何度も書き直しをしました。一方、模試では時間内で仕上げることに重点を置き、本番の感覚をつかむ練習のつもりで臨みました。
二次試験で行われる面接や集団討論には苦手意識もあったので、この対策には特に力を入れて励みました。ちょうどコロナ禍で、対面に制限がかかるなど順調とは言い難い面もありましたが、リモートも活用しつつ先生方にお願いをして実践的な訓練をさせていただき、成果につなげることができたと思います。先生方からは「とにかく経験を積むこと」が合格に近づくカギだとアドバイスをいただき、友人同士でもオンラインによる面接の練習を重ねました。また本学卒業生の教職員からなる組織である「青山学院大学卒業生教職員校友白亜の会」の先生方からもご指導を仰ぐことができました。
ほかに、学内で「教員採用試験対策講座」という教職志望者向けのプログラムが開催されており、これにも参加しました。内容はその都度異なり、教員採用試験に合格した方の講話や面接指導などバラエティーに富んでいます。自分以外の学生が面接を受ける様子も見られ、ふだんあまりできない経験ができる有意義な場でした。
計画的学習で
忙しさを克服し
念願の小学校教諭に
大学での4年間は忙しくも充実した日々でした。小学校に限らず中学・高校の英語の教員免許取得にチャレンジするなど、幅広く学べたことも良かったです。他の学生に比べて、私はかなり多めに授業を履修したため、タイトなスケジュールをこなすことになりましたが、学習計画を綿密に立てて管理するよう心がけていました。教職を目指す場合、一次試験対策など先回りしてできる勉強もあるので、早めに取りかかっておくことは大切だと思います。
私は地元愛が強く、どうしても実家のある埼玉県で小学校教諭になりたかったため、民間企業や他自治体の教員採用試験などは受けていません。合格できなかった場合には臨時任用の道を考えていましたが、昔から抱いてきた先生になる夢を地元で叶えるという最高の結果が得られ、本当に嬉しく感じています。
ゼミナール(ゼミ)では北詰裕子先生のご指導を受け、「学校教育において教師に求められるカウンセリング・マインドに関する考察」という卒業論文を書きました。その過程で児童、生徒はもちろん同僚の教師や保護者との人間関係を築くうえで相手を受容し、共感的理解を持つと同時に、教師自身も意見を発信することの重要性について深く考えさせられました。それも含め大学で培った学びや経験を生かしつつ、母のように子どもたちのことを一番に考えて寄り添い、児童たちから学び成長する先生となれるよう頑張っていくつもりです。
在籍している学部
教育人間科学部
人の成長や発達、形成を支える“教育”の面から人間を理解しようとする教育学。心と、その反映である行動のメカニズムを“心理”の面から探究し、人間理解にいたろうとする心理学。青山学院大学の教育人間科学部では、ともに“人間”に深く関わり、理論的、実践的に学び深める隣接2分野を総合的に学べます。将来の活躍の場は、教育現場や心理カウンセラーをはじめ、地域社会や企業など、多様な分野に広がっています。
青山子ども会
私たち青山子ども会は、本学の文化連合会に所属する児童福祉ボランティア団体です。
具体的な活動としては、小学校や児童施設で、私たちが企画した工作やゲーム等の遊びを通して子どもたちと交流を深めています。また、活動を行うにあたり「共に成長していく」という姿勢を持って、子どもたち一人一人の個性や創造性を引き出し、より良い人間形成の一助として実践活動を行うことを目標にしています。
子どもたちはもちろん、会員同士も非常に仲が良く、笑顔で楽しく活動をしています。