学生時代に
「全力投球」の自信が
社会での力に

掲載日 2020/10/12
No.30
パナソニック システムソリューションズ
ジャパン株式会社
鶴井 健太郎

OVERVIEW

量子力学の実験や研究に打ち込み、学生生活にも全力で取り組んだ学部・大学院での6年間。
研究室で培った問題解決力などを土台に、放送業界を支えるシステムエンジニアとして全国を飛び回っている卒業生をご紹介します。

放送業界のシステムを扱うSEとして活躍

テレビのリモコンのボタンを押すだけで表示される「電子番組表(EPG)」は、録画や視聴予約に使う機能として知られています。私は今、システムエンジニア(SE)として、テレビ局が電子番組表の表示や録画制御に必要なデータを生成、送出する「EPG 送出設備」というシステムの構築を担当しています。テレビ局のお客様の元に出向いてシステムの納入、改修などを行うため、月の半分程度は出張で全国各地を飛び回っています。
華やかなイメージのあるテレビ業界ですが、その裏側には放送を支える数多くの技術があります。生活に密着した分野で、みなさんが毎日触れるような身近なシステムの構築に携わりたいと考え、現在の職業を選びました。家族や友人に「これが私の仕事だよ」と紹介してすぐに分かってもらえることが、仕事のやりがいであり、誇りを感じているところでもあります。

仕事をする上では、最新の情報だけでなく、以前のシステムやテレビ局様の運用についての知識を蓄えておくことも求められます。私はまだ入社3年目ですが、お客様にとっては、ベテラン社員と同じ「パナソニックさん」。お客様からは「これはどういう仕組み?」「今までとはどう違うの?」といった多種多様な質問を受けることが多く、幅広い情報を頭に入れておくことが欠かせないと感じています。
一方で、若手社員として、新しいことにチャレンジすることも大事にしています。案件ごとに目的は明確に決まっていますが、そこに至るまでにどんな途中経過をたどるかは、自分次第。固定観念にとらわれて思考停止することなく、客観的に物事を考え、効率化を図るように努めています。

先生や友人との出会いは
一生の宝物

私が大学選びで重視したのは、研究がしっかりできて、学生生活の楽しさも十分に味わえること。その理想と一致すると感じて選んだのが、青山学院大学です。相模原キャンパスの充実した施設や学習環境と、青山キャンパスの華やかさや学生の明るさといった「ブランド力」の両方に魅力を感じて進学しました。
学部と大学院、計6年間の学生生活で最も印象深いのは、やはり前田はるか教授の研究室での研究です。量子力学の実験や研究に打ち込み、研究室と一人暮らしをしていた家を往復する3年間を過ごしました。
とはいえ、学部生時代の私は、本当に真剣に研究に取り組んでいたとは言いにくい学生だったと思います。当時の私は、研究に対して「このぐらいでいいんじゃないか」という甘えがあり、卒業研究にも全力を尽くしているとは言えませんでした。しかし、執筆途中の論文を前田先生に添削していただいた時、先生はそうした私の姿勢を見透かして、厳しい言葉をかけてくださいました。「あなたの実力はこんなものじゃない。もっとできるはずだ」。その言葉がとても心に響き、先生の期待に応えるためにも、大学院ではより熱意を持って研究に取り組むようになりました。
私が前田研究室に所属した初めの年度では、同学年の学生は私を含めて5人。もっと多くの仲間と楽しく学べる研究室にしたいと考え、後輩が話しやすい空気を作り、研究室紹介でも積極的にアピールしました。その結果、翌年からは新しい室員が10人以上増え、「実験や研究に真剣に取り組み、楽しむときは楽しむ」という、より闊達な雰囲気の研究室になったことも、良い思い出です。3年間、前田先生の指導を受けて研究に打ち込み、後輩たちにも恵まれ、本当に充実した研究室ライフを送ることができたと感じています。
研究活動だけでなく、球技スポーツのサークルを立ち上げたり、卒業後も一緒に遊びに出掛ける一生の友人ができたり、いわゆる「学生らしい」楽しさも大いに味わいました。前田先生や友人たちと出会い、研究にも遊びにも全力で取り組んだ経験があるからこそ、社会人になった今、仕事を全力で頑張ることができていると思っています。

青山祭でのダンスサークルステージ発表(前列左)

学位授与式当日、前田研究室で記念撮影(前列中央)

知識と技術を備え、
頼られる存在になりたい

大学院まで物理を学び、畑違いといえる情報系の会社でSEをしているのは、一つのことにこだわらず、さまざまな分野の知識に触れたいという思いがあるからです。現在所属する部署では、EPG送出システムのほかに、映像編集・制作・報道系のシステムなど、放送業界向けのさまざまな商材を扱っています。今後はEPG以外のシステムにも携わり、同僚のSEはもちろん、営業担当者など他部署からも「鶴井に聞けば大体のことは分かる」と頼りにされるような、幅広い知識と技術を持つ存在になりたいと考えています。

最近は、通常の業務に加え、リクルーターとして採用活動にも携わっています。その際、就職活動中の学生に必ず伝えていることなのですが、大学時代は、たくさんの事柄の中から自分が選んだことに時間を使える時期です。「やりたい」と思ったことにいくらでも時間を掛けられる。そんな貴重な数年間を、大事にしてほしいと願っています。そして、学生生活を終えるとき、それがどんなことでも「やりたいことに打ち込めました」と胸を張って言えるようになってほしい。その自信が、その後の人生で活躍するための力になるはずです。

鶴井さんの1日

友人とのボルダリングジム(前列右)

  1. AM 9:30

    出勤。
    メールを確認し、返信などの処理。
    自分が担当するシステムの機材管理

  2. PM 0:15

    昼食休憩

  3. PM 1:00

    各係の業務状況を報告する定例会議

  4. PM 2:00

    担当するシステムのテストやデータの作成

  5. PM 5:30

    出張の準備

  6. 友人とのボルダリングジム(前列右)

  7. PM 7:00

    退勤。
    友人と食事や謎解きゲームに出掛けたり、ボルダリングジムで汗を流したりするのが楽しみ

指導教員・前田 はるか教授より

鶴井さんは、在学中から今に至るまで、私の研究室を支えてくれている存在です。研究室の学生が増えたこともそうですし、彼が在籍中に始めた研究は後輩の学生たちに受け継がれ、現在ではかなり進展しています。卒業後も、卒業生を交えた食事会等に積極的に参加してくれていたので、私の研究室で彼の顔を知らない学生はいないと思います。個人的にもTA(ティーチング・アシスタント)として講義の補助や試験の採点を手伝ってもらいましたが、慎重さが必要な仕事も安心して任せられる、信頼できる学生でした。
彼がまいてくれた種が今花開いているのを感じますし、この花を枯らさないよう、私も頑張らなくてはと思っています。

卒業した学部

理工学部

理工学部には、理学系、工学系をあわせて6つの学科があります。
“相模原キャンパス”を拠点とし、学部附置機関であるCAT・先端技術研究開発センターや機器分析センターをはじめ、先進の施設や設備は、国内外トップレベルを誇ります。
自然科学の基盤となるサイエンスの最先端研究はもとより、広く社会に貢献することを目指す多彩なテクノロジー研究開発を推進しています。なお、2021年4月、理工学部 物理・数理学科を「物理科学科」「数理サイエンス学科」の2学科に改編予定です。

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所属した研究科

理工学研究科

理工学研究科では、キリスト教の精神に基づいた本学の行う教育基盤に立って人格を陶冶し、専門の学術の教授・訓練を通じて精深な学識と研究能力を養うとともに、堅実な社会人として国際的にリーダーシップを発揮し、「地の塩、世の光」として文化の発展・創生に寄与し得る人物の養成を目的とします。

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