「迷ったら行動」
モチベーションは人を
楽しませる未来を
つくること

掲載日 2022/9/26
No.182
理工学部
情報テクノロジー学科4年
田中 秀
神奈川県立大和高等学校出身

OVERTURE

本学の進路・就職支援は、1・2年次の早期から3・4年次の就職活動本格時期まで、一貫したサポートを行っています。働くことの意義を理解し、自分に合ったキャリア形成に向け、具体的な準備や行動ができるようサポートしていきます。4年間でステップアップし、システムインテグレーターの株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (NTTデータ)に内々定を決めた学生をご紹介します。

「社会を面白くできそう」と志した情報工学分野

小学校低学年から算数・数学がずっと好きだったので、理系に進むだろうと思っていましたが、高校生になっても明確な将来像は描けていませんでした。そろそろ進路を決める時期に友人と「その都度財布からお金を出すのも面倒だし、スマートフォンで支払えたら面白いよね」などと雑談をしていたら、ほどなくスマートフォン決済がすでに実用化されていると知り、ずいぶん驚かされました。当時はまだIT分野に疎かったのです。そこからは未来の社会を面白くできそうな情報工学に対する関心が高じ、理工学部情報テクノロジー学科に進学しました。
入学早々に履修した小川誠子先生の「キャリアデザイン・セミナー」では、誰もが知るファストフードの社長など、各界の第一線で活躍される方々がゲストスピーカーとしてお話してくださいました。この授業は社会へ出るためのスキルアップとして有意義で、就活にも大きな影響を及ぼしたと考えています。

また、複数の先生方がご自身の専門分野について語る「ウェルカム・レクチャー」も興味深く、そのうち数回は原晋先生が担当されました。入学前から駅伝ファンだった私にとって、監督として不動の強さを誇るチームを一から築き上げた魅力的なストーリーを、ご本人から聞いたことは忘れられません。講義の内容も学生の成長を促すもので、やる気をいただきました。他の先生方のお話も自然環境や魔方陣の作り方などバラエティに富み、知識の幅を広げたい学生にとって最高の授業です。

実践的な学びを提供する情報テクノロジー学科

専門科目では多様なプログラミング言語に触れてきました。本学で扱う言語数はかなり多く、確かな基礎力が養われたと感じています。「情報総合プログラミング実習Ⅱ」は最終的に2人1組でウェブアプリを制作する授業で、何を作るか考えるところから始め、それを実現するアウトプット中心の作業を楽しみながら、取り組むことができました。
所属する大原剛三先生の研究室は機械学習に関する幅広いジャンルのテーマを扱い、主にテキストマイニング、深層学習のほか、推薦システム(おすすめ)などそれらの応用システムについて研究しています。自由度が高い反面、新規性のある内容が求められる中、私はエモーショナルマーケティングを研究テーマとして選びました。エモーショナルマーケティングとは、共感を呼び購買につなげるという考え方で、例えばサイト閲覧者の年代といった属性にあわせて、商品レビューの文体を変換できれば面白いものが生み出せるのではないかと考え、そのアイデアを実現すべく研究に励んでいるところです。

就活の要は行動
多くの人に支えられて得た本命の内々定

情報系の学科に所属しIT分野に興味を持ち、現在IT企業で働くサークルの先輩にいろいろと教えていただいたこともあり、就職活動の当初からIT業界だけに絞り込んでいました。積極的にさまざまなことを行いましたが、中でもOB・OG訪問には力を入れていました。自分が本当に知りたいことやネットにはない情報に直接アクセスできるうえ、応じてくださるOB・OGのみなさんは総じて協力的なので、非常に勉強になりました。IR資料や年次報告書などを参考にした企業研究もこまめに行っていました。企業情報は次々と更新されますし、現在の状況や中長期的な目標などからその会社の考え方、ひいては自分との相性も検討できるのでとても参考になります。また就活生が集まるネットコミュニティ・サービスも活用して、多くて1日3回は面接練習をしたこともありました。

進路・就職課のオンライン選考用の個別面接ブースは授業の合間に活用して、便利でした。

面接はコロナ禍のためオンラインが中心でした。進路・就職課では、予約による個別相談をオンライン中心で行っていて、その相談の中でオンライン模擬面接を行っていただきました。職員やキャリアカウンセラーからいただいたアドバイスを、すぐさま当日のオンライン面接に生かせるメリットは大きかったと思います。服装や画角など細かいながらも基本的で大切な点からご指導いただけたこともたいへん助かりました。
また大学での学びが成果の一助になったのではないかと感じています。
情報テクノロジー実験Ⅱ」ではコーディングよりも「こんなものが実現できれば、こういう人はうれしいだろう」などと考える方が楽しく、「思わずボタンを押したくなる電卓」というコンセプトの成果物を作成しました。これはボタン1つにつき5つの状態を想定し、実際に押してみるまでどの結果になるか分からない電卓です。1つの状態につき自主的に部品を20個ほど作成し、その拘りを面接の自己紹介でお話ししたところ、総じて良い反応をいただくことができました。
他にも長期休暇を返上し、インターンシップやグループディスカッションなど数多くの経験を積み、第一志望のNTTデータから内々定をいただくことができました。新しいアイデアを実現したいという思いが強く、コミュニケーションや人を喜ばせることが好きなので、いずれは大学で得た知識を生かし、プロジェクトを運営することが目標です。また常に自分自身で面白みを感じながら、周囲の期待を良い意味で裏切り続けていきたいとも考えています。
就職活動は長期戦なのでモチベーションの維持が難しい時期もありました。そんな時は大学院へ進学する友人に相手になってもらいゲームで息抜きをしたり、就職活動にあてた時間が目標に達しているかチェックをお願いしたりしていました。同期の就活生とは異なり、全く利害関係のない相手だったので気兼ねなく協力してもらえました。この友人に限らず、本当に多くの方々に支えられて最良の結果が得られ、感謝の気持ちでいっぱいです。
行動こそ、就活においていちばん大切だと私は身をもって感じました。当初はOB・OG訪問やコミュニティへの参加をすべきか悩み、緊張もありましたが、今ではやって良かったと心から思っています。早く動くことも重要なので「迷ったら行動」するくらいの心持ちで臨み、ご自身が納得できるまで挑戦を続けてください。

田中さんの就職活動スケジュール

  1. 〈3年次〉 2021年5月

    学内の就職ガイダンスに初めて参加
    IT企業に就職したサークルの先輩を通して業界と企業を知る

  2. 〈3年次〉 2021年6月

    各企業のマイページを作成

  3. 〈3年次〉 2021年7月

    初のグループディスカッション(第一志望)に参加するも緊張しすぎて惨敗
    対策をし、選考のあるインターンシップを突破

  4. 〈3年次〉 2021年8〜9月

    インターンシップ参加(夏休み中に18社)
    進路・就職課職員の方と面談

  5. 〈3年次〉 2021年10月

    進路・就職課で初めての選考対策
    初の本選考面接で緊張しすぎて惨敗

  6. 〈3年次〉 2021年11月

    夏季インターンシップの参加者を対象とした秋季インターンシップに参加

  7. 〈3年次〉 2021年12月

    オンライン面接コミュニティ上で同期就活生との面接練習を開始

  8. 〈3年次〉 2022年1月

    早期選考開始
    初内々定を獲得
    夏季インターンシップの参加者を対象とした長期インターンシップに参加
    最低でも2日に1回は面接練習

  9. 〈3年次〉 2022年2月

    OB・OG訪問を開始(第一志望企業で11人、他でも7人ほど)
    春休みは返上で、就職活動だけに注力

  10. 〈3年次〉 2022年3月

    本選考ES(エントリーシート)提出
    面接に慣れてくる

  11. 〈4年次〉 2022年6月

    第一志望の企業から内々定をいただき終了

情報テクノロジー学科

青山学院大学の理工学部は、数学、物理、化学といったサイエンスと、テクノロジーの基礎から最先端を学ぶ環境を整備しています。国際レベルの研究に取り組む教員のもと、最新設備を駆使した実験、演習、研究活動の場を提供するとともに、独自の英語教育を全7学科統一で実施。未来志向のカリキュラムにより、一人一人の夢と可能性を大きく広げます。「情報テクノロジー」という名称には、IT・情報技術を利便性のためだけではなく、社会のより健全な発展を目的に活用すべきという思いを込めています。情報テクノロジー学科では、IT・情報技術を信頼性や安全性、快適さといった「人への優しさ」のための技術として探究。その応用分野は人工知能からロボットまで幅広く、人間とテクノロジーの共生を目指して、新理論の発見や現実的な提案に取り組んでいます。

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