授業で鍛えたプレゼン能力が武器に 「相手のために」の思いがかなう生命保険業界へ

掲載日 2023/10/17
No.267
経営学部
経営学科 4年
草野 海斗
東京・私立青山学院高等部出身

OVERTURE

父親が働く姿を幼い頃から近くで見て、経営学に興味を持つようになった草野さん。社会ではプレゼンテーション能力が必須と考え、主体的にレベルアップできるよう努めてきました。就職活動にあたっては、趣味の登山を通して培った「他人の安全を守る」や「人のために尽力する」という精神を軸に、大学の就職活動支援もフル活用し、インターンシップやOB・OG訪問で就職先の業界を定めながら、生命保険会社への就職を決めました。

対戦形式のプレゼンコンテストが刺激に

自営業をしている父を見て育った影響で、社会人になるためには経営学の実践的な知識が欠かせないと考え、経営学部を進学先に選びました。さまざまな授業を履修して社会に還元できるスキルを高めてきましたが、最も今後生かせる力になるだろうと感じているのが、プレゼンテーション(プレゼン)能力です。
授業でプレゼンを行う機会がとても多いという点は、青山学院大学経営学部の特徴の一つだと思います。入学当初から、人前で物事を効果的に伝えるプレゼン能力は将来大いに役立つ力だと考え、そのために人一倍力を注いできました。

特に印象に残っているのが、1年次後期に履修した「マネジメント基礎B」です。経営学科の必修科目であるこの授業は、履修者各自が学習した内容から課題を見つけてプレゼン動画を作ることになっています。グループごとに動画のコンテストがまず行われ、その評価に応じて順位決定リーグのグループが決まり、またそこでコンテストが行われる形式になっています。最初はうまく発表できず、順位も低かったのですが、なんとか上位のグループに進出して好成績を収めたかったので、担当の山下勝先生にアドバイスをいただき、家族や友人にも自分のプレゼン動画を見せて意見を求め、さらには再生回数の多いYouTube動画を参考にするなど、聴衆に伝わるプレゼンを追求して研究を重ねました。学習内容の正確さや分かりやすさはもちろん、発表する時の声のトーンやスピードにも気を配り動画を作成しました。その結果として、順位が上がっていくのを実感できた時はとても達成感を得ました。この事は、その後の授業や就職活動でも大いに生かされました。

プレゼン能力の向上については、3年次から所属している中邨良樹先生のゼミナール(ゼミ)でも実感しています。現在、中邨ゼミでは「茨城県行方市の活性化」をテーマに設定し、廃校活用の再利用に関するアイデアを構想しているのですが、その中で行うプレゼンは先生や先輩、同期からの質問に答えられなければ、やり直しが求められる厳しいものです。質問に対して的確に答えられるよう、自分の意見や提案に具体的な根拠を持たせなければならず、チーム内で異なる意見が出た場合は、メリットとデメリットを議論し、より優れた提案を見つけ出すための話し合いを行いました。意見をまとめることに苦労したこともありますが、その過程で、知識、思考力、表現力などを鍛えることができたと思います。さらには、行方市の市長や職員の前で自分たちのプランをプレゼンする機会もいただき、「ゼミでの研究」と「プレゼン能力」という2つの側面から学びを実社会に還元できたことも、良い経験になったと感じています。青学TVでもその様子が紹介されました。

登山の経験から見つけた就職活動における自分の軸

就職活動を始める際、「自分が全力を尽くせるのはどのようなことなのか」ということを考えました。そこで最初に頭に浮かんだのが「相手のためになることがしたい」という強い思いです。
そのきっかけとなっているのが、小学1年生の頃から父の勧めで一緒に所属している登山団体です。小学生から高齢者の方まで幅広い年代の仲間と山登りを四季折々に楽しんでいます。高校1年生からは、パーティ(複数の登山者がグループを組んで山に登ること)全体のコンディションを見ながら登山のペース配分を行う「ペースメーカー」というポジションを任せられています。多い時には約20人でパーティを組んでいるため、事前に決めていたタイムスケジュールどおりに進まない場合は、下山分の余力を計算しつつ、効率よく登れるように調整しながら目標時間に合わせていきます。同じ山でも天気や気温によって環境が変わってくるので、同行しながら常に周りの方の体調も考えて時間を割り出していました。
ペースメーカーの役割を果たす中で、どうすれば体力の消耗や怪我を防ぎ、皆が笑顔で安全に山登りできるのか考えることに、やりがいや意義を感じるようになりました。長年続けているこの実体験が「命の安全第一」を意識し、就職活動の軸である「相手のために」という思いに繋がっています。

社会人登山団体で富士山に登った時の様子(赤いバックを背負っているのが草野さん)

インターンシップやOB・OG訪問で得られた、
生命保険業界という目標

3年次の夏からインターンシップ(インターン)への応募を始めましたが、この時は業界をあまり限定せず、とにかく実践することを重視して、計100社ほどにエントリーしました。興味がある企業には一通りアプローチして、その中で特に魅力を感じた企業をもう一度掘り下げて調べる、という流れで自分に合う業界や企業を見つけていこうと考えていたからです。食品、医療、ウェディングなど、多様な業界に触れながら徐々に選択肢を絞っていき、やがて「命を守る場面で手助けをしたい」と感じるようになり、その中で特に興味を持ったのが生命保険業界です。
この業界は、お客様には「何かあった時に助けてもらえる」という安心感を提供することができ、私の目標「相手のためになることを」もかなえることができます。お客様と自分の双方が幸せになれるWin-Winの関係を築くことができるという点が、とても魅力的でした。

その後、3年次の秋から冬にかけては、インターンと並行してOB・OG訪問も行いながら、さらに志望する企業を固めていきました。OB・OGの方との面談では、「もう一度人生をやり直すなら、どの業界、どの企業を選ぶか」と必ず質問をしていたのですが、その会社で働いている理由について、愛社精神を交えながら深く語ってくださる方が多く、会社の本質に触れる貴重な機会となりました。

たくさんの方にお話を伺ったことで、やはり自分に一番合うのは生命保険業界だと考えるようになり、4年次春から本選考、面接に臨みました。その結果、いくつかの企業から内定をいただき、その中でも特に「他者のために」と尽力されている方が本当に多く、私自身が抱いていた思いを実現できる東京海上日動あんしん生命保険株式会社への就職を決断しました。

沖縄でダイビングをしている様子(右側が草野さん)

進路・就職センターをフル活用。
面接は「ヒーローインタビュー」のような気持ちで

就職活動中に、ESの添削、面接練習、内定後の相談など、第三者の意見を聞きたい時には真っ先にWeb Ash(進路就職支援システム)を通して何度も進路・就職センターを活用していました。最近は学外の就職活動支援サービスなどもありますが、大学の進路・就職センターを利用するメリットは、多くの企業や就職活動の情報が得られることはもちろん、一人一人に寄り添う親身で丁寧なサポートを受けられる点にあると思います。
そのことを強く感じたのは、初めて模擬面接を受けた時のことです。自分なりに志望動機をまとめて準備したつもりでしたが、面接官役の職員の方に「軸がぶれているし、今言った内容はどの企業にも言えること。この企業への志望理由をもう一度考え直した方が良いと思います。」とはっきり言われました。その瞬間は「厳しいことを言われたな」と思ってしまったのですが、自分が持っている熱意や思いをまだ言語化できていないことに気づかされ、もし採用する側なら、どのような志望動機だと印象に残るのか、相手側の立場になることの大切さを改めて実感しました。あの時の言葉は今も心に残っていますし、私のためを思ってあえて厳しく指摘していただいたことに感謝しています。

また実際の面接では、志望動機に加えて根拠や分析を示して論理的に自分の意見を伝えることが求められます。そこで私を支えてくれたのが、大学で磨いてきたプレゼン能力でした。それまでの3年間、人前で発表する機会を繰り返し経験し、適度な緊張感の中で論理的に話す力が鍛えられていたことが、就職活動での良い評価に繋がったと感じています。
面接と聞くと、「大変なこと」「つらいこと」というイメージを持っている方もいると思いますが、私自身はとても楽しかったです。自分のこれまでの人生を、誰かが興味を持って質問してくれる機会なんて、なかなかないですよね。スポーツ選手のヒーローインタビューのつもりで臨んでいました。内定後の面談で「どうして面接の時あんなに楽しそうだったの?」と聞かれたくらいなので、面接官の方にも私が楽しんで臨んでいた様子が伝わっていたようです。

ダイビングサークルの仲間と(真ん中が草野さん)

就職先を選ぶときに、たくさんの業界から自分に合う企業を探すことで、何が正解なのか分からなくなってしまい、苦労することもあるかもしれません。そのような時は、これまでの人生を振り返ると、自分自身が「ワクワクしたこと」や「全力を尽くせること」といったことに気づけるきっかけになります。「自己分析」は一見難しい感じがしますが、興味を持てることや持てないことが整理できれば、少しずつ道が絞られ、自ずとベストな業界、企業を判断できると思います。それでも気持ちがまとまらない時は、私のようにインターンやOB・OG訪問に行って、働いている人に直接お話を伺ってから考えるのも良いと思います。それ以外でも、親や友人と話してみる、機会があれば直接社会に触れてから考えてみると、意外と「好きなこと」「嫌いなこと」が明確になり就活の軸も定まってくると思います。

私は就職活動中、「とにかく内定を取る」のが目的ではなく、「社会人になってからの人生を費やしても良いと思える仕事を見つける」ために頑張るものだと思って行動していました。そのために、自分が思い描く理想像と一致できるような企業を探し続けました。そのような思いで出逢えた生命保険業界の中で、第一志望である東京海上日動あんしん生命保険株式会社で働けることは、本当に嬉しい限りです。これからも生命保険を通して、「相手のため」という気持ちを忘れずに、多くの方の支えになるような存在を目指します。私自身が会社に貢献できる社員になれるよう多数の経験を積むことも大切だと思いますが、お客様にとって窮地に陥った時こそ必要とされるのが保険です。金銭的な面はもちろん、担当者としてお客様の精神的なサポートにも力を尽くして社会で活躍していきたいです。

ダイビングサークルの仲間とロサンゼルスへ行った時の様子

※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2023年度)のものです。

草野さんの就職活動スケジュール

  1. <3年次> 2022年8月

    インターンシップ面接

  2. <3年次> 2022年8月

    3daysインターンシップ参加

  3. <3年次> 2022年11月~2023年1月

     OB・OG訪問

  4. <4年次> 2023年3月

    本選考、人事面接

  5. <4年次> 2023年3月

    最終面接、第一志望の企業から内々定をいただき就職活動終了

経営学部経営学科

経営学部は「マネジメント」(経営管理)を中心に学ぶ学部です。青山学院大学の経営学部では、優れた研究者が教員として揃う質の高い教育環境のもと、企業や組織、ひいては個人をマネジメントするために必要な経営学の知識を、体系的に身に付けられるカリキュラムを用意しています。デジタル化時代に応えるべくデータ分析にも力を入れており、その学びを通して論理的思考力を養います。
半世紀の歴史を刻む経営学科では、企業や組織におけるマネジメントに普遍的に求められる先端理論と実践技術を身に付けます。経営・会計・マーケティングの基礎的学習を踏まえ、多様な専門科目を履修することで、より深くマネジメントを学ぶことが可能に。企業の社会的責任や企業倫理の重要性を理解するとともに、演習などで主体的な学習を重ね、研究成果をまとめる技術も手にします。

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