今年創団70年の
「青山学院大学応援団」
新旧2人の団長が
「応援」の魅力を語る

掲載日 2023/3/30
No.224
国際政治経済学部 国際経済学科4年
2022年度青山学院大学応援団長
我妻 実玲
東京・私立青山学院高等部出身
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法学部 法学科3年
2023年度青山学院大学応援団長
牧村 風司
岐阜県立大垣北高等学校出身

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青学スポーツの躍進の原動力の1つとなっているのが応援をリードする応援団の存在。今年創団70周年という青山学院大学応援団は、体育会各部の試合応援のほかにも、壮行会や入学式・大学祭などのイベントにも参加しています。「人を応援するに足る模範学生となる」という志で、団員一人一人が人間的成長を図っている応援団。第70代、71代の2人の応援団長に応援団の素顔と「応援」することの魅力について語り合ってもらいました。

「応援団」ってどんな団体?

我妻:私たち応援団は1953年発足の伝統ある団体で、私はちょうど70代目の団長になります。活動の柱はもちろん体育会に所属する部活動の応援。東都大学野球リーグで活躍する硬式野球部、駅伝の強豪である陸上競技部(長距離ブロック)のほか、アイスホッケー部、アメリカンフットボール部、ラクロス部(女子)、軟式野球部など、さまざまなチームに勝利を呼び込めるよう、チームと心をひとつにして手拍子と声を使った応援を行います。

箱根駅伝ゴール地点(大手町)での応援の様子

牧村:そのほか学内行事として、青山祭と相模原祭、学位授与式、学外では大学応援団フェスタ、全日本学生応援団連盟の連盟祭などでのリーダー公開などもあります。我妻さんは1年生の時に陸上競技部の箱根駅伝優勝の瞬間に立ち会われたのですよね。

我妻:ええ、ゴール地点の大手町で朝からずっと応援し続けて、体力的にはヘロヘロでした。でも、アンカーが1位でゴールテープを切った瞬間、感動で疲れも一気に吹き飛びました。決して忘れられない思い出です。でもそれだけではなく、神宮球場の硬式野球部をはじめ、数々の競技の勝利一つ一つの思い出が私にとってかけがえのないものです。

私たちが「応援」する理由

牧村:私が入学したのは、ちょうど新型コロナウイルス感染症拡大のタイミングでした。1年生の時はクラブ活動に参加していなかったのですが、2年生の時に硬式野球部の応援をきっかけに思い切って興味があった応援団への入団を決めました。

我妻:今年は3年ぶりに箱根駅伝の応援も復活して、無事牧村さんに団長をバトンタッチできるのでほっとしました。

牧村:来年度は私も優勝の感動を味わえるよう、精一杯応援します。71代目の団長に就任するにあたり、あらためて我妻さんに「応援とは何か?」についてうかがっても良いですか?私は応援とは「会場を戦う雰囲気につくる」ことだと思っているのですが。

我妻:同感です。応援の先頭に立ち、力強く、しかしあくまで笑顔で選手や応援に駆けつけた学生や関係者の方の気持ちを鼓舞していくことが応援団に求められます。一緒に応援する吹奏楽バトントワリング部ともしっかり連携を図ることが大切ですね。とはいえ、私もまだまだ応援を極めたとは言えないのですが……。

牧村:本当に、応援って奥が深いですよね。他大学の応援団の学生ともしばしば「良い応援とは?」「応援にふさわしい発声は?」などについてディスカッションしていますが、いつも話は尽きないです。

学業と応援団の両立について

牧村:私は応援団に入って硬式野球や駅伝だけではなく、さまざまな青学スポーツの現場で自分もチームの一員となった気持ちで喜びと悔しさを味わってきました。このように自分ごととして青学のチームや選手の喜びと悔しさを共有することで、むしろ青学生としての自覚や誇りが芽生え、将来に向けた学部での学びにも力が入るようになりました。我妻さんは応援団と学業の両立についてどのように考えていますか?

我妻:私は3年生まではあくまでも学業優先でした。授業は絶対に出席し、課題は必ず提出するなど大学生に課される基本的なことを第一に行いました。3年生後期の半年間は米国メリーランド州のガウチャー・カレッジへの留学も果たしましたし、就職活動も4年生の春には早々に内々定をいただくことができました。4年生で団長になってからは、応援団の活動を優先させることも多くなりましたが、大学生としての本分を忘れたことはありません。

応援団での活動を通して得られたもの

牧村:本気で試合で戦っていたり、自分に向き合っている人に勇気を与える「応援」を通して「頑張ることのかっこよさ」に気づけたことは私にとって大きな財産になりました。また、応援団OBなどの先輩や大学職員、企業の方など多くの年上の方々と話をする機会が多く、大勢の観客を盛り上げようと努めたりすることで自然とコミュニケーション能力が向上したと思います。

我妻:応援団での4年間を通して、今できることを探して前向きに進み続ける気持ちと何事もあきらめないバイタリティーを身に付けることができたと思っています。4月から社会人になりますが、応援団を4年間続けたことが、社会の中でもやっていけるという自信になりました。近年、応援団は部員不足に悩んでいますが、青学がもっと好きになり、自分が成長できる応援団の活動にぜひ多くの新入生の方が参加してほしいと思っています。

我妻 実玲さんがふり返る青学での4年間

我妻:青山学院高等部でチアリーダー(チア)をやっていた私は、卒業も近いある日、大学正門近くで「応援団員募集」の貼り紙を見つけ、「これだ!」と思いました。自分たちの演技を見せる側面が強いチアに比べて、応援団は純粋に試合で戦う選手のために尽くす姿がかっこいいと思ったからです。
学部では「経済」と「環境」を両立させて持続可能な社会をどのようにつくっていくかについて興味を持って学び、米国留学でも環境経済学などの授業を受けました。コロナ禍の中での留学は迷いもありましたが、自分という人間を異なる環境の中で見直したいと考えて、思い切ってチャレンジしました。もともと私は自分をアピールするより周囲の人に気を遣うタイプでしたが、留学生活を通して自分の意見をしっかりと伝えることの大切さを学ぶことができました。このことは帰国後に応援団長としてのリーダーシップを果たす際にも大きな力となったように思います。

卒業後は伊藤忠食品株式会社に就職します。目標は大学で学んだ知識を生かし、環境負荷の少ない食品、アレルギー体質の方や健康志向の人でも気軽に食べられる商品を世の中に広めていくこと。応援団で培ったバイタリティーとあきらめない気持ちで頑張ります。

牧村 風司さんが発見した「青学の魅力」

牧村:大学野球ファンだった家族の影響もあって、いつか自分も球場の応援団のリーダー台の上でエール交換をしてみたいと思っていました。ところが私が入学した年に新型コロナウイルス感染症が拡大し始めてしまいます。入学後はずっとリモート生活を強いられ、応援団へのモチベーションも喪失していました。しかし2年生になって硬式野球部の友人から応援団が主催する「神宮野球応援ツアー」に誘われたことをきっかけに、当初の夢を実現するために思い切って入団しました。

法学部の授業を通じて弱い立場である消費者を守るための「消費者法」や「税法」について興味を持ち、今は熊谷士郎先生のゼミで学び、医療ビジネスに関する消費者法について卒論を書こうと考えています。青学の法学部では、三木義一名誉教授(前学長)や道下知子先生、木山泰嗣先生という税法界の権威をはじめ、第一線で活躍する教員が90分という時間を忘れてしまうような素晴らしい内容の講義を展開されています。

有体に言えば、受験時には青山学院大学が第一志望ではありませんでした。しかし、応援団活動と学部での素晴らしい先生方との出会いを通して、この大学の魅力や素晴らしさをあらためて感じているところです。大学生活も残り1年あまり。体育会だけではなく、青学全体の応援団として力を尽くしたいと考えています。

青山学院大学応援団

青山学院大学応援団は、昭和28年(1953年)に応援有志会と称して発足し、2023年に創団70年を迎えます。
応援団は”信と愛と正義の学院精神”を継承し、それに則り各種スポーツ応援・壮行会や入学式・学園祭などの大学諸行事への公式参加に取組んでいます。
応援団員は人間形成の基本を学ぶ場として応援団を捉え、応援団としての活動を通じ、”人を応援するに足る模範学生となる”という志をもって日々活動しています。

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法学部 法学科

AOYAMA LAWの通称をもつ青山学院大学の法学部には、「法学科」に加え、2022年度新設の「ヒューマンライツ学科」があります。
法律は、人間社会の生活すべてに直結するともいえるルールです。法律を正しく理解し、公正で客観的な判断を下せる「リーガル・マインド」は社会のあらゆる領域で求められます。AOYAMA LAWの国際性豊かな教育は青山学院大学の歴史とともに歩んできました。
法学科では、国際的・実践的なカリキュラムを通じて、専門的知識と法的正義感を備えた「法の智恵」を養います。また、基本的な法律科目から多彩な選択科目まで、豊かで系統的な法知識と、それを現実に適用する技能を身に付けます。

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国際政治経済学部 国際経済学科

青山学院大学の国際政治経済学部は国際社会への貢献をそのミッションとし、国際系学部の草分けとして創設されました。3学科×5コース体制のもと、専門性と国際性、現場感覚を重視した学びを実践しています。グローバルレベルの課題への理解を深め、エビデンスにもとづいて議論・討論するスキルを養成します。世界の多様な人々と協働し、新たな価値を創造する実践力を育みます。
国際経済学科では、国際経済や開発経済に特化したカリキュラムのもと、地球規模の諸問題、特に国際的な経済相互依存関係などを経済やビジネスの観点から歴史的・理論的かつ数量的に学びます。一人一人の興味や進路をふまえて、「国際経済政策コース」と「国際ビジネスコース」を設置。異なる文化や価値を理解し尊重する姿勢を身に付け、問題解決のため積極的に考え行動できる人材を育成します。

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