憧れの世界につながる学び。
一歩を踏み出せば、
夢もその手に掴める近さに

掲載日 2024/2/20
No.285
総合文化政策学部
総合文化政策学科 3年
谷 真唯子
大阪・私立四天王寺高等学校出身

OVERTURE

自分の興味が赴く先に、真っ直ぐ突き進む谷さん。「好き」という思いを原動力にして、授業やインターンシップ、そして学業以外の活動にも積極的に取り組んでいます。憧れの「映像の制作に関わる仕事」につながることには何でも臆することなくチャレンジを続け、将来の夢を叶える一歩手前まで歩んでいます。

文化・芸術に関する幅広い授業で、自分の興味の方向性を知る

ドラマ好きな母の影響で、私もドラマや映画を観るのが大好きになり、いつ頃からか「映像に関わる仕事がしたい」と思うようになりました。大学進学時には、メディア業界の第一歩を踏み出すための学びができるような学部学科を探し、総合文化政策学部を見つけました。大阪出身なので、親元から離れて生活できるか不安な気持ちもありましたが「東京で挑戦するのは、今しかない」と思い切って上京し、青山学院大学に進学しました。

「映像」という一つの分野に限っても、経営、制作、出演者など、興味の対象によって学びのポイントは異なります。同じ映像制作でも、私のようなドラマ好きな人とYouTubeなどの配信映像について学びたい人とでは、知りたい内容も違ってくるでしょう。しかし、興味があるものが何であっても、何かしら「面白い!」と思える授業に出会えるのが、この学部ならではの魅力だと感じています。

知識も実践も、両輪で学べるカリキュラム

本学独自の全学共通教育システムの青山スタンダード科目で、「一般社団法人コンサートプロモーターズ協会寄附講座」の「スポーツ・エンターテイメント・ビジネス」の授業では、いろいろなジャンルの第一線で活躍する方々がゲストスピーカーとなって、業界の実情や実際の仕事について語ってくださいました。テレビ局のプロデューサーが講師として招かれた時には、スポーツ現場での取材方法や発声練習など、就職してからでなければ教わらないような専門的な内容を教えてくださいました。他のジャンルの講師の方々からも、業界関係者ならではの視点で一般人はなかなか知ることのないリアルな話をうかがうことができて、とても面白かったです。いろいろな業界の実情の一端が知れて、興味の幅が広がりました。
また、丸山信人先生の「プロジェクトプロデュース論」は、学生自身でプロジェクトを企画し、実践力を養える授業でした。後半の授業で、他の受講生の発表を通して、自分の中にはなかった思考や、企画に必要なセンス、プレゼンテーション能力の重要性など、多角的な視点を得ることができました。

所属する内山隆先生のゼミナール(ゼミ)では、映像産業についての知識や映像制作のための基礎知識を身に付けることができるうえ、さらに実際の映像制作にも携わることができます。2年次の後期には、内山先生とご縁のある制作会社が協力してくださり、3分間の動画を作ったことは非常に貴重な経験となりました。
通常、動画を作る際は、コンセプトに沿った脚本をプロデューサーや脚本家、監督らが中心になって作っていく流れになります。しかしこの時は、制作会社のプロデューサーから「まず3つのセリフを決めてから、企画・脚本を考える」という逆転の発想を提案いただき、動画を作ることになりました。同じ学年のゼミ生と2つのチームに分かれて制作し、同じ3つのワードから「恋愛」と「ホラー」という、まったく異なるジャンルの作品が出来上がったことに驚きました。さらに、どちらが面白いかゼミ内で投票をして、同点で甲乙つかない結果になったことも印象深かったです。
私はホラーを作成したチームでしたが、撮影時に「この撮影場所で果たして怖く見えるのだろうか?」と思った場面も、編集作業でBGMや効果音を入れたり、色味を補正することで驚くほどの仕上がりに効果を発揮したため、音楽や編集の重要性に気づくことができました。

内⼭ゼミの仲間と(前から2列⽬の⼀番左が⾕さん)

実践力を磨く学びで自信をつけ、夢に繋がる一歩を踏み出す

総合文化政策学部では、「ラボ・アトリエ実習(1)・(2)」という、文化や芸術が生み出される“現場”での学びを中心とした授業があります。私は、ゼミと同様に、映像や映像制作に関わる木ノ内輝先生のラボを選択しました。ゼミでは、先生からのサポートやアドバイスを受けて取り組みが進行しますが、ラボでは機材の調達や資金集めといった、映像制作以前の準備段階から学生が主体となって動かなければならなかったため、自分にとって初めての体験が多く、苦労することもありました。
その中でも一番難しかったのが「製作費をクラウドファンディングで集める」という課題です。作品づくりにあたっては、著名な俳優を起用することに決めていたので、ある程度の金額を集める必要がありました。「学生の自主制作としての映像作りのために、貴重なお金を出資していただくためにはどうすれば良いのか。」「たくさんあるプロジェクトの中に埋もれることなく、目を留めてもらうにはどうしたら良いのか。」「目標金額に達成するためにはどうしたら良いのか。」これらの課題をクリアするために、メンバーで何度も意見を出し合いました。
資金集めの難しさは、学生の自主制作映像に限らず、一般の映画や作品作りにも共通しています。これまで映像制作に携わりながら、プロデューサーという仕事に最も興味を感じていた私にとっては、まさに腕試しの機会でした。どの層にアピールして、どのように資金が集められるだろうと考え、意見を出し合い、最終的に目標金額を超える資金を集めることができたことは、大きな自信となりました。
その自信に後押しされ、テレビ局のインターンシップ(インターン)では、ドラマ制作に参加して本番に使用されるような制作物を作ったり、憧れのプロデューサーから話をうかがうこともでき、夢への大きな一歩を踏み出せたように感じています。

内山ゼミでの撮影時にて(一番左が谷さん)

東京の中心にある大学だからこそ、できたこと

「自主制作で映像を作っている」というと、時間を多く使うので、課外活動ができないのではと思う人もいるようですが、そんなことはありません。アルバイトもしていますし、学内ではソフトボールのチームや総合文化政策学部学生プロジェクトチーム(SPT)にも所属しています。
SPTは、学部に関わるさまざまな企画立案や運営を行う学生有志団体です。初めての一人暮らしで不安だった時に、SPTが主催する新入生歓迎会や交流会に参加したことで、友達ができたり先輩方にもお話が聞けて、大学生活が楽しみになった思い出があります。「今度は自分が後輩にしてあげたい」「こうした学生有志によるサポートが代々受け継がれることに尽力したい」という思いで、2年次にはSPTの代表も務めました。他にも、情報メディアセンターでIT-A(ITアシスタント)としてカメラ講座やAdobe Lightroomの講座を担当しています。

IT-Aのメンバーと、青祭で一緒に出店をした

また、青山キャンパスの立地を利用して、ドラマのエキストラに参加したり「演技を知ることで制作の一助になるかもしれない」と考えて、俳優の養成所に通って勉強もしました。こうして映像づくりについて多様な角度で見ながら知っていくと、私はやはりドラマの制作に携わっていきたいと強く思うようになりました。ドラマの制作現場はプロフェッショナルたちが関わって、一つの作品に自分たちの持てる力を注ぎ込む熱量が高く、「映像づくり、ものづくりって良いな」と思える愛しいものになっています。

今後は、本格的な就職活動に向けてインターンや説明会に参加する予定です。大学は、自分が能動的に動けば、夢を追うための環境づくりやエネルギーの注入に一役も二役も買ってくれる場所です。本学部では、ラボとゼミの両方に所属することで、学びたい分野を絞らずに異なる分野を研究することもできます。幅広いジャンルの授業があり、まだ明確にやりたいことが決まっていない受験生にとっても、目標を見つけられる機会がたくさんある学部だと思います。夢のように感じていた映像制作の世界が、将来の職業に近づいていることを実感し、これらからも夢に向かって進み続けたいです。

学外で携わった作品(映画)を観るため、映画祭に参加したときの写真

※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2023年度)のものです。

総合文化政策学部

青山学院大学の総合文化政策学部では、“文化の創造(creation)”を理念に、文化力と政策力を総合した学びを探究。芸術・思想・都市・メディアなどの広範な領域を研究対象とし、各現場での“創造体験”とともに知を深めていくチャレンジングな学部です。新たな価値を創出するマネジメント力とプロデュース力、世界への発信力を備えた“創造的世界市民”を育成します。
古典や音楽、映像、芸能、宗教、思想、都市、ポップカルチャーなどあらゆる「創造」の現場が学びの対象です。どうすれば文化や芸術によって社会をより豊かにすることができるのか。創造の可能性を模索し、自身のセンスを磨きながら、創造的世界市民として社会への魅力的な発信方法を探ります。

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