勉強も空手も手を抜かず
全力で取り組んで
結果を出す

掲載日 2022/5/13
No.149
<2021年度 体育会表彰受賞>
国際政治経済学部 国際経済学科4年
吉田 萌笑
千葉・私立拓殖大学紅陵高等学校出身

OVERTURE

大学での学びは、日頃の授業にとどまりません。部活動、ボランティア活動など多彩な課外活動の中で能力に磨きをかける学生が大勢います。今回は、体育会空手道部に所属し3年次に「内閣総理大臣杯 第63回全国空手道選手権大会」の個人戦・組手の部(一般女子)で全国第3位となった吉田萌笑さんを紹介します。勉強も空手も手を抜かない決意で入学し日々努力を続ける吉田さんに、空手にかける思いや両立の秘訣を話していただきました。

兄の影響で始めた空手と青学への進学

空手道場に通っていた2人の兄の送迎について行っているうちに私も一緒に習いたくなって、5歳で空手を始めました。幼い頃から道場に通い、先生や先輩と関わる中で言葉遣いや礼儀が自然に身に付きました。身体だけでなく心も鍛えられることは、空手の大きな魅力だと思います。

高校生の時に日本一を目指して部活動で空手に打ち込み、目標を達成したら空手をやめようと考えていました。しかし、県予選で敗退してしまい、高校最後のインターハイに出場することが叶わず目標を達成することはできませんでした。すっかり落ち込んでしまいましたが、その悔しさがあって、大学でも空手を頑張りたいという気持ちが大きくなりました。兄の1人が本学の国際政治経済学部に在籍し、空手道部でも活動していたため、高校3年次に部の見学をさせていただきました。その際、先輩が優しくて雰囲気がとても良く「ここなら続けられる」と思い、進学を決めました。兄と同じ国際政治経済学部を選んだのは、外国語教育に力を入れ、第二外国語や英語開講の科目が多い点に興味が湧き、語学力をさらに磨き、将来に役立てたいと考えたからです。

皆で協力して勝ち取った全国3位

空手道部では週6日、1日2時間程度活動しています。私は副主将を務めており、個々の部員に積極的に声をかけて何か悩みがあれば相談しやすい環境をつくるよう意識しています。男女で同じ練習メニューをこなすため、体力に差のある女子が不安に感じないように、特に配慮しています。
空手道部には、いろいろな学生がいます。空手の大会で好成績を収めることを目指している私のような人もいれば、高校でやっていた空手を大学でも続けたい、という人もいます。それぞれがどのような思いと目標を持っているのか話し合って理解し、皆が居心地良く活動できるように考えるのが上級生の役割です。

団体戦出場メンバーと

これまでの成績を振り返ると、高校生の時に個人戦でインターハイに出場できなかった分、1年次に「第63回全日本大学空手道選手権大会」の女子団体組手、そして「第63回全日本学生空手道選手権大会」の女子個人組手に出場できたことは、努力が報われたと感じ本当に嬉しかったです。これからさまざまな大会で上位を目指して頑張ろうという2年次に、新型コロナウイルスの影響で大会がほとんど開催されず、練習日も減ってしまいました。悔しさはありましたが、部のオンラインでの筋力トレーニングや、自主的に行ったランニングなどで体力を維持し、大会に出場できる日に向けて準備をしていました。
そして迎えた2021年6月の「内閣総理大臣杯 第63回全国空手道選手権大会」では、個人戦組手の部(一般女子)で第3位入賞、団体戦組手の部(女子)では優勝を果たしました。私は、団体戦では初戦のみ出場し、動きが悪くチームにあまり貢献できませんでした。勝ちにこだわりすぎたことで身体が力んでしまったのではないかと思います。翌日の個人戦では、その反省を生かし自然体で臨み結果を出すことができました。
空手は個々の選手にそれぞれスタイルがあり、対戦する上では苦手なスタイルもあります。どのような人が相手でも動じることのないように、部内で実戦形式の練習を多く取り入れたことが冷静な試合運びにつながったと思います。
また、団体戦のメンバーも、それぞれ個人戦で敗退した後も私のウォーミングアップの相手になって、支えてくれました。個人戦は試合では完全な1対1ですが、第3位という成績は、自分一人ではなく、日頃の練習等メンバーの協力を得て、部の皆と勝ち取ったものだと思います。今後も練習を充実させてさらなる高みを目指していきます。

勉強、部活動、アルバイト、全てに手を抜かず取り組む

部活動中心となることが多い高校生活でしたが、大学では勉強も部活動も手を抜かないと決意していました。しかし同時に授業についていけるのか不安も感じていました。特に、経験したことのない英語のディスカッションやディベートは心配でした。しかし、少人数制のクラスのため、入学後すぐに皆と親しくなれたことで、わからないところを相談し合い、少しずつ英語力を向上させることができ、またディスカッションやディベートを行う前にしっかり準備をして向き合うことができるようになりました。クラス内で円滑なコミュニケーションを図ることで、英語力のみならず、多様な人と議論をしながらプロジェクトを進め、目標を達成していく力も身に付けることができたと思います。

また、興味深い専門科目も多くあります。特に「管理会計論Ⅰ」「管理会計論Ⅱ」は、管理会計がビジネス全体にどのように役立てられ、企業がどのように戦略を立てるのか、高校生までの生活では触れる機会がない分野を深く知ることができて、印象に残っています。理解するには時間がかかる難しい授業でもありましたが、わからなかったところを質問すると先生が丁寧に答えてくださるので、理解できるとさらに面白くなっていく点も刺激的でした。
授業も部活動も楽しいのですが、やはり勉強時間の確保が難しく、睡眠不足になることもありました。そこで、レポートなどの提出物は時間に余裕を持って取り組むこと、試験では出題範囲が発表され次第、早い時期から準備することを意識しました。1年次に実践して、この方法なら勉強と部活動を両立できると自信がついたので、以降ずっと心がけています。授業の空き時間にレポートや試験勉強に取り組んだり、通学途中にレポート内容に関して思いついたことをスマートフォンにメモしたり、時間の有効活用も意識しています。
勉強、部活動での悩みや失敗を引きずらないことも、両立する上では大切だと思います。初めは気持ちの切り替えがうまくいかなかったのですが、行き帰りの電車で音楽を聴いてネガティブな思考を断ち切ると、うまく切り替えられるようになりました。入学する少し前に始めたファストフード店でのアルバイトも、気持ちの面では支えになっています。勉強、部活動、アルバイトと、時間管理では大変なこともありますが、アルバイト仲間は、他大学の学生や主婦など年齢も生活もさまざまで、立場がまったく違うからこそ相談しやすいということもあります。勉強や部活動で辛い時は、アルバイトで気持ちの切り替えができました。お客様との会話や、アルバイト仲間同士のやりとりなどは、コミュニケーション能力の向上にもつながっています。どれも全力でやってきたからこそ、すべての経験が生かされ、今の自分があると思います。

やりたいことに挑戦できる環境を生かして

卒業後は、警察官になることを目指しています。中学生の時、警察官の方から直接話を聞く機会があり、人のために尽くす姿に強い憧れを抱きました。誰もが安心して安全に暮らせるまちづくりの実現に貢献する夢はその時から変わっていません。本学で身に付けた語学力は、外国人住民の方々の生活をより豊かにすることにもつながると思います。
そして、卒業後も空手を続けていくつもりです。いつか競技者としては引退しても、後進の指導など何らかの形で関わっていきたいと考えています。空手を通じて培った体力や忍耐力を、今度は市民の方々を守るために役立てられることが楽しみです。

入学前は、勉強と部活動の両立に不安を抱えていた私ですが、そんな心配は無用だったと今は自信をもって断言できます。たくさんの友人、指導熱心な先生方、優しく接してくれる先輩に囲まれ、勉強も部活動も全力で取り組むことができました。青山学院大学は、学生がやりたいと思ったことを存分にできる環境が整っている大学です。入学を考えている方、在学中の方は、やりたいとことを決してあきらめず、挑戦してください。

国際政治経済学部

青山学院大学の国際政治経済学部は国際社会への貢献を掲げ、国際系学部の草分けとして創設されました。3学科×5コース体制のもと、専門性と国際性、現場感覚を重視した学びを実践しています。グローバルレベルの課題への理解を深め、エビデンスにもとづいて議論・討論するスキルを養成します。領域を超えて学べる独自の学際教育、所属学科を超えて選べるゼミナールブリッジや英語で専門科目を学べるグローバル・スタディーズ・プログラム(GSP)等によって、世界の多様な人々と協働し、新たな価値を創造する実践力を育みます。

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