学内での幅広い学びと
学外でのさまざまな経験で
自分の世界が大きく広がった

掲載日 2024/5/7
No.298
法学部 法学科 3年
手塚 颯一朗
栃木県立宇都宮高等学校出身

OVERTURE

「やりたいことは全てやってみよう」という思いで大学生活を送ってきた手塚さん。青学新聞の記者や法学部学生連合の代表といった学内での活動だけにとどまらず、ドイツへの学生派遣事業に参加するなど学外の活動にも積極的に参加しています。大学内外での学びを通じ、将来の夢については「官僚」と「防衛研究所研究官」の二つを視野に入れていると語ります。どのような経験が手塚さんを形づくってきたのか、お話をうかがいました。

キリスト教、ヨーロッパの政治学――幅広い学びが視野を広げた

高校で生徒会長を務めていたので、周囲との調整を通じて「組織運営」に興味を持っていました。それがきっかけで多くの人を束ねる官僚になりたいと考え、法学部を目指しました。本学に入学して感じたのは、学生が自分の関心や好きなことを、とことん追求できる環境が整っていると思います。この自由な雰囲気のおかげで、大学の内外でさまざまな活動に取り組むことができました。また、学部を横断して授業を受講できる制度を利用し、国際政治経済学部で開講している防衛研究所関連の講義を聞いたことから、防衛研究所研究官にも関心を持つようになりました。

青学らしいと印象に残っている授業が、「青山スタンダード」科目の「キリスト教概論Ⅱ」です。「キリスト教とは何なのか」という初歩から教わり、これまで触れたことのない学問分野だったので、どんどん面白くなりました。授業内では、聞いたことがある聖句も出てきましたが、背景や意味までは知りません。学んでいくうちに、自分がそれまでにイメージしていたキリスト教と結びついたり、逆にイメージが変わったりと少しずつ知識が深まっていく実感があり、大学礼拝にも積極的に参加しました。

関連リンク:牧師・チャプレンとして命と真正面から向き合う

「キリスト教概論Ⅱ」の担当教員:関野和寛先生と

ヨーロッパ政治の概念や歴史を学ぶ「政治学特論A」では、週替わりでイギリス・フランス・ドイツなど各国の政治に焦点を当て、法学部でありながらヨーロッパの政治史から国際政治学までを学ぶことができました。特に興味を持ったのはEUで、他国と協議をしながら意思決定をしていくというプロセスに興味深い関心を抱きました。授業を担当されていた清水謙先生とは個人的にお話をさせていただくこともあり、3年次に「日独学生青年リーダー交流派遣事業」でドイツ訪問した際は、帰国後にお話を聞いていただきました。

悔いのない時間を過ごしたい。やりたいことは全部やろう

大学の4年間は、長いようで意外と短いと聞きます。この時間を無駄にするわけにはいかないと思い、「やりたいことは全てやってみよう」と心に決めていました。ですから、その時々の興味に応じて、新入生の履修相談や、ボランティア活動、企業でインターンシップなど、多くの活動に参加してきました。学内はもちろん、学外のイベント情報も多数掲載されている「学生ポータル」はとても便利で、ほとんどこのサイトを活用して応募していました。

「もしもプロジェクト青学」のメンバーとして、都市防災に関するイベントを企画

本を読むのも文章を書くのも好きだったので、入学して間もなく所属したのが『青山学院大学新聞』を発行する「新聞編集委員会」でした。企画からレイアウト、取材や執筆まで、全て学生が行っています。学長や陸上競技部(長距離ブロック)の原監督など学内の方だけでなく、歌手や企業の方など、多種多様な職業の方々と出会うことができ、刺激を受けました。私は動物が好きなので、OB・OGである動物園の飼育員の方にお話をうかがったことが印象に残っています。飼育員へのキャリアパスや後輩へのアドバイスなど、自分が興味のあることを率直に聞くことができて楽しかったです。記事を作成する際も、新聞らしい体裁を意識しつつ、硬すぎず読みやすい文章になるように工夫していました。取材を通じて、今でもご縁が続いている方もいます。新聞編集委員会に所属していなかったら、お会いすることも考えられなかった方々に取材できたことは、良い思い出です。

また、渋谷周辺で7日間にわたって150を超えるプログラムと、総勢260名以上のスピーカーが参加する、ソーシャルイノベーションの祭典「SOCIAL INNOVATION WEEK 2023(主催:一般社団法人渋谷未来デザイン)」には、2年次からアンバサダーとして参加し、3年次ではパネリストとしてシンポジウムに登壇する機会に恵まれました。音声プラットフォームアプリを作成した会社の社長とディスカッションを行い、他のSNSとの差別化や音声ならではの強みなど、たくさんの学びを得ることができました。

SIW2023では、シンポジウムに登壇

2週間のドイツ滞在で、積極性や英語力を磨く

コロナ禍だった1年次に、日本とドイツが共同で主催する「日独学生青年リーダー交流派遣事業」にオンラインで参加しました。このプログラムは、ボランティア活動をしている日本とドイツの学生同士の交流を図ることが目的であり、彼らとの交流をきっかけに、政治や環境問題、街づくりなどに関するボランティア団体に参加するようになりました。特にヨーロッパでは若者の社会参画が進んでいるといわれており、実際に自ら団体を立ち上げて活動している学生の姿には刺激を受けました。

在学中に海外へ行きたいと考えていたこと、せっかくなら関わりを持ったドイツへ行きたいと思っていたことから、3年次の9月に再び参加し、ついにドイツ訪問が実現しました。2週間の滞在中は、さまざまなボランティア団体を訪ねて現地の学生と交流しました。オンラインの交流でも感じていましたが、ドイツの若者は自主性が非常に強く、団体を立ち上げるのも、複数の団体に所属するのも当たり前のようです。日本では、学生が主体となって団体を立ち上げるのはまだまれです。この経験は、私にとって大きな財産であり、将来的に自分の力で社会に貢献するためのモチベーションを高めるきっかけとなりました。海外での交流を通じて、社会参画の重要性や自己実現の可能性を改めて認識しました。

ドイツでは日本とドイツの学生の間に立ち、調整役を果たした

また、今回のプログラムに参加したことで英語学習へのモチベーションにもつながりました。会話をすることが純粋に楽しく、「もっと話したい」という気持ちが湧いてきました。帰国後は自然と英語の勉強に力を入れるようになり、TOEIC®のスコアが195点も伸びました。現在渋谷のカフェでアルバイトをしているのですが、1日に数組は海外からのお客さまがいらっしゃるので、英語を活用する場にもなっています。

大学院で安全保障を学び、組織運営に生かしたい

実は、実家がある栃木県から片道2時間かけて通学しています。週末もイベントなどで大学に来ているので、「大変だね」と言われることもありますが、毎日が充実しているので苦だと思ったことがありません。通学時間は本を読んだり課題を進めたりしながら、「学生ポータル」で新しいイベントを探して……と、大学で得られるものをフル活用しているような気がします。

大学で海外に関連する知識の吸収や英語学習などの学びを通じて最も感じているのは、「世界が広がった」ということです。人とのつながりが増えるたびに、視野がどんどん広くなっていくことを実感しました。そして、自分の世界が広がると、勉強したいことや知りたいことがさらに増えて、行動すればするほど、向上心が高まっていきました。

将来についての考えも深まり、「官僚または防衛研究所研究官を目指す」という具体的な夢が描けるようになりました。防衛省や警察庁に入り、全国の現場をまとめる組織を作りたいという思いは変わりませが、授業の中で触れた「安全保障」についてもっと知見を深めたいと考えています。そのために、今後は大学院で安全保障を学問として研究し、将来はその知識を生かしていきたいです。夢を叶えるために、これからの大学生活もやり残すことがないよう、自分の興味・関心を追求していきたいです。

※各科目のリンク先「講義内容詳細」は2023年度のものです。

法学部 法学科

AOYAMA LAWの通称をもつ青山学院大学の法学部には、「法学科」に加え、2022年度新設の「ヒューマンライツ学科」があります。法律は、人間社会の生活すべてに直結するともいえるルールです。法律を正しく理解し、公正で客観的な判断を下せる「リーガル・マインド」は社会のあらゆる領域で求められます。AOYAMALAWの国際性豊かな教育は青山学院大学の歴史とともに歩んできました。法学科では、国際的・実践的なカリキュラムを通じて、専門的知識と法的正義感を備えた「法の智恵」を養成。基本的な法律科目から多彩な選択科目まで、豊かで系統的な法知識と、それを現実に適用する技能を身に付けます。

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