効率的に時間を活用して
陸上競技部マネージャーと
宇宙研究を両立

掲載日 2022/3/31
No.143
<2021年度学業成績優秀者表彰 奨励賞>
理工学部 物理・数理学科*4年
小柳 唯菜
東京都立国立高等学校出身

OVERTURE

青山学院大学理工学部での高度な研究と部活動を両立し、輝かしい成果をあげた学生を紹介します。小柳さんは大学駅伝において他の追随を許さない陸上競技部(長距離ブロック)のマネージャーとして多忙な日々を送りながら、理工学部物理・数理学科*(※2021年度より、物理・数理学科は「物理科学科」「数理サイエンス学科」に改編))で非常に優秀な成績を収め、2021年度学業成績優秀者表彰で奨励賞を受賞しました。

宇宙に魅了され入学した理工学部で広がった知見

小さい頃から星空を眺めることが好きで、国立天文台を訪ねたり、家族で大きな公園に出かけて流星群を見たりしていました。未だ解明されていないことばかりの宇宙について専門的に学びたいという意欲が高まり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)等とも連携した授業のある本学の物理・数理学科なら深い探究ができるだろうと考え入学を決めました。入学以前の関心は宇宙にばかり向いていましたが、「量子力学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」など本学科ならではの授業も数多く受け、自分が知らずにいただけで興味深い内容だと気づけたことは大きな収穫です。

また実験では宇宙物理学科ではなく本学科だからこそ、物の理であり全ての基となる物理のさまざまな分野について、自分の手を動かしながら楽しく学べたことが印象に残っています。例えば現在、研究室でお世話になっている坂本貴紀先生からは、放射線の透過率の実験や空間放射線の測定をご指導いただき、五感で感じ取ることのできないものが自然界に実はこんなにもたくさんあるのだと驚きを覚えました。他にも青山スタンダード科目「自己理解(総合科目)」は、ふだん交流のない他学部の学生たちとのグループワークにより多様な考え方を知る良い機会となりました。

トップチームだからこそ得られた貴重な経験

中学から陸上を始め、高校では長距離種目の選手として3年次の11月まで部活動に打ち込んでいました。大学でも続けようかと思っていましたが、女子長距離が体育会の部活動にはなかったので選手を支える側に回ろうと決め、陸上競技部(長距離ブロック)でマネージャーを務めました。箱根駅伝(東京箱根間大学駅伝競走)では、コロナ禍以前の1、2年次に現地へ赴き、沿道で応援する方々の熱気など現場の雰囲気を生で体験し、「やっぱりすごい大会なんだ」と感激したことが鮮明に思い出されます。入学当初は4連覇の直後だったため、部内には勝って当たり前という雰囲気がありました。その後は惜しくも優勝を逃す年もありましたが、周囲からは「感動した」という声が寄せられ、勝敗だけが全てではなく、真剣に打ち込む姿こそ人の心を動かすのだと、感動を与え喜びを提供することの素晴らしさを学びました。今年は見事に優勝し、活動を有終の美で飾れてうれしい限りです。

陸上競技部(長距離ブロック)のマネージャーたちと

マネージャーは班ごとに仕事を分担しており、私はホームページや他大学の選手のデータ収集などを担当しました。実際に「コンピュータプログラミング演習」で学んだ知識を生かすことができ、コードの扱い方やエラーへの対処など、実践によってさらに技術を伸ばすことができました。昨年から原晋監督がプロデュースしている「絆記録挑戦会」では、審判員の方々との調整や、他大学のみなさんとのやり取りなどこれまでになかった経験を通し、コミュニケーションスキルも向上したように思います。そもそも絆記録挑戦会とは、コロナ禍のため多くの大会が中止に追い込まれる中、選手たちが正式記録を残せる機会をつくる意味合いも強く、逆境にあっても諦めず新たな試みにチャレンジする監督の姿勢からは大きな影響を受けました。
マネージャー活動を振り返ってみると、トップチームに関わるという貴重な機会を得て、本学だからこそ叶えることができた経験ができた充実の4年間でした。

恵まれた学習環境で集中力を発揮

学部での4年間は陸上競技部(長距離ブロック)のマネージャー業務で忙しかったこともあり、効率良く時間を使うように心がけていました。授業には「内容を全て吸収するぞ」という意気込みで集中して臨み、研究室では疑問を友達と確認しあったり、その場で見守っている大学院生の先輩に質問したり、とにかく分からないことを持ち越さないように努めていました。空いた時間を利用して、自習のために頻繁に通っていた「万代記念図書館」は、お気に入りの場所です。静かで広々とした館内に設置された大きな机を前にすると、いつも集中して学習を進めることができました。充実した施設のそろった相模原キャンパスは、素晴らしい先生や先輩にも出会うことができ、とても学びやすい環境です。そのおかげもあり2021年度学業成績優秀者表彰では奨励賞をいただくことができました。

向学心を後押しした特別給付奨学金で大学院へ

現在、所属している坂本貴紀先生の研究室では「ガンマ線バースト」の研究を行っています。ガンマ線バーストとは宇宙のある一点から短時間で膨大な量のガンマ線が放出される現象で、依然として多くの謎が残されています。私は遠隔操作が可能な大型望遠鏡を使い、ガンマ線バースト発生後に残った光を追って観測することを目的に取り組み、自分が宇宙に惹かれた理由である「未解明な宇宙」の解明にわずかでも関われるかもしれないとワクワクしながら日々、研究に励んできました。
理工学部では大学院へ進む学生の成績に応じて、授業料の半額~全額が給付される奨学金を導入しています。私は授業料が実質全額免除となり、4月から大学院に進学して引き続き坂本研究室で研究を続けることが決まっています。当初は就職も考えていましたが、学部の4年間は部活動を中心に回っていた印象が強く、もう少し勉強したいという心残りもありました。そんな最中、この授業料免除という機会を与えていただき、背中を押された思いで進学を決意しました。

大学院生になったら今まで以上に真摯に研究に向き合うことはもちろん、さまざまなジャンルの書籍や名作映画等から幅広い教養を培ったり、英語以外の言語を学んだり、新しい分野にも挑戦しようと考えています。目標に向かってがむしゃらに全力で取り組むことは、学生時代だからこそ挑戦できるのではないでしょうか。学生の今だからこそできること、したいことを見つけ、やり切ったと自信を持って言えるような大学生活を共に送りましょう。

理工学部 物理科学科

青山学院大学の理工学部は、数学、物理、化学といったサイエンスと、テクノロジーの基礎から最先端を学ぶ環境を整備しています。国際レベルの研究に取り組む教員のもと、最新設備を駆使した実験、演習、研究活動の場を提供するとともに、独自の英語教育を全7学科統一で実施。未来志向のカリキュラムにより、一人一人の夢と可能性を大きく広げます。
物理学は根源原理がシンプルで、幅広く応用できる学問です。物理科学科では、原子から宇宙まで、そして半導体や超伝導物質についても学びます。また、生命科学も物理学の手法で解明します。これらの研究においては、古くからビッグデータの解析(データサイエンス)が必要で、AIの普及は、物理学を基盤とする我々にとって、とても魅力的な時期です。講義や実験・演習形式の授業を通じて物理を学び、充実した設備環境での実験により自然現象や先端技術に対する理解を深めます。

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