青学だったからこそできた
駅伝出走、学び、留学、
そして就職

掲載日 2021/3/16
No.66
地球社会共生学部
地球社会共生学科4年
神林 勇太
熊本・私立九州学院高等学校出身
体育会陸上競技部(長距離ブロック)主将(2020年1月〜2021年1月)

OVERTURE

本学の進路・就職支援は、1・2年次の早期から3・4年次の就職活動本格時期まで、一貫したサポートを行っています。働くことの意義を理解し、自分に合ったキャリア形成に向け、具体的な準備や行動ができるようサポートしていきます。陸上競技部での活動をはじめ、地球社会共生学部での学びや留学を通して、大きく成長し、ビール会社への内定を決めた学生をご紹介します。

主将として見届けた箱根駅伝

2021年1月3日(日)、青山学院大学が箱根駅伝(第97回東京箱根間往復大学駅伝競走)復路優勝という意地を見せて、総合第4位でフィニッシュした瞬間に、私の陸上競技生活は終わりました。2020年の年末に判明した疲労骨折のために、最後の箱根駅伝を欠場せざるを得なかった私でしたが、「これで終わった!」というホッとした気持ちがこみ上げてきました。もちろん、私も走りたかったです。でも、主将としてチームのためにどうふるまうべきかを第一に考え、仲間をサポートしようと気持ちの整理はついていたので、悲しみや悔しさはありませんでした。
主将を務めたこの一年、練習では先頭に立って背中で仲間たちを引っ張り、グラウンドを離れれば皆を後ろから見守るつもりで部をまとめてきて、なんとか大役を終えられたことが感慨深かったです。

最後に給水役として、9区を走る3年生の飯田貴之選手と30m並走した時は、さすがに胸にこみ上げるものがありました。
中学校に入学して吹奏楽部にでも入ろうかと思っていたほど、私は運動が特に好きというわけではありませんでした。ただ、「運動部に入った方が良い」と両親に勧められ、それなら「誰でも走ることぐらいはできるから」という軽い気持ちと、たまたま父が箱根駅伝が好きだったという程度の理由で、陸上部に入りました。
そこから自分でも知らなかった才能が目覚め、10年も陸上競技漬けの生活を送ることになるとは、今ふり返っても不思議です。練習はきつく、友だちと学生生活を楽しむ時間もなく、陸上をやめたいと思ったのは一度や二度ではありません。それでも、父のひと言が平凡な自分を変えてくれたという感謝の気持ちや、「自分から陸上を取ったら何もない」という思いから、結局はずっと原晋監督の元で努力する日々を選びました。

自ら選んで進学した青山学院大学

原晋監督は、やはり大きな存在でした。大学進学時には、他の箱根駅伝出場校への進学も選べる状態でしたが、自主性を重んじる原監督の指導を受けたいと思って青山学院大学への進学を決めました。
また陸上競技だけでなく、青学を選んだ理由はいくつかありました。たとえば、地球社会共生学部という新しくユニークなカリキュラムの学部に惹かれたこと。留学を教育の中心の一つとしていて、海外について何も知らないからこそ留学に挑戦してみたいと思いました。幅広い分野から学びを選べる全学共通教育システム「青山スタンダード」も魅力でした。それから、出身高校がたまたまキリスト教教育を基盤としていたので、キリスト教が人間形成に与える良い影響を体感していたことと、高校の先生からも、私には青山学院大学が相応しいと勧められました。


一方で、おしゃれで先進的なイメージが、地味な私には負担になるのではと心配でもありましたが、入学してみるとそのイメージは一変。学生たちは皆、堅実で勤勉な人ばかりで、自分も良い刺激を受けることができました。
4年間、青学で過ごすことができて良かったと思っています。ただ、私には陸上の練習や活動があって自由な時間が殆ど取れなかったので、学部の友人たちがせっかく食事などに誘ってくれても行けないことが多く、あまり学部での交流を深められなかったことは残念でした。陸上はやり切ったという充実感がありますが、もっと友人たちと過ごす時間もほしかったと切実に思います。

ユニークな地球社会共生学部での学び

期待していたとおり学部での学びは、とても興味深かったです。3年次に齋藤大輔先生のゼミナール(ゼミ)に入り、アジアの比較文化などを学びました。印象的だったプロジェクトは、タイのオーガニックコーヒー豆の認知度を向上させる活動です。現地を訪れた青学生の学びをフィードバックしてもらい、相模原キャンパスで展示会を開くために集客の工夫をしたり、オーガニックについての展示や説明を企画したりして、とても有意義でした。
また、福島安紀子先生の「紛争・難民・平和構築」の授業には衝撃を受けました。あまり海外に目を向けて来なかったので、この現代における紛争や内戦の悲惨な状況や難民問題の困難な状況を自分事として捉えられなかったからです。平和な日本にいると実感しにくいさまざまな課題を突き付けられ、視野を広げられたと思います。

そして、やはり一番印象に残っているのは留学です。留学先大学での語学等の学びの他に、現地でのフィールドワークも行いました。私は〝服〟をテーマに選び、日本の服との違いを探るところから気候や社会などの違いに気づき、それをさらに「なぜ」と深めていきました。はじめのイメージよりも、実際に行ってみるととても興味深い学びができました。
留学では何より、内面から自分が変われたことが大きかったです。改めて自立する必要性を身に染みて感じ、留学後の自分はかなり成長できたと思います。それは競技面にもはっきりと表れていて、留学前には駅伝を一度走っただけだったのですが、留学後には大学三大駅伝すべてに出走できるほど成績が伸びました。

原晋監督の元だったからこそ経験できたことを糧に

私の陸上競技における最大の目標は箱根駅伝だったので、大学卒業後は陸上競技も卒業することに迷いはありませんでした。原晋監督からは陸上競技を続けることを勧められましたが、決意は揺るぎませんでした。ただやはり競技で日々忙しかったので、準備万端の就職活動とはいかず、何も知らず、リクルートスーツすら用意していない状態からのスタートでした。
就職活動では、私たちのようにずっと部活に明け暮れていた学生なら、普通は駅伝に出たことや競技成績をアピールするものだと思います。でも、私の場合は競技そのものについてはそれほど語らずとも、もっとアピールできるものがありました。それは、部活動の目標達成に向けて、学生主体でアプローチしていたことです。


陸上競技部では毎月学生同士でミーティングをし、それぞれが今月の目標を立てていました。そして、それを実現するために自分が何をするかを部員の前でプレゼンテーションを行い、それに対して他の学生が意見を言い合うのです。
就職活動では、陸上競技だけでなく、陸上競技部での活動をとおして培った計画実行力をより評価していただけたように感じています。原晋監督の自主性を重んじるご指導があったからこそ、仕事をする上でも大切なことが身に付きました。
今春からは社会人となり、サッポロビール株式会社に就職する予定です。職場でも信頼される人間になれるよう、気持ちを新たに頑張りたいです。

在籍している学部

地球社会共生学部

2015年4月に開設した青山学院大学地球社会共生学部では、共に生きる―共生マインドをテーマに、急成長する東南アジアを学びのフィールドの中心として、教養と社会科学の専門性を併せ持った、グローバル人材を育成します。世界の経済は、これまで欧米を中心としていましたが、今後、アジアを中心とした経済に変わろうとしています。また、アジアは世界最大の英語使用圏になると予想されており、コミュニケーション能力の向上が大きなテーマとなっています。

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体育会陸上競技部(長距離ブロック)

1918年に創部された、伝統あるクラブです。原晋監督のもと、相模原キャンパスで練習に励み、大学3大駅伝と言われる出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)をはじめとした長距離競技の大会に出場しています。毎年設定されるチームテーマのもと、部員一人一人の高い目標達成意識と、4年生を中心とした統率のとれたチームづくりが特徴です。みなさまの応援のおかげもあり、2015年に青山学院史上初の箱根駅伝総合優勝を果たして以来、箱根駅伝4連覇や大学駅伝3冠など、さまざまな快挙を達成してきました。これからも目標に向けて努力していきますので、応援よろしくお願いいたします。

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