どんなときも
「自分で考えられる人」
になるために

掲載日 2019/3/30
No.05
青山学院大学演劇研究会 会長
伊賀 彩夏
AYAKA IGA
文学部日本文学科 3年

OVERVIEW

大学での学びは、授業だけに留まりません。
部活動やサークル活動、
ボランティアなどの課外活動で自己研鑽を積み、
社会に出て羽ばたくための
翼となる知見を得た学生を紹介します。

はじまりは、
「役に立つ人になりたい!」という思い

小学3年生の頃から児童劇団に入り、中学高校時代も演劇部に所属していたので、青山学院大学に入学後も演劇を続けることに迷いはありませんでした。大学には「青山学院大学演劇研究会」(以下、「青劇」)以外にも、ミュージカルをする「総合舞台芸術愛好会」などがありますが、歌や踊りがなくシンプルに演劇を上演する団体は青劇だけだと思います。
入部して最初は役者をしていましたが、制作に関わることをもっと知りたいという欲求がとても強くありました。先輩に相談したところ「それなら舞台監督か演出をしてみるといい」とアドバイスを受けたので、1年の夏公演では演出補佐に就きました。本番2日前、実際に芝居を行う場所で舞台装置のチェックを行っていた時のことです。

仕掛けがうまく動かないというトラブルが発生しました。しかし、対応する先輩方の横で私は何ひとつ有益に動くことができず、そんな自分にショックを受けました。
「何かトラブルが生じた際に、代案が出せるような役に立つ人になりたい」。その時に芽生えた思いを胸に、その後、制作などのさまざまな役割を経験した後、最終的に舞台監督を務めるようになりました。舞台監督は、スタッフ全員を取りまとめるのが主な仕事です。問題なく公演が行えるように、各部署間をつなぎ、まとめる役割を担います。全体の進行を包括的に眺めながら、準備に見落としがないかをチェックしたり、ある時は別々の部署同士を連携させて制作がうまく運ぶようアドバイスしたり、より良い公演にするために、あらゆることをします。
どの公演でも、私は反省ばかりしてしまって「うまくいった!」と手放しで喜ぶことはあまりありませんでしたが、その後の公演でできなかったことがうまくいったりすると自分の成長が感じられるので、反省ばかりする自分も「悪くない」と思っています。

演劇をつくることにも
生きる、文学部での学び

青山学院大学を目指した理由は単純で、まず立地に大きな魅力を感じたからです。流行の最先端である東京・表参道にありながら、キャンパスは狭すぎず、緑に恵まれていてとても穏やかな空気が流れています。また、勉強したいと思っていた日本文学科の入学案内パンフレットを見た時、そこには「物事を総合的にとらえて考えられる人」と綴られていました。世間の風潮は理系偏重で、ともすれば文学系の学科は、勉強したからといってその人の人生に、もしくは社会の何に役に立つのかと言われがちでしたが、そこに拘泥するのではなく、「考えられる人になる」ことを促している姿勢を素直にカッコいいと感じました。

入学してからは、文学よりも日本語学に重きを置いて勉強しています。大学はダブルゼミやトリプルゼミをとることもでき、ずっと同じゼミで勉強することも可能で、いろいろなことを勉強できます。私は4年次に2年次にとったゼミに戻り、そこで話者が伝えたい言葉の意味が、周囲の状況によって聞き手には異なった意味で解釈されるという「語用論」について研究したいと思っています。
語用論の基本の考えは「言葉だけでは伝わらない情報がある」ということですが、これは芝居を作るうえでも重要な考え方です。例えば、「この部屋キレイね」というセリフは、整頓された部屋で言われれば褒め言葉になり、雑然とした部屋でなら皮肉になります。演劇はラジオなどとは違い、劇場という空間の中で行われるものです。
だからこそ、セリフに頼るのではなく、舞台美術や音響、照明を使いながら、空間全体で何を語るかを意識しています。全てを説明するのではなく、来てくださった方が考えながら観られるようにすることで、より印象に残る観劇体験を生み出せるのではないかと考えています。

常に考え続けられる
「カッコいい人」になる

青劇で舞台監督を務めたことで、それまでよりも自分の視野が広くなったと感じています。自分ができることには何にでも関わっていくのが舞台監督の仕事なので、いつも周囲がどう動いているのかに気を配っているからです。また自分の意見を言う場合には、自分の立場だけで物事を判断して押し付けることのないようにしています。
見方が偏ると軋轢が生じて、舞台を上演できなくなりかねないからです。各スタッフの立場、観客の立場、芝居小屋などの関係する外部の方の立場など、さまざまな視点で見て、考えて、動くことで、はじめて舞台監督としての役割を果たし、一つの芝居を上演することができます。上演を告知する広報活動、会場に設置する受付、事前準備なども含めて一つの演劇なので、そこは常に意識して動いていたいと思います。

こうした複数の目線で物事を考えられるようになったことは、私が青山学院大学に入るきっかけとなった日本文学科の入学案内パンフレットの「物事を総合的にとらえて考えられる人」という言葉の実践とリンクしているように思います。あの時に目指したような人間に実際になれているかどうかはまだわかりません。
ですが、いつまでも考え続けられる人でありたいですし、その思考を将来的にも役立てて、どんな仕事に就いたとしても漫然と仕事をするのではなく、常に複数の視点を持って考えながら仕事をしていきたいと思っています。

青山学院大学 演劇研究会

新入生歓迎公演(4月)・新人公演(6月)・夏季公演(8月)・青山祭公演(10月)・卒業公演(3月)の年5回、定期公演を行っています。そのほか部員が有志とユニットを組んで行う自主公演もあります。短いスパンで公演を行うため、週に4日練習をしており、部員間の連帯感や絆が自然と強くなります。公演は、青山キャンパスの教室のほか、都内近郊の芝居小屋でも行っています。

Welcome to Aogeki!!

アオゲキのスミカ

①演劇研究会部室

お昼には部員がここに集まって、ご飯を食べていることが多いですね。時には座れないほど人が集まることもある、不思議な魅力のある場所です。大道具、小道具、衣装など活動に関わる物以外に、過去の公演のフライヤーなども保管されていて、よく眺めています。実際には会ったことがない先輩方にも、フライヤーを通して勝手に親近感を感じています。

朝原 健翔
理工学部 物理・数理学科
1年

②課外活動室

大きい声が出せて、広く動ける場所なので、日頃の稽古で使用することが多い場所です。また、部室に近く、荷物の移動がしやすいので、大道具の作成などもこの部屋でやることが多いですね。机や椅子がたくさん置いてあるので、それを引っ張り出してセットとして活用することもしばしば。

澤野 温海
教育人間科学部 教育学科
2年

③青山学院アスタジオ

長期休み中によく使う稽古場です。広くて動ける場所なので稽古がしやすいし、備え付けの照明器具を使えるのもうれしいポイントです。大学のすぐ近くなので、青山学院大学の学生にたくさん来てもらいたい新歓公演などはここで行っています。無料で使えるということもあって、本当に活動の助けになっていますね。

片寄 太智
経済学部 経済学科
1年

インタビュー動画

バックナンバー