理工学部 化学・生命科学科
生命情報科学

諏訪教授からの
Message

理工学部 化学・生命科学科 教授
諏訪 牧子

化学・生命科学科では、物質の本質と可能性を探究する「化学」を基盤に、生命現象の本質を探究する「生命科学」を融合した研究を進めています。諏訪研究室では膨大なデータベースを基に、ゲノム、遺伝子、タンパク質など生命に関わる情報を研究しています。

Q.研究内容について教えてください。

 当研究室では、「バイオインフォマティクス」の手法を用いて、生物の体内に存在する膜タンパク質という分子の構造や働きを解明するための研究を主に行っています。
 「バイオインフォマティクス」を日本語に訳すと「生命情報科学」となります。ゲノム、 遺伝子、タンパク質など、生物を構成するさまざまな生体分子の膨大な情報を、(顕微鏡やシャーレなどを用いての生の実験ではなく)データベースから得て、コンピューター上で効率的かつ網羅的に解析するという点が特徴的です。この学問の進展はとても早く、近年はいわゆる AI で使われる機械学習手法も使われています。
 これにより、膜タンパク質同士の相互作用から生じる生命現象の神秘という根源的なテーマに関する知的探究心を満たすとともに、実用面においては、新しい薬品の開発などへの貢献が期待できます。

Q.学生たちの学びの姿勢は?

 彼らはまず生命科学の知識とプログラミングを習得して研究に進みます。学年によっても個性は違いますが、特に今年の4年生はとても素直で熱心です。学んで研究す る上で素直さというのは長所に違いありません。ただ彼らがさらに成長するためには、時に失敗を恐れず自分の経験の枠組みから 飛び出してほしいとも思います。
 挑戦をすれば失敗もありますが、私は失敗の中にこそ真実があると思っています。失敗を真摯に受け止め、原因を見つめることで、今後へのヒントが得られますし、失敗から立ち直る経験は心に強靭なバネを育てます。彼らの中の既存の価値観では効率が悪いとされたり失敗と捉えられたりする事柄の中にこそ、新しい宝が隠れていることも多々あります。学生たちには思い込みのフィルターを外し、ありのままの事実を受け止める新鮮な目を養ってほしいと思いま す。

Q.学生を指導する際に心掛けていることや、 伝えたいことは?

 本研究室では毎年1学年の人数は5〜6人ですが、これは化学・生命科学科における一般的な研究室の半分のサイズです。学生一人一人に個別のテーマを与えることで自律的な研究を促しています。そして各自の研究につい て私との密なディスカッションを通して、研究の質が向上するよう心掛けています。
 私自身、本学の卒業生ですが、在学当時から素直さと思いやりの校風を感じていました。 本研究室でもその校風を受け継ぎ、まずは人として基本となる感謝、礼儀、責任感などを、学生がしっかり身に付けられるよう意識していきたいと思っています。良い研究の基本には良い人間性が欠かせないものだからです。その上で学生には、苦しい場面でもクスッと笑えるような、心に余裕のある人間に成長してほしいと思っています。

学生の
Message

理工学部 化学・生命科学科4年
神奈川県立川和高等学校出身
蝦名 里月(えびな りつき)さん

 もともと“自分”を構築しているものとして、人体のメカニズムに興味をもっていたため、化学・生命科学科に進みました。その中でも、パソコンを使って研究する「バイオインフォマティクス」という手法にスピード感と面白さを感じ、諏訪研究室を志望しました。

 研究室の雰囲気はとても良く、周りからも「諏訪研究室は仲が良いね」と言われるほどです。それと同時に、やりたいことを後押ししてもらえる環境が整っているので、安心して自分の研究に打ち込むことができています。
 私が現在取り組んでいるのは、創薬ターゲットとなるタンパク質に関するデータの収集です。地味で根気のいる作業ですが、データを集めれば集めるほどデータベースの精度が向上し、より優れたものに磨いていくことができるという点に大きなやりがいを感じています。
 大学院に進学予定で、タンパク質の動きをシミュレーションするためのプログラミング技術を身に付け、将来的には自分の知見を食品や化粧品開発の分野に生かしたいとも考えています。

※この記事は、大学広報誌AGU NEWS No.96(2020年2月28日発行)に掲載されています。
※登場する人物の在籍年次や役職、活動内容等は取材時のものです。

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