学びとボランティアの
相互作用で地域を元気に

掲載日 2022/5/25
No.153
コミュニティ人間科学部
コミュニティ人間科学科 3年
小泉 彩乃
神奈川県立横須賀高等学校出身

OVERTURE

大学での学びは、キャンパスでの授業だけにとどまりません。部活動やサークル活動、ボランティアなどの課外活動で自己研鑽を積み、社会に出て羽ばたくための翼となる知見を得た学生を紹介します。相模原市にある認知症対応型デイサービス「おとなり」でボランティアとして活動する小泉さんは、授業で学んだ地域活動の考え方や知識を生かし、「おとなり」を拠点に周辺地域を元気にする活動にもチャレンジしています。

デイサービスで一人一人に寄り添う

 私がボランティアをしている「おとなり」は、相模原市にある相武台団地商店街の一角にある、認知症の方に対応したデイサービスです。2021年にオープンした利用定員8人の小さな施設で、利用者の方がほっとできる雰囲気や居心地の良さを大切にして運営されています。青学のボランティアセンター(現・シビックエンゲージメントセンター)の募集を見て「おとなり」のことを知り、小規模で新しいことに挑戦できる環境とアットホームな点に魅力を感じて、活動に参加することを決めました。

 昨年は週2回「おとなり」に通い、1回2~3時間程度、利用者の方とお話をしたり一緒に活動したりして楽しい時間を過ごせるようお手伝いしていました。「おとなり」のスタッフのみなさんは、利用者一人一人が楽しく一日を過ごせるよう気を配りながらケアを行っています。その姿に触れるうちに、私も利用者の方それぞれの経験や思いに合わせた寄り添い方を意識するようになりました。料理が好きな方とシュークリームやクッキーを作ったり、美空ひばりさんが好きな方とは歌を歌ったり、私自身も利用者の方と一緒に楽しみながら活動することができました。
 今年は、シビックエンゲージメントセンターの学生スタッフの一人として、「おとなり」での活動に加え、相武台団地全体の活性化にも取り組んでいます。今後は、商店街での定期イベントなどを通して、住民のみなさんと広く深くかかわる活動をしていく計画です。

深くつながる学部の学びと地域活動

 私が在籍するコミュニティ人間科学部では、地域という身近な場所を理解し、地域が抱える問題をどう解決するかをさまざまな授業を通して学んでいます。ボランティアを始めたのも、それまで学部の授業で学んできた地域活動や地域福祉の現場に、自分も関わってみたいと思うようになったからでした。実際に、活動を行っているとさまざまな場面で授業とのつながりを感じることができます。
「おとなり」や相武台団地でたくさんの人と関わる中で、私にとって家族や友達が大切な存在であるように、「おとなり」の利用者や団地で暮らす一人一人も、誰かにとっての大切な存在だと感じるようになりました。その思いと、「地域福祉で重要なのは全ての人の自分らしく生きる権利が保障されること」という地域福祉論の授業での学びが重なり、地域のすべての人を「大切な存在」と捉えて気にかけることが、地域全体の福祉の向上につながるという気付きを得ることができました。

 また、「コミュニティ活動支援論」の授業では、地域の関係が希薄化している今、人とのつながりをつくるためには普段から交流できる場所を確保することが大切だと学びました。相武台団地でも、住民の孤立化は大きな課題です。これから取り組む地域活性化の活動では、授業での学びを生かし、日常的に人が集まるような企画や場所づくりを目指したいと思っています。
「おとなり」と同じ商店街には、相武台団地にゆかりのある女性が、地域を活気づけたいという思いでオープンしたカフェがあります。そのカフェがコミュニティ人間科学部の地域実習先としてプログラムに加わり、今年はそこで地域実習にも取り組みます。相武台団地での学びがさらに広がるのが、とても楽しみです。

一歩踏み出す力をくれる青学の環境

 今でこそ楽しく活動していますが、ボランティアを始める時は、少し勇気が必要でした。ボランティア活動に対して、必要以上に責任感や使命感を感じてしまっていて、授業やサークル活動と両立できるか不安だったからです。迷いが残ったまま活動をスタートさせたのですが、シビックエンゲージメントセンターのコーディネーターの三神憲一さんや、「おとなり」の管理者の能勢光さんから「ボランティアは日常的に誰でもできること。できるときにできることをすればいい」とアドバイスをいただいたことで吹っ切れ、思い切って活動できるようになりました。

 ボランティア活動に限らず、青学には、勇気を出して一歩踏み出そうとする学生を、周りの友達や先生方がフォローしてくださる環境があります。私もたくさんの方に支えられながら人とのつながりの輪が広がり、たくさんの新しい経験をして自分への理解を深め、人として成長することができたと感じています。
 また、大学での学びや「おとなり」での活動を通して、自分が暮らす地域でも、そこに住む人たちとのつながりを大切にしていきたいと考えるようになりました。「おとなり」や相武台団地がめざすのは、同じ地域で暮らす人がつながりを感じて関わりあい、豊かな生活を共有できるコミュニティだと思っています。地域の一員としてそうしたコミュニティをつくる力になるため、学部での学びをさらに深め、社会教育士の称号を取得して、将来的には社会教育に関わる活動に参加していきたいです。

 コロナ禍で、それまで当たり前のように対面で会っていた友達と会えなくなった時、自分が元気でいるためには、誰かとつながっていることがどれほど大切なのかを痛感しました。私にとって人とのつながりは、幸せと楽しさと元気の源です。将来どの地域で暮らすことになっても、その地域の活動に参加し、人と人をつなぎ、活力のある地域づくりに貢献していきたいと思っています。

三神 憲一 さん
シビックエンゲージメントセンター
コーディネーター

シビックエンゲージメントセンターでは、自治体や企業、市民活動団体と連携したさまざまな市民協働プロジェクトを展開しています。小泉さんが参加している相武台団地活性化プロジェクトも、そのひとつです。コーディネーターとして地域の方々とお話ししていると、地域が青学生に寄せている期待の高さを感じます。シビックエンゲージメントセンターが学生と地域をつなぐハブとなり、学生のみなさんが地域からの期待に応えてさまざまな場所で活躍できるようサポートしていきたいですね。

コミュニティ人間科学部

コミュニティ人間科学部では、日本国内の地域に着目した社会貢献を追求します。地域文化とそこに暮らす人々の理解を深め、より良いコミュニティ創造に寄与する力を培います。幅広い知識の学び、体験し行動するプログラムを通じて、自ら課題を発見・解決し、地域の人々との互助・共助のもとにコミュニティの未来を拓く力を育成します。 日本の地域社会は高齢化や過疎化などさまざまな課題に直面しています。地域を活性化し、その地の持続的な活動が行われるよう、地域社会の人々や行政について理解を深め、市町村やNPOと連携して体験的実習に取り組みます。専門家として、住民として、現場で活躍し続けられる人材を育成します。

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シビックエンゲージメントセンター

シビックエンゲージメントセンターは、2016年に設立したボランティアセンターをもとに、青山学院のスクールモットーである「地の塩、世の光」を体現する人物、サーバントリーダーの育成に向けて、実践するボランティア活動や市民協働活動を促進させる目的で2022年4月1日に設立しました。
 学生・教職員にボランティア活動機会や市民協働活動を提供し、支援することで、自発的な社会活動への参加を促すとともに、学生・教職員が、社会が抱える様々な課題の解決に取り組み、社会貢献活動に積極的に取り組めるように支援しています。

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