就職活動での自己分析は、
「強い意志」と
「縁の下の力持ち」

掲載日 2020/10/22
No.41
文学部
英米文学科4年
小池 菜央
兵庫・私立須磨学園高等学校出身

OVERTURE

本学の進路・就職支援は、1・2年次の早期から3・4年次の就職活動本格時期まで、一貫したサポートを行っています。働くことの意義を理解し、自分に合ったキャリア形成に向け、具体的な準備や行動ができるようサポートしていきます。4年間でステップアップし、総合商社への内定を決めた学生をご紹介します。

就職活動の後れが心配でも
貫いたイギリス留学

イギリスの作家シェイクスピアが好きで、イギリス文学に興味があったので文学部英米文学科に入学しました。文学の研究には基本的に「間違い」はなく、同じ作品でも人によって解釈の仕方や感じ方が異なることが魅力です。講義やゼミナール(ゼミ)で「自分と異なる意見にあえて触れ、深掘りして理解する大切さ」を学んでいます。
基礎演習とゼミで、作品のバックグラウンドを大切にする松井優子先生の講義を受け、作品の舞台となった場所に行って、実際にその場の空気に触れることが作品への深い理解につながることも知りました。
「それなら、イギリスに留学したい!」
そう思ったのは3年生を終える頃で、留学すると就職活動で後れをとってしまうかもしれない、という懸念がありました。大学の進路・就職センターに相談すると、留学生向けの就活支援やWeb Ash (進路就職支援システム)で見られる就職対策講座の動画があることを教えていただけました。心配が払拭されたわけではありませんでしたが、思いきって1年間休学し、留学することにしました。
実際、留学期間中にもWeb Ash を活用できたことで、焦る気持ちを抑えられたと思います。オンラインでの企業説明会もあり、ネット環境さえ整っていれば、留学中でもある程度は就職活動をすることができました。

留学先のキャンパスです。歴史の重みを感じました。

留学中は同級生とのおしゃべりが一番の息抜きでした 。

好奇心旺盛な私が興味を
持ったのは総合商社

私はもともと、どんな業界で働きたいかというイメージが全くなかったため、まず自己分析から始め、自分の興味そのものや、どのような働き方をしたいのかについて考えました。そして、帰国後の冬から4年生の春にかけて、オンラインも含めたできるだけ多くの説明会に参加することを心がけました。
そのうち、徐々に興味を持つようになっていったのが、総合商社です。幼い頃から好奇心旺盛で、いろいろなことにチャレンジして自分の知識やスキルを増やすことが好きだった私は、豊かな社会を実現するため、常に挑戦できる環境で働きたいと考えたのです。幅広いフィールドで事業を展開し、特定の「モノ」を持たない総合商社は、いろいろな可能性を秘めています。そしてモノにとらわれることなく、さまざまな角度から、より良い社会の実現のために挑戦し続けることができます。まさに私に合った業界だと思いました。

3月中旬~4月上旬にかけてエントリーシートを提出し、書類選考通過の連絡を受けた後は、6月の面接まであまり大きな動きはありませんでした。しかし多くの総合商社では4~5月に部署ごとの詳細な説明会が行われ、社員の方に直接質問できるオンライン座談会が準備されていました。これらに参加することで企業や業務の疑問を解消できただけでなく、企業の雰囲気も感じることができました。6月に入ると一気に面接が始まり、一次面接から最終面接まで3日間で内々定に至るというスピード感には驚きました。

自ら何かを生み出す
よりも、人を支える
仕事をしたい

私は、総合商社の一般職を志望していました。総合職をしっかり支える立場の一般職を選んだのは、自己分析で「強い意志がある」「縁の下の力持ちである」と自分を評価したからです。「強い意志」は、就職活動の遅れという心配があっても、休学までして文学への学びを深める留学をするためには欠かせないものでした。実際、その強い意志で留学生活をまっとうしたことは、自信になっています。

また「縁の下の力持ち」は、サークル活動の経験から確信したことです。私はミュージカル公演を行う「公認愛好団体 総合舞台芸術愛好会」で、運営代表としてお金の管理や稽古場の予約、公演会場の手配など、舞台の土台になることすべてに関わっていました。舞台には立ちませんが、舞台の成功を裏から支える仕事が好きだったのです。
こうした私の性格や持ち味を生かせる仕事――それが総合商社の一般職だと思い至り、自分にマッチした仕事だと確信しました。

サークル活動では舞台を作る難しさを学びました。

充実した大学生活の後に、社会人として貢献する日々が待っている

就職活動を振り返ってみると、初めは自分の就活の足を引っ張ると心配していた留学経験が「強い意志」の裏付けとしてプラスになっていたと感じています。
学びの面でも、もちろん有意義でした。現在は『イギリス文学における「天気」が持つ効果と担う役割』について研究しています。イギリス留学当時、日常生活を送る中で変わりやすい天気が非常に印象に残りました。そのようなイギリス特有の天候が文学にも反映されているのではないかと考え、このテーマを選び、私のイギリス文学研究の集大成としたいです。
充実した大学生活も、もうすぐ終わります。社会に出たら限界を決めずに、常に課題と向き合いながら、自分が成長するのはもちろんのこと、企業の成長にも貢献できる働き方を心がけていきたいです。

小池さんの就職活動スケジュール
(2019.4~2020.3イギリス留学のため休学)

  1. 2018年 4月

    就職ガイダンス参加

  2. 2018年 5~6月

    就活基本講座参加

  3. 2018年 5~11月

    青山スタンダード「インターンシップⅠ」受講
    (授業の一環として5日間、百貨店(小売業)のインターンシップに参加)

  4. 2019年 12月〈留学中〉

    就職情報サイトが提供しているオンラインでの就活対策講座を複数視聴

  5. 2020年 
    1~2月〈留学中〉

    インターンシップに参加
    (専門商社2社、食品1社、印刷1社、いずれも1day)

  6. 2020年 
    2月〈留学中〉〜4月

    就活情報サイト主催の業界研究イベントに参加(会場1回、WEB1回)

  7. 2020年 
    3月〈留学中〉〜4月

    就活情報サイト主催の企業説明会(2回)、企業主催の就活説明会に参加
    エントリーシート提出(17社)、WEBテスト受検

  8. 2020年 
    3月〈留学中〉〜5月

    企業主催のオンライン座談会、部署ごとのオンライン説明会に参加
    (主に総合商社)

  9. 2020年 6月

    面接

在籍している学部

文学部

青山学院大学文学部では、「人類への奉仕をめざす自由で幅広い学問研究」を行うという大学の理念のもと、歴史ある人文学の成果を共通の知的基盤として、文学部を構成する5学科それぞれの専門性に立脚した目標を設定しています。

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