学生時代に
全力で探求した
マーケティングと
自分らしさ

掲載日 2021/4/26
No.76
株式会社コーセー
コンシューマーブランド事業部
経営学部卒業
片山 詩織

OVERTURE

大学での学びのフィールドは、授業はもちろん海外留学や課外活動、日々の学生生活など多方面に広がっています。中学時代から憧れていたマーケティングを学んだ片山さんは、その理論と実践的な学びを生かし、化粧品メーカーのマーケティング戦略を担っています。

周囲への積極的な働きかけで結果を出す

私が勤務するコーセーのコンシューマーブランド事業部では、ドラッグストア向けの商品を扱っており、現在私は、NAIL HOLIC(ネイルホリック)やメイクキープミストなど5つほどのブランドのマーケティングを担当しています。具体的には、中長期的なブランド戦略から、商品の訴求内容やターゲット策定などのプロモーション戦略、生産数量計画の立案まで多岐にわたります。
化粧品業界は競合相手が多く、消費者の関心が高いカテゴリーのため、機能やイメージにより差異化を図ることが極めて重要で、ターゲットや商品の特性に合わせて効果的な戦略を考えねばならず、マーケティングの知識や理論が欠かせません。関連部署と緊密に連携し、きめ細かな調整も必要となりますが、同じ目的に向かい積極的に周囲に働きかけを行った結果、良い仕事ができたときには感慨深いものがあります。

口コミが大きな影響力を持つのも化粧品の大きな特徴なので、SNSなどでお客様が発信する感想もこまめにチェックし、大切にしています。「思わず買っちゃった」、「使ったらすごく良かった」などといった声はやりがいにつながりますし、自分の関わるブランドを使っている人を見かけたり、友人や家族が商品を「買ったよ」と報告してくれたりするたびにこれからも頑張ろうと思えます。

中学時代からの憧れを実現しようと経営学部へ

経営学部を志したきっかけは、中学生の頃、あるシャンプーのCMに魅力を感じて実際に購入し、漠然とではありますがプロモーション企画に関心を抱いた経験にあります。高校時代にはハンバーガー店のアルバイトで、社員の方から新商品発売やプロモーションの戦略的な意図を教えてもらい、マーケティングというものを明確に意識することができ、自分の興味はまさにここにあると自覚できました。中学・高校時代の部活や行事活動を通して、個人プレーより皆で何かを成し遂げる方が自分に合っていると感じたことも、少なからず影響しました。
青学は英語教育に力を入れている点も魅力的で、オープンキャンパスで学生たちの様子を見て充実した大学生活が送れそうだと感じたのを覚えています。マーケティング学科と経営学科のどちらにすべきか悩みましたが、視野を広げるために経営学を学んでおきたいと考え、経営学科を選びました。

在学中は、1年次に企業の方から課題をいただき商品企画やプロモーションを立案するという授業を履修して、グループワークの課題に取り組み、自分だけでは持てない視点やアイデアが飛び出す面白さに魅了されました。企業の方や先生方から問題点などを指摘していただき、難しさや奥深さも感じましたが、2年次には同じ授業に後輩のアドバイザーとして参加してより視野を広げ、考察を深めることができたと感じています。またマーケティング論や広告論など多角的な勉強のおかげで、電車内で広告を見たり、店舗で商品を手にしたりして、「なぜこのコピーなのか」、「こういうプロモーションをする理由は」といったことを自然と考えられるようになりました。

今も仕事で生きているゼミでの学び

3年次からマーケティングが専門の久保田進彦先生のゼミナール(ゼミ)に所属し、輪読やブランド戦略提案、研究論文など多様な課題に向かい、友人たちとも鍛え合いました。久保田先生は答えを提示するのではなく「なぜあなたはこう考えたのか」と問いかけ、学生自らが気づきを得て深く理解するよう導いてくださる先生です。また主体的に動くことも求められたので、能動的な思考と行動の実践を身に付けることができました。
グループで半年間に及び取り組んだ卒業論文は、過去にないテーマを探すために膨大な量の先行研究を調べる必要があり、スタートからとても大変でした。私たちが選んだテーマは「コラボレーションにおけるキャラクターとブランドの一致度がブランドの本物感に及ぼす影響」で、あるブランドのイメージキャラクターとして対照的な2つのアニメキャラクターを挙げ、ブランドイメージに合うキャラクターを起用した方が、ブランドの”本物感”を高めるのではないかという研究です。自分たちで立てた仮説が正しいかアンケートを実施し、結果を分析して検証や考察を行い、論文としてまとめるまでの過程で、専門知識や論理的思考、文章で伝える力など多くを得ることができました。ゼミをはじめ大学で学んだことは、今も仕事で生きる大きな糧となっています。

久保田ゼミでは個人やチームで発表後、ディスカッションを
行いました。

何ごとも全力で 充実のキャンパスライフと留学

企業とのコラボレーションやオープンキャンパスなどを企画・運営する経営学部公認の学生団体・SBSLや旅行サークルなどにも積極的に参加し、魅力的でさまざまな個性を持つ友人たちから刺激を受け、私も自分らしさを見つけて成長できたように思います。大学生活においてやりたいことは余すことなく挑戦しようと考えていたので、遊びにも全力で取り組み、やり残したことはありません。キャンパスライフの全てが私にとって宝物です。
また2回の語学留学を通して、視野が大きく広がりました。2年次の春休みにはバンクーバーに、3年の課程を終えてから1年間は休学して、語学の勉強に集中するためセブ島に留学しました。結果として語学力はもちろんですが、人生における選択の幅が広がりました。
多様な国籍の友人との触れ合いはかけがえのないものとなり、他人と比べず自分らしく振る舞うことの大切さを実感できた日々は何年経っても忘れないでしょう。社内の会議でも自分の考えを積極的に発言していますが、これも留学したからこそ身に付いた姿勢です。3年から4年次にゼミ活動を中断して休学し留学することは、大学生活で最も勇気の要る決断でしたが、思い切って実行したかいがありました。

留学先のクラスメイトと

自然体で自分らしさを武器にした就職活動

私は1年ほど前、新卒で入社した企業からコーセーに転職しました。前職では同じ部署の先輩方とグループとなり複数人で幅広いマーケティングに携わっていましたが、現在は、ブランドごとにプロモーション企画、商品企画などそれぞれの部署の同じブランドの担当間で連携し仕事を進めていきます。私はプロモーション企画業務を行っていますが、一人で担当する分責任が大きく、主体的な行動が欠かせません。大学時代から「やるからには何でも楽しんでやる」をモットーにしてきましたが、それは今も同じで、積極的に働くからこそ仕事を楽しめますし、取り組む姿勢次第で結果も大きく変わると実感しています。
就職活動では取り繕わずに自分らしく自然体で臨みました。

大学生活を通してやりたいことがしっかり見つかっていたせいか、希望する企業ほど良い成果が出せました。自分らしさや強みを見極められずに悩んでいる方もいると思いますが、授業、課外活動、遊びなどさまざまな場面のふとした瞬間に意外な発見があるものです。これから社会に出る後輩のみなさんには、素敵な人がたくさんいる青学で自分を磨きながら、楽しそうだと思ったことは何にでも貪欲にチャレンジしてほしいです。

片山さんの1日

  1. AM 9:00

    出社。(フレックス制のため日により異なる)
    当日スケジュールおよびメールの確認

  2. AM 10:00

    宣伝部へプロモーションのオリエンテーション実施(ブランドA)

  3. AM 11:00

    宣伝部と広告ビジュアル確認(ブランドB)

  4. PM 0:00

    ランチ

  5. PM 1:00

    空き時間を利用しメールの対応(海外とのやり取りもあり)
    SNSや美容雑誌で情報収集

  6. PM 3:00

    商品企画と商品パッケージデザイン・香料確認(ブランドC)

  7. PM 4:00

    事業部内決裁(ブランドC)

  8. PM 5:00

    担当ブランドの実績確認、会議用資料作成など

  9. PM 6:00

    退社(フレックス制のため日により異なる)

卒業した学部

経営学部

21世紀を見通す長期展望のもと、企業の視点で考える「経営学科」と消費者の視点で考える「マーケティング学科」の2学科で、企業と社会(消費者)という、2つの方向から現代の経営を照射し、その飛躍、発展に資する先端的な研究・教育拠点を目指します。 50年以上の歴史と伝統を持つ「経営学科」では経営のプロに普遍的に求められる会計・金融・マネジメントにおける先端理論と実践技術を提供します。 「マーケティング学科」では青山キャンパスがある“渋谷・表参道エリア”という国際性、創造性に富んだ地の利を生かして、消費者が真に求める文化、情報、感性といった面をビジネスに導き入れ、独自のマーケティング学“青山マーケティング”の確立を目指しています。 2学科は学問的成果を共有し、ビジネスの最前線情報に接することができる授業を充実させるなどして、氾濫する情報に踊らされることなく、自ら意思決定を行い、未来を切り拓く力を養っていきます。

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