海外インターンシップで
向上した英語力、
ITスキル、行動力
OVERTURE
キャンパスのA型看板で見かけた、海外インターンシップ「サンフランシスコ 5週間プログラム」。ITに強い興味を持っている豊島丈さんは、ITの本場を体験しながら英語力も鍛えられることに魅力を感じ、参加を決めました。インターンシップを通して「とにかく行動」の意識も培われたという豊島さんは、この経験を勉学やサイト制作に生かしています。
デジタル技術を活用した分析手法を習得し、英語力も向上
経済学部への進学は、社会の根幹を支える経済を学ぶことで、将来ビジネスで活躍する力が身に付くと考えて決めました。中でも現代経済デザイン学科は、「公共」「地域」を柱として学び、実習や演習科目等幅広く授業を履修できる点が魅力でした。
2年次後期から選択している地域コースでは、デジタルマップに統計データを重ねて分析する「地理情報システム(GIS)」を用いる授業がコース指定科目となっています。高校生の頃からプログラミングを学習しITへの興味も強かったので、コンピューターを使って社会の事象を分析する手法をとても楽しく学べています。「経済情報」の授業では、コンビニエンスストアの店舗分布を分析して各社の戦略を読み解く体験から、経済という学問分野が身近な事象に活用されていることが実感できて刺激を受けました。
中学生の頃、シンガポールに2年間暮らした経験があり、英語には親しんできましたが、ビジネスや学問でも通用する英語を身に付けるべく力を入れて学習しています。特に、ゼミナール(ゼミ)でもお世話になる藤村学先生のイギリスの経済誌「Economist」を使ってグローバル経済で起こっている事象を学ぶ授業「グローバル経済B」は、英語能力を伸ばす意味でも、海外の経済事情を学ぶ意味でも、とても有意義でした。
ITの本場でサイト制作を経験、ビジネス風土も肌で感じる
「サンフランシスコ5週間プログラム」は、2年次の5月にキャンパス内のA型看板で偶然知り、説明会を経て参加を決めました。出発まで3か月ほどで手続きが少し大変でしたが、サンフランシスコというITの本場を体験し、自分の英語がアメリカでどのくらい通用するのか確かめる絶好のチャンスだと思ったのです。
IT関連の仕事を経験したい希望が叶い、旅行代理店のECサイト開発チームに参加しました。私の担当はウェブサイトの各ページの制作で、デザインにも携わりました。サイト制作の知識がないところからのスタートであるため、まずはチームメンバーにヒアリングすることから業務開始です。
チャットやビデオ通話を用いましたが、ウェブの専門用語やビジネス英語など知らない用語が次々飛び出して、さらに通信の影響で音質も下がると、理解できないことが多くありました。実際の業務の一端を担っている以上、わかったつもりで済ませることはあってはならないことです。何度でも聞き返し、場合によってはスペルを書いてもらって自分でも使い方を調べ、その繰り返しで少しずつビジネスやITの言い回しを覚えていきました。チームの皆さんは、何度質問をしても、丁寧に詳しく、細かいニュアンスの違いまで教えてくださり、そのおかげでボキャブラリーが増えて表現力も上がっていきました。
技術面でも、デザインやサイト構築の基礎からアドバイスをいただいて開発を進め、徐々に力を付け、自分の判断で作業を進められるまでに上達しました。開発業務の合間に、完成したデザインとその意図を上司にプレゼンテーションする機会もありました。この会議では、インターンシップ中の過ごし方、日本での生活など、自分自身のプレゼンテーションもしばしばあり、人前でさまざまな話題について話す訓練になったと思います。
英語やITスキル以外にも、アメリカのビジネス風土を肌で感じられたことは収穫でした。現地の方が働くことを楽しんでいる点や、出勤日や仕事の進め方を自分で決められ、効率的に仕事ができることを第一に考える合理性はとても好ましく思えました。チームメンバーが、好きなウェブデザインについてまるで趣味の話をするように楽しそうに話してくれたことは印象に残っています。
仲間とのドライブや街の人との交流を存分に楽しむ
本プログラムでは、滞在中の宿泊先を自分で探す必要があります。私は会社近くのシェアハウスを手配しました。アメリカは外食がとても高く、なるべく自炊をして過ごしたのですが、他の住人からキッチン器具の使い方や安いスーパーを教えてもらえて不自由なく生活をスタートできました。
休日は、買い物をしたり、鉄道を乗り継いでGoogle本社を見に行ったり、韓国、アメリカ、日本からの他のインターンシップ生とドライブに出かけたり、部屋にこもらず外出するようにしていました。ヨセミテ国立公園にドライブした時は、あまりにも広すぎてガソリンが足りなくなるかと思い焦るハプニングもありましたが、良い思い出です。
サンフランシスコの人々の外向的なところにも惹かれました。人気のレストランで並んでいると、前後の人から「どこから来たの?」と話しかけられ、日本に旅行に行きたい人と話が弾んだり、ITのインターンシップをしていると言うと大手IT企業の人が声をかけてくれたりと、初対面の人ともフランクに話せる文化を楽しめました。一方、安くておいしい外食店があること、公共交通機関が静かで快適なことなど、日本社会の長所にも改めて気づくことができました。
インターンシップをきっかけに「とにかく行動」がモットーに
現在は藤村先生のゼミに所属し、日本と海外の経済の比較、発展途上国の経済について学んでいます。3年次より本格的な学習をする上で、アメリカ社会を体験したことや円安の影響を生活の中で実感したことは、大いに役立つと思っています。インターンシップで身に付けたサイト制作スキルのアウトプットにも力を入れており、語学学習で習いたい人・教えたい人を結ぶマッチングサイトを、友人とともに開発しています。近々収益を上げられるコンテンツに成長させるつもりです。将来は、外資系のIT企業への就職を考えており、その準備にもなればと思います。
以前「現代金融の諸問題」という授業で、クレジットカード会社で活躍する方のお話を伺いましたが「金融というより通信の企業だ」とおっしゃったのが印象的でした。金融とITの関連についても、今後、学びを深め、ゼミや学科での学びでも関連づけることも心がけています。
インターンシップを通して「やらないよりやる。とにかく行動。行動に移すことで別のものが見えてくる」という意識が養われました。現地で1日があっというまに過ぎていく中で、限られた時間を有効に使うため「やりたいことは全部やる」を意識するようになり、行ってみたいと思ったところは全部訪れましたし、業務でもタスクが終わった後に他にすることがないか尋ねたり、思いついたアイデアは提案したり、積極的な行動を心がけていました。だからこそ、インターンシップの達成感は大きく、自分の中に多くの経験が蓄積したことは自信をもたらしてくれています。今後の学生生活においても、行動する意識を大切に、有意義に過ごしたいと思います。
豊島さんの海外インターンシップスケジュール
-
<2年次> 2022年 5月
「サンフランシスコ 5週間プログラム」を知り、説明会に参加、申し込み
インターンシップ先を紹介され検討、面接
航空券を手配 -
<2年次> 2022年 6月
インターンシップ先企業決定
準備として業務で使うツールを学習 -
<2年次> 2022年 7月前半
ビザの申請、大使館での面接を経てビザを取得
-
<2年次> 2022年 7月後半
宿泊場所手配
-
<2年次> 2022年 8月初旬
渡航、プログラム開始
-
<2年次> 2022年 9月上旬
プログラム終了、帰国
経済学部 現代経済デザイン学科
経済とは人々が生存していくことであり、多様な要因にもとづいて成り立っています。それゆえ、その理解には幅広い視野が求められます。青山学院大学の経済学部においては、このような経済を学ぶ場として多様なテーマの研究が蓄積されており、公正な社会の創造を目指して本質を理解し論理的に行動する力を育成します。グローバルな産業発展が引き起こす貧困や地域格差、環境破壊といった諸課題の解決に向けて、「公共性」の概念が重要となってきました。現代経済デザイン学科は公共性の担い手として政府だけではなく、地域コミュニティにも着目します。誰もが公平で幸せに暮らせる社会づくりのデザインについて学びます。「理論・政策・地域」という新しい枠組みのもと、経済学の応用力と実践力を深めていきます。