自分が心から
やりたいことを求めて
化粧品業界への道を選ぶ

掲載日 2023/10/13
No.266
理工学部
機械創造工学科 4年
山本 航
神奈川県立希望ケ丘高等学校出身

OVERTURE

機械創造工学科で「流体」に関する研究に取り組んできた山本さん。体育会剣道部では副将、広報担当として活動し、相模原と青山、2つのキャンパスを行き来して多忙な大学生活を送っています。当初は「ものづくり」に関心を持っていましたが、スキンケアに救われたご自身の体験と就職活動での自己分析により、化粧品業界で人と触れ合う職業を目指すようになりました。

「To Doリスト」と高校時代の友人の存在でコロナ禍を乗り切る

高校時代の得意科目は物理と数学でした。大学進学にあたっては「世の中に貢献できる、目に見えるものづくり」について学びたいと思い、さまざまな大学を検討。大学自体のイメージの良さもあって、青山学院大学の理工学部 機械創造工学科を目指しました。相模原キャンパスの近くにあるJAXA(宇宙航空研究開発機構)と研究面で連携していることも大きな魅力でした。
念願かなって合格……ところがコロナ禍で、1年次は憧れの大学キャンパスに行くことができませんでした。オンライン授業を受けながら、大学で学ぶモチベーションを維持することに苦労しました。この困難、課題を解決するために、やるべきことを整理した「To Doリスト」を作成。これによって授業一つ一つに余裕を持って取り組むことができ、各授業で出された課題の進捗管理にもとても役立ちました。
また、一人で部屋にこもって勉強する孤独感を乗り切るために、他大学の理工学部に進学した高校時代の友人とリモートで一緒に勉強したことも、コロナ禍の1年間を乗り切るためにたいへん有効だったと感じています。進学先大学も専攻する学科も異なりますが、基礎分野の科目は共通していたので、大学受験をともに乗り越えた仲間として、教え合い、励まし合いながら勉強を進め、巣ごもり生活の中で友人のありがたさが身にしみました。

高校時代の友人と

晴れて剣道部の活動と学科の学びに全力で取り組む

2年次からは本格的に対面授業が始まり、子どもの頃から高校3年生まで続けていた剣道を再開するために体育会剣道部にも所属。青山キャンパスでの練習がメインでしたので、相模原キャンパスから通うのは大変でしたが、大学内の交友関係が大きく広がりました。剣道部では現在、副将を務め、広報担当としてX(旧Twitter)InstagramFacebookを利用したSNSでの情報発信に取り組んでいます。今年は、特に新入生勧誘と、コロナ禍で疎遠になってしまったOB・OGが再び稽古にいらしてくださる環境づくりに注力する広報活動を、広報メンバー3人で分担して行いました。新入部員獲得のためにInstagramで剣道の魅力や部員の人柄をアピールする写真を投稿し、OB・OGに向けては、現役部員の詳細なプロフィールや大会・試合の予定・戦績をこまめに更新して、後輩の稽古や試合に足を運んでいただける機運を高める工夫をしました。その効果があったようで、2023年度は新入生10人が入部、毎週10名ほどのOB・OGの方々に稽古をつけていただくことができました。

そしてこの時期には、部活と並行して学習塾やアパレル店でのアルバイトも始めていましたが、これらの経験を通して、自分が人と接したり、話したりすることが大好きなのだと改めて気付きました。この気付きはやがて就職時の進路決定にも影響することになります。

もちろん学科の友人と親交を深めながら、授業にも意欲的に取り組みました。3年次での思い出深い授業に「機械創造工学輪講Ⅰ」があります。学生10人ほどの少人数クラスで、私が選択した渡邉昌宏先生のクラスは文献輪読だけではなく、理論に基づいて実際にペーパーグライダーなどを製作し、チャペルの前の芝生で飛ばしてみる、といった「ものづくり」を実践する内容でした。飛行機が落下せずに浮き上がる原理を学んだことが、渡邉先生の専門分野の一つである「流体」について、興味関心が芽生えるきっかけにもなり、現在は渡邉研究室で「隔壁挿入による円筒容器内液面スロッシングの制振と内部流動の可視化」をテーマに卒業研究に取り組んでいるところです。

就職活動では遠慮なく「人の力」を借りよう!

就職活動のスタートは3年次前期に参加した学内の「進路・就職ガイダンス」でした。企業や業界のこと、エントリーシートの書き方、面接対策など就職活動の進め方について何もわからない状態だったので、就職に関する基礎知識を身に付けることができ、参加して本当に良かったです。
夏休み中には、進路・就職センターの職員の方や先輩などにアドバイスをいただいてから、インターンシップ選考のためのオンラインでのグループディスカッションに臨みました。ドキドキしましたが、自分の長所を生かしながら議論に参加することで、一定の手応えは得られたと思います。当たり前のことですが、就職活動は何から何まで初めて体験することばかり。わからない時こそ、友達や進路・就就センターを頼って、一人で抱え込まないように心がけました。

「自分らしい写真」としてESに添付した写真。スキンケアを通して自信を取り戻し、心の底から笑っている一枚

一番大変だったのは3年次の春休みのエントリーシート提出ラッシュ、そして4年次の4~5月にかけての面接試験ラッシュです。それでも対面・オンライン面接とも、本番前に模擬面接で練習した成果を発揮することができ、志望動機や「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」について落ち着いて話すことができました。
面接の経験を重ねていくうちに気付いたことの一つに、自分が得意な役割を担当することの重要性があります。採用試験のグループディスカッションでは、参加者に対して、司会進行や書記などの役割が割り振られることがありますが、さまざまな役割を行う中で自分の得意不得意が見えてきました。そのため、本番では自分が得意な役割で貢献できるよう積極的に名乗り出て、自分の長所が表現できるように心がけていました。面接試験に関しては、これから就職活動に臨む皆さんも、十分な「リハーサル」を重ねて臨むことをお勧めします。

人の内面もきれいにするスキンケアの魅力を伝えたい

就職活動を始めた当初、私はメーカーの技術職も意識していましたが、やがて志望企業を興味のあった化粧品メーカーの総合職に絞り、進めていきました。

化粧品メーカーを第一志望にした理由は、自分自身の体験が出発点になっています。剣道では、剣道具と呼ばれる防具を身に付けますが、頭に「面」をかぶって汗を流しながら稽古をすると、「面」との摩擦がおこって、ひどい肌荒れを起こし、自分の容姿に自信が持てなくなった時期がありました。当時は、何事にも消極的になっている自分に気が付きました。思い切ってスキンケアに挑戦してみると、やがて肌荒れは解消し、気持ちも前向きになって自信を取り戻すことができた。その体験を経て、化粧品は人の内面も浄化する働きがあると確信しました。私はそんな自分の体験から、同じような悩みを抱えている人に、スキンケアを通じて笑顔と自信を届けたい、その信念で化粧品業界を志望しました。

機械創造工学科での学びを考えると、技術職を選ぶことが自然と思われがちですが、総合職を志願しました。アルバイトや就職活動で気付いた自分自身の長所でもある「人と接して、話すことが好き」という特性と、自身の原体験を通じて貢献できる仕事は何かと考えた時、営業など消費者に近い立場に身を置いて働くことではないか。そして、自分が本当にやりたい「美を通して、人々に笑顔と自信を届けたい」を仕事につなげる方法を考えた時、化粧品業界でマーケティング事業に携わることができれば、と思うようになり、総合職を選びました。

内々定をいただいたコーセーコスメポート株式会社は、大手化粧品メーカーであるコーセーの「セルフ化粧品」部門が独立して誕生した企業。私たち若い世代に身近で、テレビCMでもなじみのあるヒット商品を数多く世の中に送り出しています。そして、決め手となったことは、事業や製品の魅力に加えて、就職活動の中でお会いした青学OB・OGの社員の方々の存在です。「こんなに素敵な先輩方と一緒に働いてみたい!」と思ったことが、この会社に入社したいと思うようになった最大の理由です。
その思いがかなって、今は来年4月の入社が楽しみで仕方ありません。その前に剣道部最後の大会として第72回関東学生剣道優勝大会への出場、そして卒業研究など学生生活最後の挑戦が残っています。何事にも全力投球してきた大学生活。学問でも、剣道でも、アルバイトでも、私は迷ったらあえて険しい道を選んでチャレンジしてきました。そんな大学生活の仕上げに向けて卒業まで妥協せず、悔いのない一日一日を過ごしていきたいと思っています。

山本さんの就職活動スケジュール

  1. <3年次> 2022年4月

    進路・就職センター「第1回進路・就職ガイダンス」参加 

  2. <3年次> 2022年7月~

    インターンシップ参加

  3. <3年次> 2022年9月

    進路・就職センター「第2回進路・就職ガイダンス」、「体育会就活セミナー」参加

  4. <3年次> 2023年1月

    早期選考スタート

  5. <3年次> 2023年2月

    面接初体験(オンライン、個人)

  6. <3年次> 2023年3月

    エントリーシート提出

  7. <4年次> 2023年4月

    対面面接初体験(グループ)、動画選考、一次面接・グループディスカッション

  8. <4年次> 2023年5月

    二次面接、最終面接

  9. <4年次> 2023年5月

    内々定、就活終了

※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2023年度)のものです。

理工学部 機械創造工学科

青山学院大学の理工学部は数学、物理、化学といったサイエンスと、テクノロジーの基礎から最先端を学ぶ環境を整備しています。国際レベルの研究に取り組む教員のもと、最新設備を駆使した実験、演習、研究活動の場を提供するとともに、独自の英語教育を全7学科統一で実施。未来志向のカリキュラムにより、一人一人の夢と可能性を大きく広げます。
機械創造工学科が掲げるモットーは、「未来を創造する機械工学」。自動車産業や重工業などに不可欠な広範囲の工学を基盤に、ソフトウェア技術を組み合わせることで、夢のある心豊かなものづくりを志向する独自の工学を推進しています。その根底には「人と社会と自然の共存」という大命題があります。このテーマを実現するための創造力と想像力を養い、21世紀のものづくりを担う人材を育成します。

VIEW DETAIL

バックナンバー

*掲載されている人物の在籍年次や役職、活動内容等は、特記事項があるものを除き、原則取材時のものです。

学部選択

分野選択