友人へのライバル心が転機に
前向きに学び成績アップ、インターンシップ先でも高評価

掲載日 2023/9/12
No.259
<2023年度 学業成績優秀者表彰 最優秀賞受賞>
社会情報学部 社会情報学科 3年
関根 蒼真
神奈川県・私立山手学院高等学校出身

OVERTURE

留学をめざして学びの意欲が高まり、その結果、成績も向上し学業成績優秀者表彰の最優秀賞を受賞された関根さん。何事にも前向きな姿勢で取り組み、身に付けた情報技術の知識やコミュニケーション力は、インターンシップ(インターン)先での高評価にもつながっています。

情報技術の知識と社会で役立つ能力を学ぶ

青山学院大学には、私が学んでいる社会情報学部をはじめ、特徴的で多様な学部があります。総合大学として文理を問わず、いろいろな人と刺激し合いながら学べる環境に魅力を感じて、青学への進学を決めました。社会情報学部を選んだのは、元々興味を持っていた情報系はもちろん、心理学、会計学、統計学など、文理の垣根を超えて、幅広い学問を柔軟に学べるカリキュラムに魅力を感じたからです。
1年次に、「青山スタンダード」科目をはじめ、さまざまな学問領域に触れましたが、やはり自分が深く学びたいのは「情報技術」、「プログラミング」の分野だと再確認するきっかけになった授業が、2年次前期に履修した「認知科学」です。課題提出の際は、毎回担当の先生の研究室に足を運んで質問をしなければならないほど苦戦しましたが、そのおかげでデータ分析の方法やプログラミング言語への理解が深まり、さらに学習意欲が高まりました。

人間の社会活動に情報技術を生かしていくことでより良い未来を作りたいと思っている

また、2年次後期に履修した社会情報学部の選択必修科目「プロジェクト演習入門Ⅱ」は、実際の企業が抱える課題に対してグループで解決策を提案する、とても実践的な内容でした。社会と学びのつながりを感じるだけでなく、グループワークを通してコミュニケーション力が自然と鍛えられ、自分の考えをまとめて提案する大切さも実感しました。社会に出てからも役立つ知識を得られた授業だったと思います。

学業成績優秀者表彰で最優秀賞を受賞するまで成績が向上。
その原動力とは?

2年次に修めた成績で学業成績優秀者表彰をいただきましたが、実は1年次の成績は特段良かったわけではなく、表彰を受けることになるとは想像もしていませんでした。
いたって普通の成績だった私が変わったのは、1年次の冬休みに起きた、ある出会いがきっかけです。
元々英語の読み書きは得意でしたが、大学の授業では、話す・聞くといった能力が足りていないことを実感する場面が多く、「もっと英語を話せるようになりたい」と思っていました。そこでオーラルを中心とした英語力向上を目標に課し、バーチャル空間で世界中の人と交流できる「VRChat」を利用して、何人かの外国人と友達になりました。そのうち一人は同い年だったのですが、彼は、英語、日本語、フィリピンで使われているビサヤ語を流暢に話しており、同い年の友人が3つの言語を使いこなしているのに、自分は英語も十分に話せない。そのことがとても悔しくて、彼に追い付きたいという意識が芽生え、自分も留学して語学力を高めようと決意したことが、学ぶ姿勢についての大きな転機になりました。

バーチャル空間での交流をはじめ、大学で出会った様々な友人は貴重な財産になった

留学という明確で具体的な目標ができ、さらに、留学先大学での授業料は原則として免除となる協定校留学(交換留学)制度を利用しようと決めた1年次の冬から、勉学への意欲はぐっと高まりました。協定校留学の学内選考に向けて成績を上げたいという思いはもちろん、専門分野の授業が増え、より自分の興味に沿った授業を選べるようになったことも、学びのモチベーションを高めてくれたと思います。
自分の「好き」や「こうなりたい」と、素直な気持ちを原動力に目的意識を持って学ぶことで、「学ぶことは楽しいな」という感覚が芽生えたことは、大きな変化でした。協定校留学の学内選考を通過しただけでなく、学業成績優秀者表彰の最優秀賞という思いがけない結果にもつながり、少し驚いています。

カナダへの留学に向けて忙しい日々を過ごしている。帰国後は大学院に進む予定

カナダのヨーク大学に、2023年の9月から1年間留学する予定です。私は情報分野のほかにも多様な分野の授業を履修できる、リベラルアーツ系のコースを選択しました。留学先にカナダを選んだ理由は、オンラインで知り合った方がカナダに住んでいたこと、また高校時代に2週間アメリカで過ごした経験から、新しい国での語学留学に挑戦したいと思ったからです。新しいことを学び、知見を広げる機会になりそうで、とてもわくわくしています。また、ヨーク大学があるトロントは、移民が多い街でもあります。多様な言語や文化を持つ人々が社会でどのように共生しているのか、肌で感じてきたいと思っています。初めての海外長期滞在に加え、寮生活となるため、楽しいことだけではなく、想定外の出来事もあると思いますが、日本では体験できない貴重な経験と前向きにとらえて努力して、今後の人生の宝物となるように、有意義な日々を送っていきたいです。

学部やキャンパスを超えたさまざまな学生との出会いは青山学院大学だからこそ得られた財産

学びを生かしてインターンシップ先でアプリ開発

3年次からは、宮治裕先生のゼミナール(ゼミ)で、「情報技術を活用したWebアプリの開発」に取り組んでいます。宮治ゼミを選んだ理由は、情報系のテーマについて自由に選択できる環境があり、また先輩たちのレベルも高く自身の成長に繋げられそうだと思ったからです。その中でも特にフロントエンド*に興味を持ち、現在は、開発に必要なプログラミング技術を高めているところです。初回のゼミで宮治先生にいただいた「プログラミングができるようになりたければ、それだけ手を動かしなさい」という言葉に従い、難しい課題でも、すぐに諦めず、試行錯誤しながら挑戦していく姿勢を大切にしながら日々学んでいます。
*WebサービスやWebアプリケーションで直接ユーザーの目に触れる部分

インターンシップでの開発業務にも取り組み、現場での難しさや楽しさも経験

また、ゼミの活動や留学準備と並行して、3年次の4月からWeb系ベンチャー企業のアプリ開発部門で長期インターンシップ(インターン)にも取り組んでいます。現在は仕様に従ってフロントエンドのデザインや機能を実現させるエンジニアとして働いています。業務で求められる知識や技術はレベルが高く、戸惑うこともありますが、新しい技術を吸収する上で、大学で学んだ情報技術の基礎知識が役立っています。
最近では、上司に「報告内容がしっかりしていて、自分の意見をはっきり言える」と評価していただき、製品の仕様を考えて他のインターン生に役割を割り振るディレクション業務も任せられています。大学の授業でグループワークの経験を重ね、チームで円滑に物事を進めていくコミュニケーション力、自分の考えを発信する力が身に付いていると評価していただき、うれしかったですね。

将来はコミュニケーション力の高いエンジニアに

課外活動では、青山連合会のギターアンサンブル部に所属しています。長い歴史のある、音楽系の部活・サークルの中でも演奏レベルが高い部なのですが、それを知らずに初心者で入部してしまって、周りについていくのが大変でした。私がうまく弾けずに「できない」と悲しみに暮れているときでも、お手本の動画を送ってくれる先輩や同級生の優しさに支えられ、ひたむきに練習を積み重ねて演奏レベルを向上させることができました。そして合宿や青山祭、青山キャンパスのガウチャー記念礼拝堂での演奏会など、仲間と一緒に楽しくハーモニーを奏でられるまでに上達しました。クラブ活動を通して、苦手な事を努力や工夫で乗り越える体験、学部やキャンパスを超えたさまざまな学生との出会い、これらは青山学院大学だからこそ得られた財産です。

学部卒業後は大学院に進んで、研究を続けていきたいと考えています。なぜなら、インターンでの経験や、ゼミでの先輩たちとの関わりの中で、さらに学ぶ意欲が湧いてきたからです。そして大学院で専門知識、プログラミング技術や英語力を向上させ、将来は、国内外で活躍できるエンジニアになることが目標です。ITの世界では、最先端技術の多くが英語で発信されているため、エンジニアにとっても語学力は不可欠になりつつあります。そのためにも、カナダ留学を通して英語力や顧客のニーズをキャッチするのに必要なコミュニケーション力をさらにアップさせ、「自分だけの強みを持っている」人になりたいです。

ギターアンサンブル部に所属。バンド形式でインスト曲を演奏している

※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2023年度)のものです。

社会情報学部

現実の社会には文系・理系の境界はなく、高度情報化社会と呼ばれる現代では、文系・理系の双方に精通していることがアドバンテージとなります。さまざまな社会的課題を解決するため社会情報学部においても“文理融合”の学びを追究しています。文系の「社会科学」「人間科学」と、理系の「情報科学」の各専門領域をつなぎ、各分野の“知”を“融合知”に高めるカリキュラムを整備。新たな価値を創造し、社会へ飛び立てる力を育みます。
文理の垣根をなくした「文理融合」をコンセプトに、社会・情報・人間の複数分野にまたがる学際的な学びを展開。学問領域をつなぐことで生まれる新たな価値観で、一人一人の可能性を広げ、実社会における複雑な問題の解決に貢献できる人材を育てます。

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