「世界で働く」夢を海外転職で実現。前向きなチャレンジで道を切り開いた

掲載日 2023/12/22
No.278
Exa Innovation Studio 日本支社
国際政治経済学部
国際コミュニケーション学科卒業
荒堀 桐代

OVERTURE

欧米に拠点を置く外資系コンサルティング企業に勤務し、グローバルに活躍する荒堀さん。中等部時代から海外勤務に強い関心を持ち、海外転職というチャレンジを経て「世界で働く」夢を叶えました。今回は荒堀さんの「現在」につながるヒストリーとして、大学時代の学びや海外転職への道筋などを伺いました。

海外文化に憧れた中学時代。
大学では国際政治経済学部に進み視野を広げる

海外で働くことを意識し始めたのは中学生の時です。私は青山学院中等部に入学しましたが、1学期に受けた初めての英語のテストでは、リスニングがなんと全問不正解という結果に。英文法には自信があったので、自分でも大きな衝撃を受けましたが、そこから闘志が湧いて猛勉強しました。気付いた頃には英語が大好きになり、それと同時に「将来は海外で働きたい」「日本と海外を繋ぐ仕事をしたい」と思うようになっていました。

大学では、国際的な視点から文化やコミュニケーションを学びたいと考え、国際政治経済学部の国際コミュニケーション学科を選択しました。特に印象に残っている授業は、末田清子先生の「コミュニケーション論Ⅱ」です。この授業では「Who am I?」という問いを通して、徹底的に自己と向き合うのですが、受講した当時はその意義をあまり深く理解できていませんでした。けれども、卒業研究に取り組んだり、社会人として働くにつれ、この問いから導き出される「自己理解の大切さ」を認識するようになりました。「コミュニケーション論」は、私にとって時を追うごとにその深みを感じられる授業だと実感しています。また、国際ビジネスにも関心があり、学部内で他学科の授業を履修できる制度を利用して、国際経済学科の授業も履修していました。

コミュニケーションの大切さを学んだ荒堀さん
いつも笑顔で話す姿が印象的

3年次では、「社会調査士」の資格を取得できて、なおかつ定性調査*に力を入れている末田先生のゼミナール(ゼミ)に進みました。ゼミの同期生は半数以上が留学経験があり、先輩もグローバル志向を高く持つ方が多く、自然と国際的な視野が広がったと思います。卒業研究はグループ単位で進め、当時、日本人と外国人を両親に持つタレントの方々がメディアなどで話題になっていたことを受け「ハーフのアイデンティティ変遷」をテーマに決めました。
私はインタビュー対象者を集める役割を担当することになりましたが、インタビューではやや踏み込んだ質問を行うため、こちら側も積極的に自己開示を行い、相手とのラポール(信頼関係)を築く必要があります。また、自己開示には自己理解が不可欠であることから、「Who am I?」と問う意義を実感しました。以前は個人で作業を進めるのが得意でしたが、この卒業研究を通じ、同じグループ内で互いの強みを生かす「協働」の重要性も学べました。
*対象者と対面して質問を行い意見や回答を集める方法

末田ゼミナールの学生たちと

ウィーンでの海外ボランティア体験は一生の思い出に

課外活動の中で特に印象に残っているのは、2年次で参加した「海外ボランティア実習」です。ヨーロッパに興味があったので、渡航先にはオーストリアのウィーンを選び、約2週間もの間、ユダヤ人墓地の清掃ボランティアを行いました。墓地は高い塀に囲まれ、門も施錠されていたことに驚きましたが、その背景にはユダヤ人の過酷な歴史があることを学びました。自由時間にはボランティアグループでスロバキアまで観光に訪れるなど楽しい時間を過ごし、仲間たちと国境を超えて友情を育んだことは、私にとって特別な経験となりました。

旅行資金を貯めるために、日本ではアルバイトにも打ち込みました。事務職として働いた家庭教師斡旋会社では、電話対応から売上データ管理のエクセル操作まで、ビジネスの基本的なスキルを磨くことができました。さらに、新規事業の企画にも関わる機会をいただけたことで、良い社会勉強となり自信にも繋がりました。

学生時代からボランティア活動を通して、海外の人々とも交流を続けてきた

国際的な視野を養うため、新卒で外資系コンサルティング企業に入社

就職活動では、外資系コンサルティング企業を第一志望としていました。外資系企業でグローバルな環境で働きながら、コンサルタントという立場で多様な企業や人々と関わっていきたいと考えていたからです。その条件に合う企業として、サマーインターンシップでは、アクセンチュア株式会社にエントリーしましたが、この時は内定に繋がりませんでした。しかし、悔しい思いをバネにしてモチベーションを高め、秋の本選考に再トライしたところ、無事内定を得られました。

大学を卒業したのち、アクセンチュアの入社日(選択制だったため7月入社を希望しました)までは半年ほど時間があったので、その期間を生かして、ロサンゼルスにあるアメリカの文化交流を促す非営利団体でインターンシップに参加しました。在学中は英語の学習にも熱心に取り組んでいましたが、実際にアメリカに行くと初心者レベルだと実感しました。しかし、仕事を通じて上司から「あなたはどこでも働ける素質があるよ」と言っていただいたことで、言語の違いに関わらず、納期を守ることや分からないことを質問し調査する姿勢などは、世界共通のビジネススキルであるため、その部分をさらに磨きたいと考えるようになりました。この経験は、後の海外転職への大きなきっかけとなった出来事です。

海外インターンシップの同僚と

7月になり、インターンシップを終えた私は、当初の予定通りアクセンチュアに入社しました。アクセンチュアでは、希望通りグローバル案件を担当することになり、クライアントである日系企業側の要望を海外の開発者に繋ぐ「ブリッジ」というポジションを務め、毎日英語を使いながら充実した日々を送っていました。けれども、勤務地が国内だったことで「やはり海外で働きたい!」という思いが強まり、約3年働いた後、海外転職に挑戦することに決めました。

積極的にチャレンジし、海外転職で夢を叶える

転職活動では数十社ほどにチャレンジしたと思います。最終的に、グローバルなコンサルティング企業であるExa Innovation Studio(EIS)のロサンゼルス支社での採用が決まり、念願の「海外で働く」夢を叶えることができました。私は主にクライアントの要望に沿って新規事業の開発支援などを行っています。その中の案件で、欧州のプロサッカーチームを盛り上げるプロジェクトに携わり、ファンの方々を集めて実態調査を行いましたが、その際にも大学の卒業研究で培ったインタビュー調査方法の知識が役立ちました。

現在はEISの日本支社に所属し、ロサンゼルスチームのメンバーと連携しながら業務を進めています。先日は、顧客層のコミュニティづくりの一環として、国立競技場でイベントを開催しました。仕事で関わった方々からの喜びの声や、魅力的なスタートアップ企業と出会えたことで、この仕事の魅力を再確認することができました。加えて、プライベートも大切にする会社の社風に影響を受けて、オンとオフの切り替えも上手になりました。余暇を活用してヨガのインストラクター資格を取得するなど、メリハリのある毎日を過ごしています。

グローバルなコンサルティング企業を舞台に日本の文化や商品を海外に広めていきたいという

将来的には、自分の名前でキャリアを築き、日本の素晴らしい文化や商品を海外に広めていきたいと思っています。私自身、中等部から大学卒業までの間、青山学院で学生時代を過ごしたことで世界に目を向けられました。その経験から、ゆくゆくは子どもたちのチャンスを拡大するための活動にも取り組んでいければとも考えています。
勉学に励むことももちろん大切ですが、さまざまな体験を積むことで多角的な視点を得られると思います。多くの人と交流し、相手をリスペクトしながら自分の可能性を広げていってください。

卒業した学部

国際政治経済学部 国際コミュニケーション学科

青山学院大学の国際政治経済学部は国際社会への貢献をそのミッションとし、国際系学部の草分けとして創設されました。各学科の学びを深めるだけでなく、有機的に3学科の学びを統合することもできます。グローバルレベルの課題への理解を深め、エビデンスにもとづいて議論・討論するスキルを養成します。世界の多様な人々と協働し、新たな価値を創造する実践力を育みます。
国際コミュニケーション学科では、激変する国際社会において政治学的・経済学的な視点からだけでは扱いきれない国際事象を学問領域として学修・研究します。異なる文化への理解と他者との共存について考え、国際社会が抱える諸問題の解決に貢献できる人材を育成します。卒業生は国際渉外・広報、各種海外協力事業団、通訳・翻訳、マスコミ業界などさまざまなフィールドで活躍しています。

VIEW DETAIL

バックナンバー

*掲載されている人物の在籍年次や役職、活動内容等は、特記事項があるものを除き、原則取材時のものです。

学部選択

分野選択