社会で生かせる
真の力を養う
理論と実践のスパイラル

掲載日 2023/04/18
No.231
経営学部
経営学科 3年
久保田 尚
神奈川県立厚木東高等学校出身

OVERTURE

常に主体的に授業を受け、経営学科での学びを深めてきた久保田さん。SBSL(経営学部学生リーダーズ)の活動やアルバイト先で学んだ知識を実践し、社会で生かせる力を高めました。卒業後はコンサルタントとして、経営の専門知識を活用してクライアントの課題解決に貢献します。

文化がグローバル経営に与える影響を研究

経営学科を選んだのは、経営層の視点やビジネスモデルを学べば社会の幅広い場所で通用する人材になれると考えたこと、さらに、1年生のうちから経営管理の視点を実務ベースで学べるカリキュラムに興味を持ったことが大きな理由です。
学びを進める中で、グローバル化やコロナ禍による国内外の企業の変化に興味を持ち、現在は稲村雄大教授のゼミナール(ゼミ)で、宗教と国際ビジネスの関係に着目して研究を進めています。
近年、グローバル化によって、日本企業の海外進出、海外企業の日本進出が盛んに行われています。コロナ禍のため、リモートワークが浸透して海外とリモートでコミュニケーションを取りやすくなったこともあり、その流れはますます加速しているように思います。こうした時代にあって、今後のビジネスでは、海外企業の特徴、日本企業特有の文化を把握することが重要になると考えています。特に、日本人の宗教との関わり方は海外の主要な国々と大きく異なり、そこで生じる価値観の差異が企業経営や利益に影響を及ぼしているのではないかと仮説を立て、調査や分析を行っているところです。宗教は非常にセンシティブなものではありますが、だからこそ学ぶ意義があると考え、研究テーマとして選択しました。

企業コラボに欠かせなかった「知識の土台」

課外活動として、経営学部の学生が主体となって運営するSBSL(経営学部学生リーダーズ)で活動しています。SBSLの特徴の一つに、企業とのコラボプロジェクトがあります。私も株式会社ZOZOとの共同プロジェクトにサブリーダーとして参加し、大学オリジナルのスウェットの開発・販売に取り組みました。SNSでの情報の拡散、校内での展示会開催など精力的な活動が実り、販売枚数がこのプロジェクトに参加した4大学中1位という結果を残すことができました。そこに至るまでに、経営学やマーケティングの理論、具体的な数値目標を設定して「計画・実行・測定評価・改善」のPDCAサイクルを回していくことなど、学部の授業で身に付けた知識は、土台として欠かすことができないものでした。

経営学部は、知識を実践と結びつけて学べるカリキュラムが特長です。知識や理論を学び、学んだことを実践で使い、実践の結果と反省点を踏まえて次に学ぶ内容を決める。その繰り返しが大切なのだと思います。「大学の勉強は理論が中心で社会では役に立たない」と言う人もいますが、私はそうは考えません。そういう人はおそらく、単位取得のための義務として授業を受け、主体的に学んでこなかったのだろうと思います。私自身は、どの授業でも主体性を意識して学び、知識を自分に定着させ、社会で十分活用できる能力を身に付けることができたと感じています。
とはいえ、本音を言えば、本当に専門知識が自分の身になっているのか、それほど自信があったわけではありません。学びが力になっていると気がついたのは、就職活動(就活)を始めてからのことです。企業分析で有価証券報告書を読み込む時には、アカウンティングの授業で培った知識が役立ちました。ケーススタディを通して多くのビジネスモデルに触れてきたおかげで、志望企業のビジネスモデルを素早く理解することもできました。一方で、就活中に出会ったほかの学生と話していると、企業分析やビジネスモデルの理解が不十分だと感じることがあり、自分にはそのような知識が身に付いていることをそこではじめて実感し、自分の成長ぶりにとても驚きました。

株式会社ZOZOとの共同プロジェクトのミーティング

つまずきから学び成長した学生生活

経営学科を選んだ理由として、経営管理の視点を学べば社会で幅広く通用すると考えたことを挙げましたが、この3年間の学びを振り返ると、その考えはそれほど間違っていなかったように思います。
たとえば、授業を通して学んだ業務改善の手法は、塾講師のアルバイトでも役に立っています。業務プロセスの中でボトルネックになっている箇所を洗い出し、効率的に業務改善していく手法を応用し、生徒の年間学習計画を立てる際には、まず生徒の弱点を把握し、強化ポイントや数値目標を設定して計画的に成績アップを図っています。生徒の頑張りがあってのことですが、志望校に合格する生徒が増えていて、手応えを感じているところです。

また、大学生活を通して、SBSLの活動等でうまくいかずに壁に当たった時も「悔しい!」で終わらせずに、どうすればよかったのかを振り返り、改善につなげようと努めてきました。それは、2年次に私の発案でSBSL内に新プロジェクトを立ち上げようとしたときのことです。学生主体の就活支援を目的とする企画だったのですが、大学の進路・就職センターが提供するプログラムとの差別化が図れないこと、メンバーに対してビジョンの共有と明確な指示ができなかったことで、結局実現させることができませんでした。しかしこの経験から、事業提案の在り方、責任あるリーダーの在り方を学んだことは、必ずこれからの自分に生きると思っています。私はやりたいことには飛び込んでみる性格で、失敗することもあるのですが、成功しても失敗しても、全力で取り組んだことが自分にとって大きな価値になるはずです。後輩のみなさんにも、ぜひ興味のあることには全力でチャレンジしてほしいと思います。

卒業後はコンサルタント職に

卒業後は、グローバルコンサルティングファームでビジネスコンサルタントとして働く予定です。コンサルタントを志望したのは、経営学分野の知識や手法が生かせる仕事であることはもちろん、これまでの経験で、自分が人に何かを伝えて相手にプラスの影響を与えたり、インパクトを残したりすることにやりがいを感じてきたからです。将来は、たくさんのクライアントの課題を解決するだけでなく、そこに付加価値をつけて提供できるようなコンサルタントになりたいと考えています。
そのために、4年次では、これまであまり受講してこなかったマーケティングや顧客分析、サプライチェーンに関する授業を受け、英語やIT関係の勉強も進めていきたいです。学生である時間をフルに活用し、さらに自分の専門性を高めていきたいと考えています。

稲村ゼミではゼミ長を務め、青山祭で企画運営を実施

※各科目のリンク先「講義内容詳細」は2022年度のものです。

経営学部経営学科

経営学部は「マネジメント」(経営管理)を中心に学ぶ学部です。青山学院大学の経営学部では、優れた研究者が教員として揃う質の高い教育環境のもと、企業や組織、ひいては個人をマネジメントするために必要な経営学の知識を、体系的に身に付けられるカリキュラムを用意しています。デジタル化時代に応えるべくデータ分析にも力を入れており、その学びを通して論理的思考力を養います。半世紀の歴史を刻む経営学科では、企業や組織におけるマネジメントに普遍的に求められる先端理論と実践技術を身に付けます。経営・会計・マーケティングの基礎的学習を踏まえ、多様な専門科目を履修することで、より深くマネジメントを学ぶことが可能になります。企業の社会的責任や企業倫理の重要性を理解するとともに、演習などで主体的な学習を重ね、研究成果をまとめる技術も手にします。

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