英語とコミュニケーションの学びを礎に、客室乗務員としておもてなしを世界へ届ける

掲載日 2025/11/21
No.374
文学部
英米文学科 4年
古畑 璃沙
山梨県・私立山梨英和高等学校出身

OVERTURE

家族旅行をきっかけに航空会社の客室乗務員を目指した古畑璃沙さんは、英語やコミュニケーションに関する学びを深めました。卒業後は夢を叶え、客室乗務員として日本のおもてなしを世界に伝えます。青学での学びや就職活動で心がけたことについてお話を伺いました。

客室乗務員の方の笑顔をきっかけに将来の夢を抱く

航空会社の客室乗務員を志すようになったのは中学生のときです。家族でグアムに向かう国際線で、初めて飛行機に乗った私は不安でいっぱいでした。そのとき客室乗務員の方が笑顔で話しかけてくださったことで、ほっと安心して空の旅を楽しむことができました。また幼い頃から英語を習っており、将来は英語を使う仕事に就きたいと考えていたので、客室乗務員の方が英語でスマートに接客する様子を目の当たりにして航空業界へ憧れを抱くようになったのです。

高校生になると語学部に入部して、英語劇『オズの魔法使い』を演じる機会がありました。役のセリフに合わせて無意識に身振りをしたところ、英語ネイティブの先生から「その仕草は英会話ではあまり使わない。それは日本人の会話スタイルだと思う」と教えていただいたとき、自分は無意識のうちに日本の文化を前提に人物像を思い描いていたことに気付きました。ジェスチャー一つにも文化的な背景が大きな影響をもたらすことに面白さを感じ、大学では語学や英米文学を学びながら文化やコミュニケーションの理解も深めたいと考えました。

進学先を考える中で、青学の英米文学科では6つのコースを通じて様々な角度から英語を学べることや、「青山スタンダード」科目では分野の壁を越えた学生と学び合って視野を広げられることを知りました。また家族の勧めもあって青学を目指すことを決意しました。

英語力を基盤に表現力と知識を広げた4年間

入学後は「Integrated English (IE)」を通じて念願通り英語漬けの毎日を過ごし、英語学習の基礎を築くことができました。移動中などの隙間時間を活用し、課題図書以外の英文にも日常的に触れることで長文を読むスピードがアップし、TOEICのスコアも伸びました。さらに「Academic skill」ではスピーチの理論を学び、クラスメイトの前で発表を重ねることで表現力と自信も身に付きました。入学前は「英語圏におけるコミュニケーション」に重点を置いていましたが、イギリスの詩に関する授業と出会ったことから文学の魅力にも関心が広がり、英米文学科に入ってよかったと実感しています。

さらに「青山スタンダード」科目も、興味の幅が大きく広がりました。理系分野にやや苦手意識があった私にとって、1年次に受講した「科学・技術の視点」は、地球温暖化や生物保護という身近なテーマを扱う内容で、理系の知識も楽しく得ることができました。

3年次ではいよいよ「コミュニケーション」をテーマに学びを深めました。小野寺典子先生の「コミュニケーション演習Ⅰ」 では、談話分析という理論・手法を用いて「話しことば」の分析を行いました。私はアメリカ人の友人とのテレビ電話を録画して日米での会話の特徴のちがいを探ったほか、後期にはグループワークとして「日本人が即答を避ける会話パターン」などについて、会話運営の差異の原因となる文化的背景を分析しました。

大川道代先生の「コミュニケーション特講Ⅱ」 も印象的だった授業です。授業ではスピーチパフォーマンスをテーマに、アメリカ大統領選挙でのトランプ氏とハリス氏の演説動画を比較分析しました。演説中の頷きや間合いの取り方、聴衆の歓声までもが演出効果として機能していることを知り、コミュニケーションという分野の奥深さを感じました。

これらの経験から、より一層非言語コミュ二ケーションに関する学びを深めたいと思い、4年次から野邊修一先生のゼミナール(ゼミ)に所属しています。大学主催の就職支援イベント(OB・OG会)で客室乗務員の方にお話を伺った際、偶然その方が野邊ゼミのご出身であることを知り、私もその先輩のように学業と就職活動の両方に力を注ぎながら成長していきたいと思ったことが、野邊ゼミを選んだ大きな理由です。

非言語コミュニケーションと実践的経験を通じて磨いた力

現在、ゼミでは表情やジェスチャー、服装といった視覚的要素に加え、声の特徴なども含めた非言語コミュニケーションについて学んでいます。ゼミ生はグループで相談して自分達でテーマを設定し、持ち回りで研究発表を行います。私は後期には、グループの仲間とともに、映画『ハリー・ポッター』のキャラクターの表情分析に取り組む予定です。喜怒哀楽という一般的な表情以外にも、「嘘をつく時」のような特殊なシチュエーションでの表情なども扱っていければ、さらに興味深い研究になるのではと思っています。

授業以外でも英語力とコミュニケーションへの理解を深めるため、経験を積極的に重ねました。2年次で参加した海外インターンシップ(インターン)も大切な思い出です。大学の国際センターが主催するプログラムで、私はロサンゼルスのNPOが運営するフードバンクで約1か月運営サポートを行いました。食材の仕分けや利用者への配布作業を通じ、サポートメンバーやフードバンクの利用者など、さまざまな文化背景を持つ人々と出会いました。その中で「日本へ旅行してみたい」という方に「ダイレクトに日本を感じたいなら、やはり浅草がおすすめ」とお伝えして喜ばれたことがあります。相手の笑顔を見たときはとても嬉しく、日本の魅力をもっと上手に伝えたいという思いが芽生えました。

また4年間続けた寿司店でのアルバイトでも、海外からのお客様と会話する際に異文化理解や非言語コミュニケーションの知識を応用できました。これらの経験から、私は「日本のおもてなしを世界に広めたい」とより強く願うようになり、青学で過ごした4年間は、客室乗務員という夢を目指す上でも非常に意義深かったと感じています。

就活に不安はつきもの。焦った時こそ自分の軸を大切に

卒業後は航空会社に就職し、中学時代からの夢であった客室乗務員として勤務する予定です。就職活動では、「国内外問わず多くのお客様の心をチームの力で動かすこと」を軸に航空業界を志望しました。特に客室乗務員は、機内という世界中のお客様が交わる空間で、日本文化や丁寧なおもてなしの心を伝えられる職業として、当初から一貫して目標にしてきました。

航空業界に絞って就職活動を進める中で、内定先の航空会社で接した方々の温かさは特に印象に残りました。

選考中は「自分は常に周囲から見られている」という意識を大切にし、挨拶や姿勢、表情まで気を抜かないよう心がけました。また、適度な緊張感を保ちながらも、固くなりすぎず、本来の自分らしさや笑顔を素直に出せたことも良い結果につながったと思います。

就職活動期間中は、大学の進路・就職センターも積極的に活用しました。インターンのガイダンスや企業説明会など、大学の就職活動イベントに参加したことで効率よく就職活動を進められたと思います。本選考に差し掛かった時期には、個別相談や面接練習のため毎日のように通い面接練習のフィードバックなどをいただけたほか、職員の方が親身に寄り添ってくださったことで精神的にも大きな支えとなりました。また、ゼミ教員の野邊先生からも航空業界に即したエントリーシートの書き方など具体的なアドバイスもいただきました。

就職活動中の皆さんにお伝えしたいのは、不安な時こそ焦らず自分のペースを保っていただきたいということです。長い就職活動では、時に周囲と比べて落ち込むこともあると思います。私自身も焦りやすいタイプですが、不安に駆られた時には、意識的に面接練習を増やし、自分の就職活動に集中することでペースを立て直していました。大学の就職支援はとても充実していますので、悩んだ時には積極的に活用することをおすすめします。

英米文学科での4年間は、多角的な学びが得られた貴重な時間となりました。授業はもちろんのこと、海外インターンなどの経験は就職活動でも生かすことができ、こうした点でも青学の英米文学科に進んで良かったと実感しています。青学には夢や目標を持つ学生が多く、私もモチベーションを高め合えるような良い仲間と出会うことができました。卒業後は大学で積み重ねた知識と経験を糧に、日本のおもてなしを世界に届けていきたいと思います。

古畑さんの就職活動スケジュール

  1. <3年次> 2024年 4月

    インターンシップガイダンス参加(学内)

  2. <3年次> 2024年 5月

    進路・就職センター主催のイベントに参加
    「採用担当者・リクルーターによるパネルトーク︕なぜESが必要か」
    「学内企業研究会summer」

  3. <3年次> 2024年 6月

    <青山キャンパス>学内企業研究会参加・サマーインターンの応募を始める

  4. <3年次> 2024年 夏休み

    サマーインターン参加

  5. <3年次> 2024年 9月〜11月

    学内の就活イベントに参加(毎月2回ほど)
    インターン参加

  6. <3年次> 2024年 12月〜 2025年 1月

    冬季インターンと面接練習を始める

  7. <3年次> 2025年3月

    本選考ES提出

  8. <4年次> 2025年 4月〜6月

    進路・就職センターでの個別相談で面接練習を行いながら面接を受ける
    本選考

  9. <4年次> 2025年 7月

    内々定

文学部 英米文学科

青山学院大学の文学部は、歴史・思想・言葉を基盤とし、国際性豊かな5学科の専門性に立脚した学びを通じて、人間が生み出してきた多種多様な知の営みにふれ、理解を深めることで、幅広い見識と知恵を育みます。この「人文知」体験によって教養、知性、感受性、表現力を磨き、自らの未来を拓く「軸」を形成します。
高い水準と幅広い教育内容を誇る「英語の青山」の伝統を体現する英米文学科では、「イギリス文学・文化」「アメリカ文学・文化」「グローバル文学・文化」「英語学」「コミュニケーション」「英語教育学」の6コースが開講されています。3年次のコース選択に向けて1・2年次では専門基礎科目を偏りなく学び、英語力を磨きます。卒業生は語学力と豊富な知識を生かし、多方面で高い評価を受けています。

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