サークルやゼミの学び、大学の支援を追い風に、“楽しい”で世界をつなぐ未来へ
経済学科 4年

OVERTURE
国際関係への興味を起点に経済学を学び、インドネシアでのボランティア活動で見聞を広めた早川諒さん。就職活動を通して無自覚だった自分の強みや成長を確認し、進路・就職センターのサポートもあり、株式会社バンダイの内定を獲得しました。
経済の観点から世界を見つめ、国際関係の理解を深める
家族で行った海外旅行をきっかけに異文化へ興味を持ち、漠然と国際関係について学びたいと思っていました。経済学部を選んだのは、ニュースを見ている中で「経済の動向」と「国際関係」は切り離せないと気づいたからです。そして、国際的な教育に力を入れている青学であれば、グローバルな視点で経済を学ぶことができると考えました。
入学後は、国際的視点を意識しながらも経済分野を広く学んできました。「アメリカ経済社会論」は、授業のトピックに関連する映画の予告やワンシーンからアメリカの経済や社会を読み解く展開に引き込まれました。元々洋画が好きで、見たことがある映画が教材になることも多く、その背景にあるアメリカの社会保障システムや経済構造などを知ることで見え方が変わるのが新鮮でした。
インドネシアで見出した、“楽しい”は人がつながるきっかけになるという視点
「百聞は一見に如かず」との思いから、大学在学中に海外で国際的な活動に携わり、異文化を自分の目で見て肌で感じる経験がしたいとも考えていました。そこで、大学公認の国際ボランティアサークル「ShantiShanti国際ボランティア愛好会」に所属し、2年次の途中から1年間、代表を務めました。全国の学生と交流する機会もあったので、日本各地に仲間ができ、非常に充実した時間を過ごすことができました。
2年次の春休みにはインドネシアで住居建築のボランティア活動に従事しました。建築現場はジョグジャカルタの中心地から車で約1時間の農村部で、現地の大工さんや住民の方々と一緒に作業をしました。英語は全く通じなかったので、建築作業は「言葉ではなく、いかに心で会話をするか」の挑戦でもありました。身振り手振りのコミュニケーションを試みる中で、心の距離を近づけるのに最も有効だったのが、「楽しい感情を共有」することです。互いの言語で声を掛け合ったり、音楽を流して踊ったり、共に楽しみながら汗水流して作業をするうちに自然と打ち解けていきました。最終日には現地の方たちが涙を流して別れを惜しんでくれて、私自身もインドネシアを「第二の故郷」と感じるまでの関係を構築できました。この経験を通じて「“楽しい”は無限大だ!」という思いが湧き上がりました。
また、蛇口から濁った水が出る地域があったことや、農村部では裸足で子どもたち走り回っている姿を目の当たりにし、「自分の目で確かめること」の大切さを深く心に刻みました。
インドネシアでの住居建築ボランティア活動では、セメントを流し込むための穴掘りや柱作り、レンガ積みなどを行った
結果にとらわれるのではなく、「なぜ」を探求して思考力を磨く
伊藤先生のゼミでは、データ分析に基づいて国際経済を学んでいます。インドネシアで抱いた「人々の生活をより良くするためには何をすべきか」という疑問と学問をつないで学びを深めたいと思ったこと、そして学生が主体で研究を行っている点に魅力を感じたのが、このゼミを選んだ理由です。たとえば、3年生の発表に対しては基本的に4年生がアドバイスを行い、伊藤先生がお話されるのは最後の総括のみです。受け身ではなく主体的に学ぶこのスタイルは、社会で通用する力を身に付けたいと考えていた私にピッタリでした。
3年次には「政治的対立と国際貿易投資〜民主主義国と専制主義国間の貿易〜」をテーマに研究しました。ロシアとウクライナの戦争など、国家間の争いや政治的思想の違いが貿易にどれほどの影響を及ぼすのか分析し「インターゼミナール」と呼ばれる他大学との合同研究発表に臨みました。研究内容はもちろん、話し方や資料のわかりやすさにも工夫を重ね、プレゼン能力の向上を実感しました。4年次のいまは3年生にアドバイスをする立場となり、改善点だけでなく良い点も伝えるよう意識しています。多角的に発表を見聞きする中で新たな着想を得ることもあり、学びの幅が広がっています。卒論では大学での学びの集大成として、インドネシアの社会・経済の発展に寄与する提言の形を探っています。
伊藤先生からは、「データ分析は結果が出たら終わりではなく、なぜその数値が出たのかを論理的に追及することが重要」とご指導いただきました。普段の生活でも物事を「なぜ」と考える癖が付き、自分なりの解釈を導き出そうと意識してきた中で、論理的思考力が身に付いたのはゼミでの一番の収穫です。
進路・就職センターと二人三脚で挑んだ就職活動は最高の結果に!
就職活動をスタートしたのは3年次の5月で、学内企業研究会に参加し、さまざまな業界を見てみることから始めました。志望先を絞る上で重視したのが、「グローバルな視点」と「人」です。私は就職先でずっと働き続けたいと考えているため、働いている方の雰囲気が合うかどうかを大事にし、最終的には業界よりも「この会社で働きたい」といった直感を決め手にしました。
そうした中でゆるぎない第一志望になったのが、幼少期に親しんだキャラクターやアニメを数多く扱い、幅広いエンターテインメント事業をグローバルに展開している株式会社バンダイです。3年次の夏にオンラインの説明会に参加し、まずその事業内容に強く引かれました。世界的な人気を誇るコンテンツをツールに、「“楽しい”という感情で人と人をつなぐ世界を実現したい」と思ったのです。その後も、説明会や社員の方と直接お話させていただく中で、皆さんが目を輝かせながら「この会社が大好き」と熱く語られる姿に感動し、「ここで一緒に働きたい!」と心をつかまれました。
エントリーシートの作成や面接などの選考プロセスにおいて、この上ないサポーターになってくださったのが、進路・就職センターの職員の方々です。3年次の1月、自己分析に行き詰まっていたとき、留学から帰国した先輩の勧めで初めて相談に行きました。職員の方との対話を通して、目から鱗が落ちるように自分の強みが見えてくることが多くあり、「もっと早く進路・就職センターを利用すればよかった!」と後悔したほどです。
それ以来、4か月間に約50回も通い詰め、納得がいくまで何度も相談に乗っていただけたことで、エントリーシートの通過率が格段に上がりました。バンダイの選考では、添削と書き直しを10回以上繰り返し、「これしかない!」と思える完成度に仕上げることができました。面接練習も何度も反復して行い、そのたびに前回と比べて良かった点やさらに改善できる点を指摘いただきながらブラッシュアップしました。面接当日も、朝一で前述の先輩と面接練習をした後、進路・就職センターで最終練習をしてから本番に臨みました。練習とまったく同じ質問はありませんでしたが、蓄積してきた回答を組み替えることで落ち着いて対応できたと思います。
努力が報われ、内々定の連絡をいただけた瞬間は本当にうれしく、翌日、進路・就職センターに報告に行くと、自分のことのように喜んでくださり、一番お世話になった方とは思わず抱き合いました。
部員に向けてサークルの代表として発表を行っている様子
自ら楽しむことを大切に、世界に笑顔を届けたい
サークルの代表として毎週話し合いをまとめ、大勢の前で話す経験を重ねたことは、グループディスカッションに大いに役立ち、発表者を決める際にも臆せず手を挙げることができました。面接では、ゼミで培った「論理的に考え、分かりやすく伝える力」が生き、これまでの大学生活がいまの私を形作っていること、人として成長できたことを実感しました。就職活動を通じて、自分に自信がついたのも大きな収穫です。
落ち込んだり、悩むこともありましたが、あまりストレスを感じずに済んだのも進路・就職センターの方々のおかげです。何かうまくいかなかった時は励ましていただき、一緒に反省点を探してくださることで、「次もがんばろう!」と気持ちが前向きになりました。「一人じゃない」と感じられ、心強かったです。進路・就職センター以外にも、青学にはさまざまな就職活動に関するサポートがあるので、活用しない手はないと思います。私は面接対策講座とグループディスカッション対策講座を受講し、どちらも実践的な内容で、イメージをつかむのに大変役立ちました。ぜひ皆さんも後悔しないよう、利用できるものは利用しながら、全力で就職活動に取り組んでみてください。きっと「やってよかった」と思えるはずです。
将来は、自分が手掛けた商品で多くの人に笑顔を届けることが目標です。まずは自分自身が楽しむことを忘れず、この4年間で培った思考力や関係構築力を磨き続けます。世界中に“楽しい”を発信し、人と人をつなげる存在を目指します。
インドネシアの遺跡で友人と(左が早川さん)
早川さんの就職活動スケジュール
-
<3年次> 2024年 5月
学内企業研究会参加
-
<3年次> 2024年 5月~
企業の説明会、インターンシップへ参加
-
<3年次> 2024年 10月
進路・就職センター 面接対策講座参加
-
<3年次> 2025年 1月~
進路・就職センターでの面談
-
<3年次> 2025年 3月
進路・就職センター グループディスカッション講座参加
-
<4年次> 2025年 5月
第一志望から内々定をいただき、就職活動終了
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2025年度)のものです。
経済学部 経済学科
経済とは人々が生存していくことであり、多様な要因に基づいて成り立っています。それゆえ、その理解には幅広い視野が求められます。青山学院大学の経済学部においては、このような経済を学ぶ場として多様なテーマの研究が蓄積されており、公正な社会の創造を目指して本質を理解し論理的に行動する力を育成します。
経済学の対象は、労働・娯楽・教育・医療など広範囲におよびます。経済学科では、社会全体への柔軟な視点を養い、より良い経済システムへの道を探ります。「理論・政策・歴史」という伝統的な体系のもと、幅広い教養と専門知識を修得します。資源配分の効率性について学び、より公正な社会の実現に貢献できるよう、「自ら分析できる力」「弾力的な思考力」「行動力」を育みます。










































































































































































































