コミュニケーション力と、マネジメントの知識を強みに「形に残る仕事」を

掲載日 2025/10/16
No.368
経営学部
経営学科 4年
辻 大輝

OVERTURE

幼い頃の海外生活やゼミ長を務めた経験から、人と接することの楽しさを学び、コミュニケーション力を磨いた辻大輝さん。就職活動においてもその力を発揮し、第一志望の大手ゼネコンから内々定を得ました。将来は、後世に残るような仕事がしたいという夢を抱いています。

海外経験とスポーツが私の出発点

父の仕事の関係で、小学4年生からの約3年間をフィリピンで過ごしました。最初は日本人学校に通っていましたが、父からの勧めもあり、インターナショナルスクールへ転校することになりました。転校してすぐの頃は英語をまったく話すことができなかったため、相手に自分の意見を上手く伝えることができず苦労しましたが、クラスメイトとの会話など実践的な英語環境で過ごすうちに、徐々に英語が上達しました。世界各国から集まった多様な価値観を持ったクラスメイトたちとの学校生活で学んだのが、「相手を理解することとコミュニケーションの大切さ」です。今振り返ると「グローバルな環境で仕事がしたい」という思いも、この頃に培われたものかもしれません。

また、小学生から高校生まで続けていたサッカーや野球などのスポーツに取り組んでいたことがきっかけで「経営学」に関心を持ちました。選手としては怪我に悩まされ、悔しい思いをすることもありましたが、それぞれの選手が与えられたポジションで責任を果たし、チーム全体で戦略を立て、勝利を目指す過程に面白さや重要性を実感しました。近年、「スポーツマネジメント」という言葉も注目されていますが、私自身もスポーツを通じて、将来的にはチームの中心となり、仲間と協力して目標達成に導くことができるような存在になりたいと思いました。大学では、チームや組織内のマネジメントや戦略立案等について学びたいという思いがより一層強まり、「経営学」を専門的に学ぶことを決意して経営学部へ進学しました。

数ある大学の中で青学を選んだ理由は、これまで触れたことのなかったキリスト教を教育の基盤としたグローバルな校風や、さまざまなバックグラウンドを持った人たちと活発に交流できる環境に惹かれたからです。実際に入学してみると、その期待を大きく上回り、大学の学びや多様な個性を持つ友人たちに出会い、充実した学生生活を送ることができました。

産学連携で理論と実践の両面から学びを深める

1~2年次で経営学の基礎を学んだ後、3年次からは竹田賢先生のゼミナール(ゼミ)に所属し、「サプライチェーン・マネジメント」を理論と実務の両面から研究しています。「サプライチェーン」とは、原材料の調達から製造、物流、販売を経て消費者の手元に届くまでの流れを指す言葉で、企業活動と密接に関わるこの分野を体系的かつ実践的に学べることが竹田ゼミの大きな魅力の一つです。

ゼミでは、1学年約20人のゼミ長を務めました。周囲の意見に耳を傾け、自身の意見も交えてゼミをまとめる中で、他者の意見を尊重しながらより良いゼミを作り上げる力も身に付けることができました。この経験は、将来社会で人間関係を構築する上で必ず役立つものであり、貴重な学びだと実感しています。

さらに、理論的な研究で得た知識を実社会で応用する貴重な機会として、大手広告会社や飲料メーカー、外食産業など、さまざまな企業との産学連携プロジェクトにも参加しました。顧客満足度を踏まえたサプライチェーンやマーケティングのあり方を学び、企業が抱えている課題に当てはめて仮説を立て、改善・解決策をゼミの仲間とともに検討しながら、一つの案としてまとめる作業を行いました。意見がまとまらずに苦労することもありましたが、企業の方に施策を提案した際には、「学生ならではの考えを知ることができた」「私たちには思いつかないような発想を知ることができた」と評価をいただき、大きな達成感がありました。この経験を通じて、自分自身の思考力や判断力、表現力も向上したと感じています。

OB・OG訪問を重ねゼネコンに照準を定める

就職活動を本格的にスタートさせたのは、3年次の5月です。ゼミの先輩から「見聞を広めるために、まずは業界を絞らず企業のインターンシップを経験した方が良い」とアドバイスをいただき、複数の企業の説明会やインターンシップに参加しました。就職活動を進めるうちに「形に残る仕事」「社会貢献度が高い仕事」「スケールの大きいプロジェクトに携われる」という軸が明確になり、国内外で大規模な公共インフラなどを手掛けるゼネコン業界への志望を固めました。

就職活動を進める上で、一番身近な支えとなったのは社会人の先輩でもある父です。「社会勉強にもなるから、OB・OG訪問をして人と積極的に会った方が良い」と勧められたこともあり、企業やそこで働く人への理解を深めることに注力しました。また、進路・就職センターで卒業生名簿を調べ、ゼネコンへ就職した自分と年齢が近い先輩、管理職の方などさまざまな年代や役職の方々とお会いしました。OB・OG訪問では、業界のことや職場の雰囲気、一日のスケジュール、業務内容の詳細、さらに先輩方自身の就職活動についてもお話を伺いました。父からも、ビジネスメールの作成方法や説明会での態度、人と話すときの姿勢など、社会人としての基礎と人として常に「誠実」であることの大切さも教わりました。

面接試験では、ゼミ長を務めたことや産学連携プロジェクトへの取り組みについてお話ししました。また、面接対策として、約30ページの問答集を作成し、どのような質問が来ても対応できるよう準備をしました。

次の夢は海外での大型プロジェクト参加

就職活動中は、多くの方々に相談に乗っていただき、貴重なアドバイスをいただけたことが心強い支えとなりました。今は希望通りの進路が決まった喜びとともに、支えてくださった方々への感謝の気持ちでいっぱいです。

入社後は、まず基礎知識や技術を着実に身に付け、実務経験を積みながら営業職を目指したいと考えています。ゼネコンの営業職は、国や自治体、デベロッパーなどの開発事業者と連携し、自社の技術者とともにプロジェクトを実現させる、責任とやりがいが非常に大きな仕事です。会社や社会を繋げる役目も担うため、人とのかかわりやコミュニケーション力が求められる仕事でもあります。将来的には、国内外で人々の暮らしを支えるような大規模な建設プロジェクトに参加し、日本のゼネコンが誇る技術力を世界に広め、社会に貢献したいです。

青学の経営学部の魅力は、4年間を通して段階的に学びを深められる点だと思います。1年次に開講される「マネジメント基礎AB」は、座学で理論を固めつつ、実際に企業運営に携わる体験もできるので、楽しく実践的に学べるのが特徴です。3年次からのゼミも選択肢が非常に豊富で、自分の興味や関心に合わせて専門分野を見つけやすい環境です。専門性を極めたい人にとって、この学部は本当におすすめできる場所だと実感しています。

経営学部 経営学科

経営学部は「マネジメント」(経営管理)を中心に学ぶ学部です。青山学院大学の経営学部では、優れた研究者が教員として揃う質の高い教育環境のもと、企業や組織、ひいては個人をマネジメントするために必要な経営学の知識を、体系的に身に付けられるカリキュラムを用意しています。デジタル化時代に応えるべくデータ分析にも力を入れており、その学びを通して論理的思考力を養います。
半世紀の歴史を有する経営学科では、企業や組織におけるマネジメント活動で必須となる理論と実践を学びます。経営・会計・マーケティングの基礎的学習を踏まえ、多様な専門科目を履修することで、新時代の企業活動を読み解くことのできる、より深いマネジメントの理解に至ります。演習などを通じて主体的な学習を重ね、研究成果をまとめ、社会に発信する技術も手にできます。

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