データ分析で経済を読み解き、ゴスペル・クワイアに支えられた大学生活
経済学科 3年

OVERTURE
得意な数学を強みに経済を学ぶ吉田開人さんは、データ分析に興味を持ち、現在は統計的手法を用いて経済事象を分析する卒業論文の執筆を目指しています。頭を空っぽにして歌える心地よさに魅力を感じて入部した「ゴスペル・クワイア」では幹部を務め、運営にも力を入れました。
興味に合わせた履修の中で、経済事象のデータ分析に関心が高まる
家族と日々のニュースについて日常的に話す環境で育ったことで、自然と社会のことに興味を持ち、大学では経済を専門的に学びたいと考えるようになりました。数学が得意だったので、経済学を学ぶ上で強みになると考えたことも進路選択の理由の一つです。
青山学院大学の経済学部経済学科は、1年次に経済学の基礎を幅広く学び、2年次からは興味に応じて受講科目を選択し専門性を深めていきます。科目は「理論・数量コース」「応用経済コース」「歴史・思想コース」の3コースと、これらの分野を横断するものに分かれており、私は数学の知識を生かせる「理論・数量コース」や、経済学の実社会での役立て方を学べる「応用経済コース」の授業を中心に履修してきました。
大学で扱う数学は、高校生のときに学んでいたものに比べて格段に高度で、授業だけでは理解が追いつかず自主学習で補う場面もあり、難しさを感じることもありました。一方で、経済事象とデータ分析の結びつきには高い関心を抱きました。
例えば「計量経済学Ⅰ・Ⅱ」「経済情報処理Ⅱ」では、統計学の基礎から応用まで実践的に学び、統計学が経済学全体の中で果たす役割について理解を深めることができました。Excelや統計分析フリーソフト「R」などのツールを使ってデータ分析を実践することで、「数字は嘘をつかない」という実感を得るとともに、データをもとに経済事象を理解する研究を行いたいという目標が明確になり、現在も努力を続けています。
「財政学Ⅰ」では、歳出の面から政府活動を学び、ニュースで耳にする「1千億円」「1兆円」といった膨大な金額を、具体的な内訳とともにイメージできるようになりました。経済学と一口にいっても細かな分野ごとに高い専門性が必要で、想像以上に奥深い学問であることを認識できた授業です。
また、経営学部との共通の科目では、観点の異なる意見交換を楽しむことができました。「経営史Ⅱ」では、中高時代からの友人である経営学部生と頻繁に意見交換をしました。植民地時代から現代までのアメリカの経営史を学ぶ中で、私はアメリカの事例を日本企業が取り入れることで経済の活性化をもたらせないかと考えを巡らせましたが、友人は「知識を自分の起業に生かしたい」と話しており、学部による視点・見解の違いを興味深く感じました。
頭を空っぽにして歌えて元気が出る「ゴスペル・クワイア」
入学してすぐに、友人に誘われて新入生歓迎のブースを訪れたことをきっかけに、ゴスペルを歌う青山学院宗教センター所属の学生団体「ゴスペル・クワイア」に入部しました。
ゴスペル・クワイアの新歓ブースは、のびのびと温かいアットホームな雰囲気でした。気軽に練習に参加してみると、大きな声で歌うことがとても気持ちよく、その場で入部を決めました。実は、1年次の6月ごろに「五月病」のような状態になったのですが、ゴスペル・クワイアの活動がモチベーションとなり、調子を取り戻すことができました。その後も充実した日々を送ることができたので、この日の入部の決断は大正解だったと感じています。
ゴスペル・クワイアでは、先輩たちの歌を聴いて曲を覚えます。英語の歌詞とその日本語訳の書かれたプリントは使いますが、楽譜を読む必要はなく、音楽経験の有無にかかわらず誰もが楽しめる点が魅力です。頭を空っぽにしてノンストレスで歌えて、「パワー」「ピース」「ラブ」など、力強く訴えかける歌詞が、歌う人にも聴く人にも元気を届けてくれます。
春とクリスマスに青山キャンパスのガウチャー記念礼拝堂でコンサートを開催するほか、外部の教会で奉唱する機会もあります。2年次のクリスマスコンサートと3年次の春コンサートではソロを務めました。2年次に初めてソロを担当したときには、先輩につきっきりで教えていただきながらもなかなか上達できず、本番ではただただ緊張していました。対して、2度目のソロでは、担当した4人の中で「自分が引っ張っていこう」という気持ちで臨み、練習から本番まで楽しんで歌うことができました。自身の成長を実感できた印象深い思い出です。
また、3年次には副隊長を務め、雑務からコンサート企画までさまざまな役割を経験しました。特に、東京・板橋区の赤塚バプテスト教会の礼拝に招かれ、「ゴスペル・ライヴ礼拝」で奉唱した経験は、今でも強く心に残っています。春コンサートと時期が重なり人員不足となる中、企画を一から立ち上げ、教会の担当者との打ち合わせ、曲目の選定、音源の準備、パンフレット作成などを担当して奔走しました。実施まで課題も多くありましたが、礼拝後に教会の方から「力をもらえました」と感謝の言葉をいただいた時のことを思い出すと、今でも嬉しさがこみ上げます。
力を出し合い「ゴスペル・クワイア」を支えた幹部と(左が吉田さん)
礼拝で、心を落ち着かせて自分と向き合う
私は大学入学まで、キリスト教に関する学びや考えに触れたことがありませんでした。しかし、ゴスペル・クワイアでの活動のおかげで、大学で履修したキリスト教理解関連科目や大学礼拝がより身近なものとして感じられるようになりました。日頃からゴスペルを歌っているためなのか、礼拝を通じて「神様とともにいる」という世界観が自分の中に自然にすっと入ってくるように感じます。以前、ゴスペル・クワイアのメンバーである留学生が「留学生活での困難を、信仰が支えとなって乗り越えられた」と話してくれたことがあります。彼のそのような心情を理解する上でも、キリスト教の教義についての知識と礼拝体験、そしてゴスペルが役に立ったと思います。
また礼拝を通して、慌ただしい日々の中で自分と向き合うことができます。また説教と言われる礼拝で話される内容によって、毎回異なる視点から、自分を省み、心が豊かになる機会を持つことができます。私は、疲れたときや心を落ち着かせたいときには、授業課題とは関係なく礼拝に出席しています。礼拝と聞くと構えてしまう人もいるかもしれませんが、礼拝堂では帽子を脱ぎ、私語は控えてスマートフォンを鳴らさないという基本的なマナーを守れば、特別な準備や知識は必要ありません。多様で興味深いお話を聞くことができるので、ぜひ参加してみてください。教会ではゴスペルに限らずさまざまなコンサートが催されています。そうした機会に地域の教会を訪れてみることもおすすめです。
宗教センター主催の次世代リーダーを育成する3日間の集中訓練プログラム「リーダーシップ・カレッジ」に参加した際には、パワー型のリーダーではなく、周囲の人々が成長の機会を得られるように「人に仕える」リーダーシップが大切だと学びました。このサーバント・リーダー*となることの重要性を知っていたからこそ、ゴスペル・クワイアで幹部として、さまざまな意見を拾い上げて実現に向かって努力し、皆が楽しく活動できるように力を尽くすことができたと感じています。
*自由で自立した存在として、他者に仕えるとともに、互いの価値を見出し、それを他の価値とつなぐことによって新しい時代を創造する者
ゴスペル・クワイアのクリスマスコンサートでは、MCも担当
金融を通じて社会を支えていく将来を目指して
4年次からは「計量経済学」を担当された西埜晴久先生のゼミナール(ゼミ)で、統計学を用いてベーシックインカムの有効性や実現可能性を探りたいと考えています。
ベーシックインカムについては、コロナ禍にニュースでも取り上げられ、興味を持っていました。もし実現すれば、社会を大きく変えるものとなり、その背景や事例を理解するため、現在は大学図書館で関連書籍を読み、所得再分配の制度に関する基礎知識を身に付けています。
また、データ分析では、仮説を立てて検証を重ねる過程に魅力を感じています。仮説通りである場合もあれば、裏切られる場合もありますが、別の仮説を立ててさらに検証をすることに面白さがあります。経済理論や数式として学んだ内容を、実際のデータ分析で実証できたときにはやりがいを感じます。今後も学びを深め、ベーシックインカムをはじめとする所得の再分配について、データで検証する技術と思考力を磨いていくつもりです。
勉学だけではなく、就職活動も本格的に開始しました。金融を通じて経済や社会の基盤を支える仕事に携わりたいと考え、金融機関を中心にインターンシップや説明会に参加しています。学部で培った統計やデータ分析の知識は、金融の現場で求められる論理的な判断力の基盤になると感じています。また、ゴスペル・クワイアの幹部として一人一人の意見を丁寧に聞き、各々の力を引き出せるよう調整役を担ってきた経験は、顧客や同僚と信頼関係を築きながら組織を支える力につながるでしょう。こうした、人に寄り添いながら社会に貢献する姿勢は、青山学院が大切にしているサーバント・リーダーとしての志と重なると確信しています。
祖父や父からは、経済が活気に満ちていた時代の話をしばしば聞きます。これからの時代を生きる私が、再びそのような社会を実現する一助となれたらと思います。統計学やデータ分析の手法、そしてゼミでの所得再分配についての研究を社会に還元し、日本経済の発展に貢献していきたいと考えています。
勉学やサークル活動で大学生活を充実させると同時に、趣味も大切にしている。大好きなアーティストのライブでの記念の1枚
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2025年度)のものです。
経済学部
経済とは人々が生存していくことであり、多様な要因に基づいて成り立っています。それゆえ、その理解には幅広い視野が求められます。青山学院大学の経済学部においては、このような経済を学ぶ場として多様なテーマの研究が蓄積されており、公正な社会の創造を目指して本質を理解し論理的に行動する力を育成します。経済学の対象は、労働・娯楽・教育・医療など広範囲におよびます。経済学科では、社会全体への柔軟な視点を養い、より良い経済システムへの道を探ります。「理論・政策・歴史」という伝統的な体系のもと、幅広い教養と専門知識を修得します。資源配分の効率性について学び、より公正な社会の実現に貢献できるよう、「自ら分析できる力」「弾力的な思考力」「行動力」を育みます。









































































































































































































