1人ではできないハンドベルの演奏。サーバント・リーダーとして、チームを支えたい

掲載日 2026/3/27
No.388
教育人間科学部
教育学科 3年
小林 りり花
千葉市立千葉高等学校出身

OVERTURE

ゼミでICTを活用した学習法について研究を行っている小林りり花さん。図書館で図書や情報を取り扱う専門職員である司書の資格取得も目指しています。課外活動ではハンドベル・クワイアに所属し、サーバント・リーダーとしてチームに貢献することを心がけ、活動に取り組んでいます。

情報を扱う司書などの資格取得を目指して

ICT(情報通信技術)を活用した学習方法に興味を持ったのは、高校時代にオンラインで授業を受講したのがきっかけです。当時は新型コロナウイルス感染症が流行っていたこともあり、Zoomなどオンラインでのミーティングや授業が主流でした。オンライン授業では、1つのテーマについてディスカッションを行ったり、課題文をクラスメートとともに読み解いたりしました。この授業を通して、遠く離れた人々がリアルタイムで学びを共有できることを特に有益に感じました。さらには、大学で教育情報学を学びたいとの思いに至り、青山学院大学の教育人間科学部教育学科に進学しました。

本学の教育学科には5つの履修コースがあり、自身の興味や関心に応じて選択することができます。その中で、「教育情報・メディアコース」は、私が学びたいICT学習法等の内容を体系的に学べるカリキュラムが整っており、進学を決意する大きな理由となりました。さらに、このコースではさまざまな資格を取得できる点も魅力の1つです。私は特に、図書館で図書や情報を取り扱うことを専門とする司書の資格取得を目指しています。他にも幅広く資格を取得し、よりよい教育システムの制度づくり等にも関わっていける人材になりたいと思っています。

司書資格取得のための必修科目である「情報技術論」では、コンピューターの仕組みからデータベース、検索エンジンの基礎まで、図書館業務に不可欠な情報技術を幅広く学びました。VTuberに応用されている技術など、授業の中で、今井福司先生が具体的な事例を交えて解説してくださるため、理解が深まりやすく、大変興味深い授業でした。最終課題では電子書籍の制作に取り組みました。自分の関心に沿ったテーマで書籍を作成できるだけでなく、他の履修者の個性的な作品を見ることもでき、刺激を受けました。

情報サービス論Ⅲ」では、演習課題を通じて司書の業務の1つであるレファレンスサービスについて学びました。レファレンスサービスとは、利用者の方々から寄せられるさまざまな疑問や質問に対して、適切な情報を検索し提供する業務です。例えば、「力士の名前の由来や、何代目までその名前が継がれてきたか」といった、簡単には答えが見つからない質問を受けることもあります。質問に答えるために参照する情報源はインターネットだけでなく、辞典や統計資料など多岐にわたります。演習課題に取り組む中で、利用者の潜在的なニーズを読み取り、それに応える視点の重要性を学びました。司書の仕事は、謎解きのような面白さがある一方で、コンサルティングのような業務的側面もあります。当該授業は、司書の仕事を具体的に理解できる、非常に有意義な授業です。

ICTを活用して子どもたちの読解力を高める方法を探りたい

1、2年次の授業を通して、ICTを活用した効果的かつ効率的な学習方法について探究したいという思いがさらに高まり、3年次からは、長谷川祥子先生のゼミナール(以下、ゼミ)に所属して、小学校の国語の授業にICTを取り入れる方法を研究しています。ゼミでは、国語の授業を通して「話す・聞く」「書く」「読む」という言葉の力を育む方法を考えることをテーマに研究を行っています。ICTの情報活用能力やアクティブラーニング*などを研究対象としているゼミは他にもありますが、私が探究したかったのは「どのように授業の学習効果を高めるか」という点です。ICTは効果的な学習のためのツールと捉えていたため、長谷川ゼミが私に最も適していると思いました。

*生徒が能動的に参加する学習方法

ICT端末を小学校の国語の授業に活用すると、児童の課題に対する考え方をその都度記録に残すことができ、思考の変容を可視化できます。例えば、課題に対して、児童が感じたことや考えたことを付箋に書き込み、画面上に貼っていくという作業を行った場合、その前後で児童の思考の変化を時系列で確認でき、思考の深化を把握することが可能です。また、児童同士がお互いの記録を見ることも容易なので、他の児童の考え方からヒントが得られ、学びを深めることができます。さらに、教員が各児童の学習状況をリアルタイムに把握できる点も、ICT活用の大きな利点です。

私は、国語の読解力を高めるには、「文章を読み、どのように考えたのか」という思考の過程に焦点を当てた学びが必要だと考えています。そのため、思考過程を可視化できるICTの特性は非常に親和性が高いと感じています。今後は、さまざまな研究論文を考察しながら、ICTの特性を生かし、国語の授業の学習効果を引き出す方法を模索し、授業改善に導くことが目標です。

キリスト教を学ぶことで、新たな視点が持てた

本学には、「青山スタンダード」という一定範囲の知識・教養と一定水準の技能・能力を備えることを到達目標として確立された本学独自の「全学共通教育システム」があります。その中でも、キリスト教理解関連科目は、建学の精神である「キリスト教の価値観に基づく人間教育」を学ぶことを目的とした青山学院大学ならではの特徴的な科目です。

キリスト教概論Ⅰ」の授業では、キリスト教の基本的な教えや考え方、歴史などについて学びます。礼拝に参加してレポートを提出する課題が出ることもあるため、自然と礼拝に足を運ぶようになりました。礼拝では、宗教主任の先生や牧師の方が、ご自身の経験をもとに人生の転機などをお話してくださるのですが、日常の中の小さな気づきが積み重なって、それぞれの生き方につながっているのだと感じる場面が多くあります。またキリスト教に対する理解が深まるだけでなく、自分自身の物事の受け止め方や日々の姿勢についても見つめ直すきっかけになりました。

礼拝では聖歌隊やゴスペル、オルガンの演奏が奏でられ、音楽などを通してキリスト教の持つ芸術的な魅力にも触れることができます。こうした体験を重ねる中で、キリスト教という宗教に触れることは、その思想や文化背景を理解する大切な機会であると学びました。礼拝を経て、多様な価値観や文化の違いを尊重し、理解しようとする姿勢を養うことができたと実感しています。

高校時代、英語の授業で、「willという助動詞は神に誓うニュアンスに近い」と教わったことがありました。当時はあまり腑に落ちませんでしたが、キリスト教について学んでいく中で、言語の背景には絶対的な神の存在が前提としてあるということを知り、今では自然と理解できます。

青山学院大学への入学を検討している方の中には、宗教について学ぶことに不安を感じる方もいるかもしれません。私も入学前は、高校の倫理の授業で少し触れた程度で、キリスト教についてほとんど馴染みがありませんでした。しかし、教養科目として学ぶうちに、学問として純粋に興味深いだけではなく、新たな視点を持つことができました。自分自身の視野や価値観が広がり、とても実りのある時間だと感じています。

青山キャンパスのガウチャー記念礼拝堂は、いつ訪れても美しいと思える空間で、なぜか自然と落ち着きを感じます。正面にある十字架はじっと眺めていたくなるほど印象的です。本学は、立派な礼拝堂があり、優美で貴重な施設であるともいえます。礼拝の際に響くパイプオルガンの音は、低音まで重厚に広がって迫力があるので、ぜひ皆さまに体感してほしいです。また、ステンドグラスについては、特に相模原キャンパスのウェスレーチャペルのものがお気に入りです。チャペルに入ると美しいステンドグラスを間近で眺めることができ、天気の良い日には日光が差し込み、キラキラと輝く光景が楽しめます。

チームワークで成り立つハンドベルの演奏を支えるために

課外活動では、青山学院大学ハンドベル・クワイアに入部し、ハンドベルの練習に励んでいます。ハンドベル・クワイアは青山学院宗教センターに所属している団体で、練習は音楽家の指導の下、宗教センターの施設内で行っています。宗教センターの職員や宗教主任の先生方はいつも優しく声をかけてくださり、コンサートや演奏旅行でも支援していただいています。

ハンドベル演奏は1人では成り立ちません。1つのベルが1つの音に対応するので、周りのメンバーと息を合わせて演奏する必要があります。仲間に支えてもらい、私も仲間を支える——、チームワークで成り立つ演奏は、キリスト教の教えと重なるように感じます。コンサートに参加してくださった方からは「癒された」「心が浄化された」といったお声をいただくことが多く、ハンドベルの音色には、つらいときなどに心を落ち着け、癒しを与えてくれる力があると実感しています。礼拝で讃美歌を演奏すると、ハンドベルの持つ清らかな音で、堂内が神聖で厳かな雰囲気に一変し、キリスト教の真髄を体感しているような感覚になります。私にとって演奏は、自分を整える時間になっています。

コンサートで学生指揮者として指揮をする小林さん

毎年12月に行うクリスマス・チャペル・コンサートは、1年の中で特に重要な行事で、昨年は私が隊長と実行委員長を務めました。後輩たちのサポートもあり、すべてを自分たちで作り上げることができたので、大きな達成感を得ることができました。お客さまも想定以上に来てくださって、名実ともに充実したコンサートとなりました。

ハンドベル・クワイアで活動する中で、私が常に意識したことは、サーバント・リーダーとしてチーム内でどのように動いていくか、です。サーバント・リーダーはさまざまな解釈があり、同じ宗教センターに所属している他団体の学生と交流する学習会では、他の学生の経験を聞く中で、サーバント・リーダーの在り方について理解を深めることもできました。私が考えるサーバント・リーダーとは、「人が活躍できる環境を整えられる存在」です。ハンドベル・クワイアのメンバーには、幾度となく助けてもらったのですが、自分ひとりではできないことを周りに「頼る」ことで絆が生まれ、自発的に助け合う風土が醸成されたと感じています。現在は就職活動の最中ですが、ハンドベルでの経験や学部での学びを生かし、将来は自分が目指すサーバント・リーダー像を体現できるよう、仕事に取り組んでいきたいと思っています。

2025年クリスマス・チャペルコンサートでの演奏

教育人間科学部 教育学科

青山学院大学の教育人間科学部は、教育学科と心理学科の連携によって、「人間」の多様な側面について総合的に学べる多彩な講義、演習や実習を展開しています。同時に、教育・心理それぞれの分野における専門知識を土台とした、理論的な知と実践的な知をバランスよく身に付けることを目指します。現代の人間に関わる諸問題を読み解き、社会の要請に答える能力と、自ら行動するための課題解決能力・自己教育力を育成します。
教育とは、年代や環境を問わず生涯にわたって行われる普遍的なものです。教育学科では、乳幼児期から老年期に至るライフサイクルの中で、人間がどのように発達・学習・社会化・成熟していくのかを学修し、3年次に選択する専門分野の学びを通して、教育の本質と理想の姿、教育の担い手である人間という存在について理解を深めます。幼稚園から高等学校まで幅広い教員免許状の取得が可能です。

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