在学中の公認会計士試験合格を実現。主体的な学びを力に、女性のロールモデルを目指す

掲載日 2026/8/25
No.408
<2025年度 学業成績優秀者表彰 優秀賞受賞>
<2026年度 学業成績優秀者表彰 最優秀賞受賞>
経営学部 経営学科4年
小諸 梨那
東京・私立青山学院高等部出身

OVERTURE

「自立して生きていきたい」という思いから、高校生の頃に公認会計士を目指すことを決意した小諸梨那さん。大学在学中という目標どおりに公認会計士試験に合格した背景には、計画的な学習と、主体的に学び続ける姿勢がありました。合格までの歩みや、将来への思いを紹介します。

在学中の公認会計士試験合格を目指し、
学部と予備校の両輪で学びを深める

子どもの頃から「自立して生きていきたい」という思いがありました。進路を考える中で資格職に興味を持ち、社会に高い貢献のできる仕事を調べて、数字や計算が好きな自分には「公認会計士」が向いているのではないかと考えるようになりました。

高校3年次には、公認会計士試験の基礎となる簿記を学び、日商簿記検定3級に挑戦しました。資格勉強を始めると、企業のお金の流れが理解できる面白さに夢中になり、「もっと学びたい」と自然に思えるようになりました。それまで味わったことのなかった学びの興味深さを実感し、「大学在学中に公認会計士試験に合格する」という目標を立て、関連分野を学べる経営学部経営学科への進学を決めました。

入学と同時に公認会計士試験対策の予備校にも登録し、学部の学びと試験対策を並行して進める生活がスタートしました。たとえば「管理会計論Ⅰ」など、資格試験に必要な知識を学部でも体系的に学べる環境は、大きな魅力だと感じました。高校生のときは、簿記という狭い範囲での知識しかなかったところ、さまざまな角度から企業を捉える視点を養えて、企業経営の中で会計が果たす役割についても理解が進みました。

1年次には、2年次に受験対策の時間を十分に確保するため、計画的に単位を取得することを重視していました。単位の取得だけでなく、公認会計士試験の内容と関連が深い授業を積極的に履修することで、試験対策と学部の学びの相乗効果を生み出し、確実に知識を定着させることにつながったと思います。とはいえ、1年次には1日の勉強時間は3〜4時間程度でした。学部学科を超えた友人たちと旅行やレクリエーションを楽しむサークルに所属し、友人の紹介で寿司店でのアルバイトを始めるなど、勉学以外での学生生活も充実していました。

時間管理を徹底して集中力を高め、学習効果を最大限に引き上げる

2年次からは、いよいよ公認会計士試験に向けた学習を本格化させていきました。それまでオンラインで受講していた予備校の授業を、より集中できる対面の授業に切り替え、自習室にも通い始めました。自習スペースとしては、大学図書館も積極的に利用し、閉館まで残っていた日も多くありました。2年次前期には、12月の短答式試験(一次試験)合格を目標に毎日10時間、合格後は、3年次8月の論文式試験(二次試験)に向け、学習時間を1日12時間まで増やしました。多くの時間を捻出するため、移動の時間をできる限り減らし、少しの隙間時間も無駄にしないよう工夫していました。

ただし、資格勉強の時間を確保しても内容が頭に入らなければ意味がありません。1週間単位で予定を立て「この日はこの教科に何時間使う」と決め、その時間内でやり切ることを徹底していました。時間を区切ることで、「その時間で終わらせよう」という意識が働き、自然と集中力が高まりました。こうした時間管理を続けたことが、学業成績優秀者表彰の受賞にもつながったと考えています。

デジタルよりも紙の書籍での勉強の方が性に合う。使い込んだ参考書は、積み上げると1メートル以上に

1人でひたすら机に向かっているとき、サークルの友人が旅行先で楽しそうに過ごしている様子をSNSで見て、寂しくなることもありました。しかし「もしも試験に受からなかったら、この期間がまた延びてしまう」と思うと「3年次に絶対に合格する」という強い気持ちも湧き出てきました。今振り返れば、友人たちの存在が私の原動力になっていたのだと思います。また、息抜きの時間として、週2回の寿司店でのアルバイトは継続していました。長時間の勉強による運動不足の解消にもなり、人と話すことで良い気分転換にもなりました。生活リズムを整える意味でも、大切な時間だったと感じています。

こうした努力が実り、無事合格できたときには、本当に嬉しく肩の荷が下りたような気持ちでした。友人に会えない孤独感や、試験への不安を抱えた日々を支えてくれたのは、いつもと変わらず、毎日おいしい食事を作ってくれた母の存在でした。家族の応援があったからこそ、合格まで走り切ることができたのだと思います。

資格予備校の公認会計士試験合格祝賀会にて

考え、議論する楽しさを知り、企業分析の力を養ったゼミ活動

3年次から、企業会計や経営分析について研究する尹志煌先生のゼミナール(ゼミ)に所属しています。尹先生のゼミには、以前から公認会計士試験を目指す学生が多く在籍していると伺い、互いに刺激を受けながら学べる環境に身を置きたいと所属を決めました。ゼミでは、企業会計の基本を学ぶことに加え、会計等に関するテーマについて自ら調べて発表する機会も多くありました。会計とは何か、改めて考えるきっかけとなり、論文式試験に向けても多くのものを得られたと思います。

さらに、グループワークも印象的です。多くの人に親しまれているゲーム業界を題材に、企業ごとの戦略を分析し、今後どのような方針を取るべきなのか考察しました。知識を身に付けるだけではない、自分で考え、議論することの魅力を実感しました。

私は現在、古着店、古書店、質店、フリマアプリなどに代表されるリユース業界を研究テーマとした卒業論文に取り組んでいます。関心を持ったきっかけは、環境意識の高まりを背景に市場が急速に拡大している点でした。また私自身、リサイクルショップで洋服を見るのが好きで、自分の興味ある分野であることも大きな理由です。

卒業論文では、リユース業界の企業を具体的に取り上げ、扱う商品の種類や主要顧客の違いなど企業ごとの強みや特徴を分析・比較します。どのような経営戦略が成長につながり、社会のサステナビリティに貢献しているのか、明らかにするつもりです。研究テーマを決めてからは、リサイクルショップの売り場づくりや商品の並べ方、思わず手に取りたくなるような仕掛けなども気になるようになり、店舗に行ったときにはさまざまな角度から観察しています。

学部の講義では、特定の分野や論点に絞って学ぶ授業が多い一方、ゼミでは他の授業で身に付けた知識を横断的に活用し、企業活動を俯瞰的に捉える視点を養えました。企業を自ら調べ、分析し、考察する力は、卒業後の仕事でも生かせると確信しています。

2026年度学業成績優秀者表彰の表彰式にて

公認会計士として自分らしく働くことで、
女性が最前線で活躍する未来を実現する

卒業後は監査法人で会計監査業務に携わります。経営学部では、経営者の視点から会計等を学ぶ機会が多かったのですが、今後は中立の立場から企業の財務情報を検証することになります。学生時代とは別の視点で会計を捉えることが楽しみであると同時に、大きな責任も感じています。現在は就職予定の監査法人でアルバイトをしており、先輩方が、有価証券報告書の内容とその企業の活動が本当に一致するのか、丁寧に検証する様子を間近で見て、早く一人前の公認会計士として活躍したいという意欲が湧いています。

監査法人では女性上司のもとで働いており、公認会計士は女性が活躍しやすい職種だと実感しています。その姿に刺激を受け、将来は自分が自立して働くだけでなく、後に続く女性のロールモデルとなることも目標となりました。多くの企業と関わる中で自分らしく働く姿を示すことが、女性が当たり前に活躍できる社会につながると考えています。

業務で英語を使う機会が増えることを見据え、現在、TOEIC対策ができる「国際文化演習Ⅰ」を受講しています。必要だと感じたことをすぐに学べる環境が整っていることは、青山学院大学の魅力の一つだと思います。

高校・大学を通じて感じるのは、青学には学生一人一人の挑戦を後押しする文化があるということです。公認会計士試験への挑戦も、そうした自由で主体性を尊重する環境があったからこそ最後までやり抜き結果を出すことができました。ここで培った学びを土台に公認会計士として成長し、自分らしく活躍する女性のロールモデルを目指していきます。

サークルの友人と訪れたベトナムでの記念の1枚

※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2026年度)のものです。

経営学部 経営学科

経営学部では「地の塩、世の光」を教育の理念に掲げ、理論を重視する姿勢を基盤としながら、社会に貢献できる力と、正しいことを追求する姿勢を育むことを大切にしています。経営学部は、企業・組織・個人を適切にマネジメントするために必要な経営学の知識を体系的に学ぶ学部です。国内外で活躍する研究者を教員として迎え、高い専門性に基づく教育環境のもと、経営管理に関わる幅広い理論を順序立てて身につけられるカリキュラムを提供しています。また、デジタル化が進む現代社会に応えるため、データ分析教育にも力を注ぎ、理論的に考える力と、社会を広く見る視野の両方を身につけた人材の育成をめざしています。
半世紀にわたる歴史を有する経営学科では、企業や組織のマネジメント活動に不可欠な理論を中心に据えつつ、経営・会計・マーケティングの基礎的な学修を踏まえて、多様な専門科目へと学びを広げます。これにより、新しい時代の企業活動を多角的に理解できる深いマネジメント観を育みます。さらに演習科目などを通して主体的に学びを積み重ね、研究成果を整理し社会へ発信する力も養われます。

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