「知る楽しさ」を原動力に、社会情報学部で出会った多彩な学びと新たな自分
社会情報学部 社会情報学科 4年

OVERTURE
学際的な学びや教職への関心を軸に社会情報学部へ進学した鈴木里佳さん。情報科学と数学を中心に、人間科学や社会科学まで幅広く学び、現在は教育用アプリの研究を行っています。大学でのさまざまな出会いを通じて視野も広がり、2026年度には学業成績優秀者表彰で優秀賞を受賞しました。
幅広い知的好奇心に応えてくれる社会情報学部
子どもの頃から、何かを知ることや学ぶことに楽しさを感じていました。特に数学では、さまざまな事象から共通する法則性を抽出し、その法則を他のケースにも当てはめて考えるプロセスに面白さを感じていました。また読書も好きで、主人公が知識を生かして領地改革を行う小説などを読んでいるうちに、社会学や心理学の領域、ひいては「知を得ること」全般にも関心が広がっていきました。
そこで、大学では分野に捉われず幅広く学んでみたいと考えていたところ、学際的な学びを特長とする青山学院大学の社会情報学部に出会いました。進学先を選ぶ決め手となったのは、オープンキャンパスで行われていた香川秀太先生の模擬授業です。コミュニティや組織における学習研究を専門とされる香川先生の研究室ではラップバトルをすると伺い、それまで研究というものに抱いていた堅苦しいイメージが変わりました。
また、私は中学校で学級委員を務め、先生方が生徒一人一人に寄り添う姿勢を間近で見てきました。そうした経験を通して教職にも関心を抱いていたので、教員免許を取得可能な学部であることも重要なポイントでした。
箱根駅伝の応援に行ったときの一枚。
お弁当販売プロジェクトからアプリ開発まで、実践的かつ多彩な学び
期待していた通り、入学後は文理横断的に学習することができました。
1年次の「人間科学概論」の授業では、経済学と心理学を融合した行動経済学を学び、社会情報学部ならではの学際性の魅力を感じました。例えば授業では「反射効果」という現象が扱われました。これは「本質的には同じ結果でも、リスクとして示されるか利益として示されるかで受け手の印象が大きく変わり、その後の行動も変化する」というもので、「期待値」という数学の理論と関係しています。
私は教職課程を履修していたので、母校で教育実習を行った際にこの「期待値」を紹介したところ、生徒たちは大いに興味を持ってくれました。私が数学の授業でこうした話ができたのも、社会情報学部で学んだ経験があったからこそです。将来的に教員になることがあった場合にも、魅力ある授業づくりのためにさまざまな知識を持っておくことは有意義だと感じました。
2年次に受講した「プロジェクト演習入門Ⅱ」も印象的な授業でした。この授業はグループプロジェクト形式で課題解決に取り組むものです。私の所属したグループは、キャンパス内の学生食堂や購買会などを運営する学校法人青山学院の100%出資により設立された事業法人「株式会社アイビー・シー・エス」の活性化を目的に、相模原キャンパスでお弁当を販売しました。お弁当の仕入れ先の選定や発注数の決定、販売まで行うなかで、アイデア出しや課題整理を行うときは1年次の「社会情報体験演習」で学んだ発想法が役立ちました。また、「コンピューティング実習」でHTML、CSS、JavaScriptのコーディングを学んだことからサイトを立ち上げようというアイデアも出ました。結局実現はしませんでしたが、授業で学んだことを生かして何かを作りたいと思うようになったのはこの時からだと思います。仲間と共に仕入れ先候補のお店に伺って食事をし、仕入れ協力のお願いをしたときの緊張感やワクワク感は今でも覚えています。

また、意外にもお弁当のメイン購買層となったのは、当初想定していた学生ではなくお弁当に目新しさを求めていた相模原事務部の職員の方々でした。こうした経験から、ターゲット設定の重要性を実感しました。
3年次では、松澤芳昭先生がご担当された「システム分析・設計応用」の授業で、アプリケーション開発の上流工程について楽しく学びました。この授業では、学生自身が架空の企業の社員になったという設定で、松澤先生が架空の顧客となり、ヒアリングし、アプリを開発するところまでを行います。授業内では質疑応答の場も多かったので、ヒアリング力や要件定義のスキルのほか、臨機応変に対応する力も身に付きました。また、当時最新版が公開されたばかりの生成AI「Gemini」を活用し、コーディングを行いました。コーディングをする中で、前段階の設計が甘くて困る場面があり、上流工程の重要性に気づくことができ、良い経験でした。
「教育」をキーワードにアプリ研究を進める
現在は、メディア情報処理を専門とされる伊藤一成先生のゼミナール(ゼミ)に在籍し、教育用のアプリに関する研究を行っています。私が取り組んでいるのは、伊藤先生が開発されたプログラミング初学者向けのアプリ「ハイパーピクトッチ」です。このアプリでは、画面上に用意されたビジュアルブロックをつなぎ合わせるだけで指示文が完成し、人型ピクトグラムが画面上を走ったり泳いだりします。私はその中でも「泳ぎ」の機能に注目し、「時間・距離・速さ」の関係を視覚的に学べる教材という観点から、学習効果の検証を行っています。
オープンキャンパスで、研究室にて「ハイパーピクトッチ」を紹介する鈴木さん。
この研究成果は、情報処理学会の全国大会で学会発表しました。生まれて初めての学会参加だったので、ペース配分などが難しく非常に緊張したことを覚えています。
今後は本学大学院の社会情報学研究科に進み、情報系の知識をさらに深めていく予定です。教育実習では、一般企業で働いた後に教員の道へ進んだという先生のお話を伺う機会もありました。これから一般企業の説明会やインターンシップに参加する中で、将来についてはよく考えていきたいと思っています。
課外活動としては、社会情報学部直属の学生団体である青山学院大学社会情報学部学生会に所属しています。本学生会では、オープンキャンパスや新入生オリエンテーションといった学内イベントの運営に加え、「さがみはら環境まつり」などの地域のイベントに参加して、学部や地域を盛り上げる活動に取り組んでいます。オープンキャンパスでは、事前準備としてポスターの制作や設営を行い、当日は来場者に学部の説明を担当します。来場者の皆さんが説明を喜んでくださったときや、学部の魅力をしっかり伝えられたと感じたときに、大きなやりがいを覚えました。「さがみはら環境まつり」では、2年生のときに先輩が作ったオリジナルゲームを少し修正したものを公開し、子どもたちを中心とした多くの方々に楽しんでいただきました。学生会の活動は自由参加ですが、私は打ち合わせもイベントもなるべく参加するようにしたことで、仲間や先生方との絆が深まりました。
学会発表の様子
私を変えた、青山学院大学での出会い
大学に進学してから大きく変化したのは、何か分からないことがあったときは気負わず「分からない」と言えるようになったことです。子どもの頃の私は引っ込み思案なところがあり、先生に質問することもあまり得意ではありませんでした。そのため、何か疑問が生じても教科書や参考書を読み込んで自分で解決することを当たり前としてきました。また、「分からないままでいたくない」という負けず嫌いな性格もあり、不明点があっても理解できるまで粘り続けてきました。そうして学力を伸ばすことができた一方で、友人から勉強面で頼られる存在になったこともあり、いつしか「実は私も分からない」と素直に口にすることが難しくなっていました。
しかし、大学では学ぶ内容の専門性が高まったため、先生に質問しないと乗り越えられない壁も出てきました。同時に、学生会の活動を通して多くの先生方と関わる機会が増え、先生方が気さくに接してくださったことで、安心して相談できるようになりました。さらに、専門分野を同じくする友人ができたことで、互いに質問し合ったりアイデアを持ち寄って考えを深めたりすることもできるようになりました。
こうして学び続けてきた結果、2026年度には学業成績優秀者表彰の優秀賞をいただくことができました。高校時代も努力を重ね、周囲の友人に励まされながら一定の成果は残してきましたが、「目指すところまではあと一歩届かなかった」という経験もありました。だからこそ、今回学業成績優秀者に選んでいただけたことは、「これまで努力を続けてきてよかった」と心から思える出来事になりました。
これから社会に出れば、正解が一つではない問題に向き合う場面も多くなると思います。そうした問いにも好奇心を持って積極的に向き合っていきたいと思います。
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2026年度)のものです。
社会情報学部 社会情報学科
現実の社会には文系・理系の境界はなく、さまざまな社会的課題を解決するため社会情報学部においても “文理融合”の学びを追究しています。文系の「社会科学」「人間科学」と、理系の「情報科学」の各専門領域をつなぎ、各分野の“知”を“融合知”に高めるカリキュラムを整備。新たな価値を創造し、社会へ飛び立てる力を育みます。
高度情報化社会と呼ばれる現代では、文系・理系の双方に精通していることがアドバンテージとなります。本学科では、文理の垣根をなくした「文理融合」をコンセプトに、社会・情報・人間の複数分野にまたがる学際的な学びを展開。学問領域をつなぐことで生まれる新たな価値観で、一人ひとりの可能性を広げ、実社会における複雑な問題の解決に貢献できる人材を育てます。









































































































































































































